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221 同盟破棄

深夜まで続いた勇者達との話し合いは、勇者の言葉で終わりを告げた。


「もう疲れたよ、強情だなぁ。今日はここまでにしよう。また明日来るから考えていて。」


「明日来ても結果は同じです。来て貰わなくて結構です。」


きっぱりキャルが断っているのだが、しつこい勇者達だった。


「良いから良いから、また明日ね!」


捨て台詞を残して去る勇者。


カシゾー将軍は1人残って、キャルに話し掛ける。


「キャル殿、済まんなぁ。勇者にはせめて気功士王国が参戦するまで、待つ様に言ったんだがな。止められなんだ。」


「参戦しても勇者パーティーには参加しませんよ。」


「そう言わずに、強さから行くと、この砦で最強戦力である事は間違いないのだ。」


「はぁ、私はこの参戦を取り止める権限を持っています。こんなに貴方達が失礼な行動を取るなら撤退します。」


「何?帝国との同盟が破棄になるぞ!」


「破棄しましょう。」


「おいおい、どういう事だ。そんな事出来ないだろう。」


「同盟は平等の契約のはずが、扱いはまるで属国の様では無いですか?いや属国以下ですね。ここまで虚仮にされてまで、我慢してここにいる事は国の沽券に関わります。」


「何処が属国以下なんだ!」


「3点あります。1つ、砦入場時に帝国兵士から計画的な襲撃を受けました。その行為に対して帝国上層部、または皇帝陛下から気功士王国国王に、お詫びがあって然るべきなのに音沙汰無し。これはどういう事ですか?」


「それは、貴国に恨みのある魔法兵団の仕業であって、帝国の本意では無いからだろう。その事で貴国側が参戦保留で回答待ちの状態のはずではないか?!」


「魔法兵団は学園都市亡き後、帝国の兵士になったのでしょう、帝国の落ち度は明らか、お詫びも釈明も国としての対応がなされていないのでは?まさか現場の口頭のお詫びのみで、外交上問題無いとでも思っているのですか?随分舐めた対応ですねぇ。」


「うっ、・・・。」


「2つ目、参戦保留の我が国の軍に緊急事態とは言え、砦内の敵国の攻撃をさせた事に対する、国としての何らかのアクションはありましたか?これも現場の口頭謝辞で終わりですか?わが国を馬鹿にしてるとしか思えません。傭兵団では無いのですよ。いや傭兵団の扱いの方がまだマシでしょう。傭兵団は報酬が貰えるのですからね。」


「うっ・・・。それはこれから本国に報告して、本国の外交部門でアクションがあるはずで・・・。」


「信じられませんね。まだ本国どころか、責任者の辺境伯にも報告されて無いのですよね?」


「何故、それを知っている?それは勇者パーティーの行方不明の事件があってだな、そこまで手が回って無いのだ。」


「わが国を馬鹿にしてるのですか?帝国軍は貴方1人しかいない訳無いでしょう。並行で行動出来ない程、組織的に動けない軍隊なのですか?戦場において1日の遅れは致命的です。そんな環境に我が軍を留めておく事は出来ません。」


「むむ。」

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[一言] 帝国も敵国ですね あと勇者も敵ですね
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