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第01稿02話~爺ちゃん、素材を集める3~



__久黎爺|草原


 買い物が終わって帰ってきてろぐいんして丸兎を狩りに来た。武器が出来ているのなら、森に行こうと思ったんじゃが、残念ながらまだ出来てない様なので練習がてら丸兎と戯れに来たぞい。


「ふぉっふぉっふぉ、可愛いのう」


 ぴょこぴょこと跳ねる兎達を撫ぜる。攻撃判定にはならない様じゃ。もふもふさらさらとした手触り、ふむぅ、これは癖になるのぉ。耳はさらさらとした毛に覆われていて、胴はもふもふじゃ。そして丸い。これは、あの二人が囲まれていたのにも納得じゃ。


 可愛いが経験値の為に犠牲になって貰わなくてはならぬ。ううむ、円らな瞳じゃ。こっちを見るでない。

 攻撃しにくいのう。


 うーむ、至福じゃ。うむ、気付いたら丸兎の海に浮かんで居った。人懐っこいのぉ。



 はて、ここは何処かの?さらに気付いたら暗くなっておった。ごつごつとした土の天井が見える。丸兎の大群に洞窟まで運ばれたようじゃ。うむ、兎に誘拐されてしまった様じゃな。


 丸兎の海を泳いで地面に足を付ける。出るのは名残り惜しいが本来の目的をしなければならぬ。


 と言っても範囲攻撃を持たぬ儂では流石にこの量を攻撃したらたこ殴りにされて死んでしまうじゃろう。一匹、攻撃したら周囲の丸兎も攻撃してくるのかのぅ。お嬢ちゃんは範囲攻撃で一掃していたから分からぬの。


 地面に降り立つと丸兎の海が外の光が見える入り口を塞ぐようにざぁっと移動する。ふむ、退路を塞がれてしまった様じゃのう。先に進むしかあるまいか。


 ふむ、くえすと発生とな?目の前に画面が浮かび上がりくえすとの内容が表示された。

 丸兎の巣を荒らす敵を排除せよ。と言う事か、ふむ、どんな奴なのじゃろうか……気になるが勝てるのかの?



 奥に進むとひらけた場所に出た。床には大量の穴。洞窟の地面に空いた穴。穴には規則性は無いように見えるが……穴を見渡していると、穴から何か這い出てきた。土竜だ。土の龍が出てきたわけでなく。もぐらである。成程、これはもぐら叩きの様なミニゲームの様じゃ。軽い気当てでも良いのだろうか、うむ、試してみよう。気を練りもぐらが這い出る場所に向かって気を飛ばす。気の速さは大きさによる様じゃ。もぐらに当てる事は出来なかった。


 ふむ、では、銃の弾を作ってみようかのう。気を練り放出!おぉ、もぐらに当たったぞい。痛がっておるのぉ。威力は関係なく当たったらいい様じゃ。しかし、弾丸程早く飛ばないのぉ。お、穴に戻って行きおった。何回か繰り返すのかの。


 では、いざ、もぐら叩きの開始じゃ!ん、もぐら撃ちじゃな。

 まず先に腕が穴のふちにかかり頭が出てくる。腕が見えた時点で撃つと丁度いい様じゃ。という訳でこつさえ掴めば簡単に……ふむ、二匹に増えたぞい。しかも石まで投げてくるようになったのぉ。ひょいと半身をずらし石を避ける。二匹同時に当てないとならぬかのう?取り敢えず片方に当ててみるとするか。


 片方に当てると一匹になる。一匹ずつでも良いようじゃ。0にすると今度は4匹になった。どうやら鼠算ならぬもぐら算式に増えていくようじゃ。32匹を0にしたところで中心の穴の群が崩落して大きい穴になった。ふむ……これは……先程迄のもぐらとは違った大きな手がふちにかかった。



 どうやら、ぼすの様じゃ!……ぼす?初心者1人で勝てるのじゃろうか?

 おおきな土竜が出てきた。爬虫類顔ではなく鼠の様な顔をしておる。それでは戦うとするかの。


 上半身だけを出して岩を投げ付けてくる。投げてくるものも進化しておるのぉ。しっかり回避しないと避けられなさそうじゃ。

 気弾を放つと当たったが怯んだりもせず岩を続けて投げてくる。ほああ、こんぴゅーたーの射撃は正確すぎる。危ない危ない。横に転がり受け身を取る。これは何回も当てないと駄目な様じゃ。


 よく見ると土竜の上の方に棒が見える。これは……体力の表記かのう?少しも減ってないのぉ。時間制限とかあるのじゃろうか。


 何度も何度も繰り返し、やっと、体力を半分まで削った。


 すると土竜がブルブルと震えたかと思うと飛び上がって洞窟の天井に当たって落ちてくる。ふむ、今ので体力がぐんと減ったのぉ。土竜は穴に戻らずに地面に降りてきた。上を見てる間に穴が消えておる!どうなってるのじゃろうか。あんな大きな穴が一瞬で消えてしまった。


 土竜が腕を振り上げ地面に叩きつけると、なんと地面から土の塊が持ち上がり下がる。するとこちらに向かって土の塊が迫ってくる。波の様な攻撃じゃ。ふむ、どうするかのぅ。


頑張れ爺ちゃん。土竜に負けるな。お爺ちゃん、龍を見てみたいらしい。

あ、ちなみに穴が無くなった事に関しては何れ、爺ちゃんが聞きますから説明しませぬ。まぁゲームと言われたら爺ちゃん達プレイヤーからしたらそうです。しかし……

それでは皆様また次回!

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