222 同盟破棄2
キャルが帝国のカシゾー将軍に同盟を破棄し気功士兵団の撤退を宣言した。
その理由3つの内2つ目まで説明し、3つ目の説明を始めた。
「3つ目、参戦を保留している我が軍から、兵士を勇者パーティーに参加するよう長時間に渡る強要。」
「そ、それは勇者個人の勧誘であって、帝国としての依頼では無い。」
「ははは、それは異な事を、勇者パーティーも含めて対魔王軍では無いのですか?対魔王軍には勇者パーティーは入らないとでも言うつもりですか?」
「いや、それはそうだが、勇者は特別なのだ。勇者無しには魔王軍には勝てないのだぞ。勇者には特別な権限があるのだよ。」
「そんな事は知りませんね。我が国ではその様な権限を認めておりません。同盟の契約にもその様な文言はありません。」
「勇者の事はこの大陸中で暗黙の了解であるはずだ。」
「それは、魔法を使える者の話でしょう。気功士はその様な話を聞いた事もありません。明文化していない事項が、認められないのは世の常識ですよ。」
「そんな事を儂に言われても・・・。」
「良いですか、参戦保留中の我が軍から、対魔王軍の戦力を提供させるのは、異常な事です。それを口頭で、しかも長時間に渡り、断っている国の代表を束縛して強要するのは、平等な同盟関係の国同士の在り方ですか?」
「うぬ・・・。」
「私はそうは思えません。勇者パーティーの勧誘以外は、国王に報告しております。国王はご立腹でしたよ。同盟破棄も止む無しとの事です。我々が魔抜けの一団と考えての扱いでしょうか?」
「そ、そんな事は無い。気功士兵団は魔抜けでは無いではないか?」
「我が国は魔抜けと呼ばれている、魔法が使えない者の地位向上を重大な目標として建国しております。ここまでの扱いをされて魔法が使えない者の、地位向上が出来るとは思えない。」
「しかし、ここで撤退されたら魔王軍の思う壺だ。貴国だって、ここで魔王軍を止められないと、滅亡する未来しか無いぞ。」
「困るのは、帝国と同盟関係にある魔法を使える人族だけでしょう。我が国単独でも魔王軍を倒せる自信があります。そして我が国との同盟国もあります。我が国と同盟関係にある国だけで魔王軍を倒して見せます。」
「馬鹿な。そんな事出来るはずがない・・・。」
しかし、カシゾー将軍は3国連合の大軍が、気功士王国により消失した事を思い出した様だ。
「もしかして、出来るのか?」
「出来ます!」
キャルは胸を張り、自信を持って即答した。
そして、この夜の内に気功士兵団は、フロスト砦から撤退した。
次の日、気功士兵団の宿舎に行こうとした勇者に、将軍より気功士兵団撤退の連絡が入る。
「なんだってぇええええ!!!」
驚愕の勇者だった。
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カクヨム様にて10話程度
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