214 デュラハンが現れた
キャル達はスケルトン達を倒して、魔法兵団の宿舎の中に入っていく。
気功士達の圧倒的な戦闘力の前に殲滅されるスケルトン達。
キャル達は宿舎の最奥の部屋に到達した。
扉を開けるとそこには、全身鎧のモンスターであるリビングアーマーが5体とデュラハンが居た。
リビングアーマーは中身の無い全身鎧のモンスター、逆に鎧だけのモンスターとも言える。
左手に盾、右手に剣を持つ者と両手で槍を持つ者がいる。
5体のリビングアーマーの内3体が剣と盾を持ち前衛で横に並び、槍を持つ2体がその後ろに、最後列の一段高い場所にデュラハンがいる。
首無しの鎧騎士デュラハンは、左手に盾、右手にモーニングスターを持っていた。
モーニングスターは棘付の鉄球と長い棒を鎖で繋いだ武器だ。
「貴様ら何者だ!」
デュラハンはキャル達に誰何する。
「問答無用、かかれええええ!」
キャルの号令で気功士達が魔弾を放った。
音も無く高速で飛ぶ魔弾。
数十の魔弾がリビングアーマーに放たれる。
前衛3体のリビングアーマーは魔弾を盾で防ぐが、盾に当たった魔弾は爆発しリビングアーマーを吹き飛ばす。
バババババアアアアアアアン!!!
もうもうと立ち込める煙が、デュラハンとリビングアーマー達の視界を遮る。
デュラハンもリビングアーマーも目が無いので、視界と言って良いか分からないけどね。
デュラハンのモーニングスターの鉄球が煙の中からキャル達に振り払われた。
しかし、既にキャル達はいない。
魔弾発射後、瞬時に移動した気功士達は煙を回り込み、何時の間にかリビングアーマー達の横から襲撃していた。
リビングアーマー達の鎧は固い為、通常は剣でも容易には傷つけられないが、そこは気功士、掌底を鎧に当てると、そのまま「生命力吸収」にて倒した。
ミクとアヤはデュラハンの後ろまで回り込んでおり、ミクは蹴りでアヤは掌底でデュラハンを攻撃した。
「てえええええい!」とミクの気合。
「そりゃああああ!」とアヤの気合。
しかしデュラハンはモーニングスターの棒の部分でその攻撃を受ける。
ガシッ!ガツッ!
そして驚異の怪力で弾き返す。
「ウオオオオオ!」
「ちっ、簡単には倒せないか?」とミク。
「さすがボスね。」とアヤ。
デュラハンはモーニングスターを振り回す。
飛び退くミクとアヤ。
「生命力吸収!」
キャルが叫ぶ。
キャルは離れていても生命力吸収を発動出来る。
デュラハンの生命力は少しづつ減っていく。
「む、どうなっている?」
デュラハンは周りを取り囲む気功士達を見回しモーニングスターを構える。
気功士達は無言で構える。
「教える訳ないでしょ。あんた馬鹿なの?」
ミクはデュハンを挑発する。
「くっ、貴様ら許さん! 目に物を見せてやる!」
デュラハンから魔力が溢れ出した。
「古の約定に基づき、我の召喚に応えよ、出でよ一つ目の巨人。サイクロプス!!!」




