第01稿00話~真面目な爺さんVRMMORPGをやる2~
__爺|仮想まいるーむ
ゴーグルを付けると透明なスカイブルーの様な空間が広がっていた。地面は……ある感覚がするのぅ。
足を付けると水面に触れたかのように波紋が広がる。ほっほ、凄いのぉ。ふむ?そう言えば身体の違和感が無いの。飛んだり跳ねたり筋とれをしてみる。
「ほほ、昔の様に身体が動くのぅ!しかし、なんじゃ。筋とれるーむになってしまうのう。はて、他に出来る事は無いのかの」
『こんにちは』
「何処かから声が聞こえるのぅ」
『私はサポートガイダンスシステム、SAIDASと申します』
「ふむ、ではさいだす君とやら何が出来るのかの?」
『検索、からソフトのダウンロードや実行まで言ってくれれば何でもやります』
「ふむぅ、と言ってもぶいあーると言うのは儂も正直初体験じゃからのぅ」
『……このパーソナリティストレージにダウンロードされてるソフトは今のところ1件ですね』
「ふむ、ではそれをお願い出来るかの?」
『かしこまりました。こちらのアイコンに触れてください』
目の前に浮かんだのは英語の様だ。待て、儂にもこれ位なら読めるぞい。
ふりーらいふすろーらいふぷれいらいふ?
『どうやらVRMMORPGの様ですね』
「MMORPGならかなり昔にやったのぅ。どれ久しぶりにやってみるとするかのぅ」
浮いたたいとるに触れると世界が暗くなった。
__爺|天性の間
『ようこそ!FREELIFE-SLOWLIFE-PLAYLIFEの世界へ!自由に!のんびりと!戦って!遊び尽くしてください!』
そんな文字が目の前に浮かんでくる。ついでに女性の声も。
『この空間では貴方のアバター、キャラクターデザインを作成します。最後にハンドルネームをお聞きしますので考えておいてくださいね』
ふむ、きゃらくたーでざいんとな。ここは現実では無理な髪型とかにしてみたいのぅ!
『想像した姿になる事が出来ます。種族は8文字以内で決めてください。空欄の場合はアバターの外見で決定されます』
種族……?そう言えばこのげーむはすてーたすとかはどうなるのかの?気になるのう。
『出力されたデータによって初期ステータスが決まります。ステータスやスキルはどう過ごしたかによって決まります。そして称号を得ると更に行動にボーナスが貰える事となります。さらに職業に就くと該当の行動にボーナスが加算されますよ。ステータスは変動する事がありますが。きわめてまれです。HPとMPは戦闘や生産によって最大値が増えます』
なるほど、では。そうじゃのぅ。ふぁんきーでくれいじーでいけいけな爺にでもなるとするかの。
『出力されました。この姿で良いでしょうか。種族、仙人で登録されます』
目の前に表示されたのは白髪の左右を丸刈りにして鶏のとさかの様になった髪型に胸元まで伸びる髭。痩せぎすの老人である。目元の隈が酷いの。これは仙人になったからかの?ふむ、縦に伸ばしてる感じでとても良いのぅ。もうちょっと上を伸ばしたいかの。
考えると髭と同じくらいの長さまでとさかが伸びた。現実でこんな髪型は出来ない。重力にとても見事に逆らっておるの。
『アバターはこれで決定ですね!ではでは名前を決めてください』
名前か。名前……G3ROCKとかどうじゃろうか。いや、この見た目でこの名前は無いのう。ある意味ろっくではあるが。
爺……くれいじー、くれい爺、く、黎爺。久黎爺で行くとするかのう。
『久黎爺で名前を決定しました。これから拠点に転送されますが東西南北の方角を選んでください』
ふぅむ、東にするかの。
『東ですね。それではローディング時間に入りますが。その間に色々と説明させてもらいます』
『この世界でどう過ごすのかは自由ですが基本的にまだ対人対戦などの要素はまだ解放されていません。なのでプレイヤーキルやNPCキル等をすると犯罪者となります。その状態では拠点などの便利機能が使えなくなるので気を付けてください』
ふむ、倒さなければ良いのじゃな?
『そうなります。あとは貴方の生き方がこの世界での力となります。街に降りたらステータスを確認する事をオススメしておきます』
あい分かった。
『さてローディングが終了しました。それではこの世界をお楽しみください。分からない事があればHelpにて検索をおこなってくださいね』
そう言って文字は溶けて消え。風景が変わり気付いたら街に立っていた。
爺さん主観の時は爺さんの発言、思考の横文字は全部平仮名となります。ちうい。(遅い。
皆さんはPCの中にいつの間にかあったソフトには気を付けてください。




