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第01稿02話~爺ちゃん、素材を集める10~



__爺|自宅


 今日も一日頑張るぞい!現在6時。今日は道場に行くとしよう。着替えを済ませて外に出る。

 本日は雨じゃのう。晴れているのなら軽く走ろうかと思ったが大人しく車で行くとしよう。



__爺|道場


 道場にて朝餉を馳走になる事になった。うむ、元よりそのつもりだったのだが到着するなりそのまま食事の席につかされてしまったの。


「ほれ、食いな食いな」


 席に着くのは17名。泊まりこんで学ぶ門下の者も一緒に食べるので1人増えた所で問題にならない。と何時も言うのは目の前に居る


「んで飯食いに来ただけかい?」


 目の前に差し出された茶碗を受け取る。差し出してきたのは片凪 凪子という儂と同い年の筈なのに身体を鍛えてるからか40代位に見える妖怪……ではなく婆さんじゃ。儂と苗字が似ているのは遠い親戚にあたるからじゃ。


「身体を動かしに来たんじゃよ」


「なら、うちの門下の相手してもらおうかね」


「武器は……」


「木製のモノを使わせる。最近は木製を使うようになってねぇ」


「それなら……まぁ」


 この道場は武術を教えている。じゃんるは問わず。基礎である体術は勿論、あらゆる武器の扱い方を学ぶ事が出来る。儂は体術をここで学んだが。試合は武器ありである。昔は普通に武器自体を使って試合をしていた。


「まぁ中に砂鉄が詰まってるから重さは変わらないんだけどねぇ」


「打撃力は変わらないのぅ」


 儂は徒手空拳なので武器を相手にする場合は……。



「まとめて相手にするには歳を……」


「なぁに言ってんだい。鈍った身体を叩き起こすには丁度良いだろう。さぁあんたらまとめてかかりな」


「行かせてもらいます!」


 いや、流石に10人相手はきついじゃろう。木製とは言え武器は武器。武器には触れない様に袖を取り倒す。相手の武器は棒……槍かの?が3,木刀が2、素手が1、斧3、あれは何じゃ。あ、鞭かの。木製の鞭は初めて見たのぉ。ぐにゃぐにゃしておる。


「隙有り!」


「おっと」


 槍の子達が突きを放ってきた。前の二人が3人同時にではなく少しずらして。……成程、この子らに教えてるのは連携術か。慌てて避けた所を両側から剣の子達が挟みうちしてきた。

 ふぅむ、武器には触れずに袖を取る。コレで行くとしよう。剣を振る袖を……半袖である。この子らは別に合気や柔道では無かったのぅ。稽古着が違うのも当然じゃな。では腕を取ってと、捻ってしまっては可哀想じゃが……む、飛来物じゃ。この状況で避けるには。うむ、腕を取って盾にするしかないのぅ!


 剣を振る1人の腕を取り影に入る。この位置ならば飛来物にはあたる事はない。後ろ手に拘束しているので、

この少年は盾以外の選択肢は無いだろう。この子の身体が柔らかく無ければの話だがのぅ。見た所接触を避けるべきは素手だった者じゃな。盾として終わったらそちらに放り投げておこう。


「いででっ、えっまっちょ!」


 うむ、骨の軋む音に続いて3発の打撃音。飛来物の正体みたり斧である!投げ斧とは中々粋な使い方をするのぉ。は!素手の者が4人になってしまった。4択になってしまったのぅ。うぅむ、顔を覚えとくべきであった。いきなり始まってしまったから武器しか見ておらんかったのぅ。


 よし、取り敢えず一番近い者に放り投げておくとするかのう。腕を離し足払いをかける。転んだ所をそぉい!

 体勢を建て直さずにそのまま近くに居る剣の子の足に絡みつく。ふぅんぬ!年甲斐もなくじゃいあんとなすいんぐじゃ!まだまだ若い者には負けんぞい!うっ、腰が。


「ギャアアア足がぁああ」


「そこまで!あんた馬鹿かい?自分の歳を考えな!早く医務室に連れてけ!」


「むむ、儂としたことが」


 足を離さないまま転んでしまった。骨折か脱臼か。いずれにしても早く処置しなければ。


「あんたは行かなくて良い。そうだねぇ烈華の相手でもしてくれ」


「む、烈華君おるのかの?」


「メールしたら久しぶりにやりたいからすぐこっちに来るって言ってたよ」


「では、暫し待つとするかのう」



爺ちゃん、張りきり過ぎる。相手が怪我をするのでぎっくり腰になる場合は腰に負荷のかかる技は止めましょう。

次回、片凪流次期師範。片凪烈華、登場です。

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