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212 魔王軍侵入

フロスト砦では、暫くは問題なく日々が過ぎていた。


魔王軍の動向を探る為、ヴァンパイアとスケルトンの中で、密偵能力に優れている者を選抜して、密偵を放っている。


スケルトンはダンジョンに隷属しているので、念話による連絡が可能なので便利だ。


スケルトンから魔王軍が進軍準備をしていると報告があったので、もうじき進軍して来るだろう。


そんなある日、帝国兵伝令から気功士兵団のキャルに連絡が入る。


「魔王軍に動きがあり、進軍を開始した様です。」


「伝令有難う。約束通り我々は宿舎に残り出撃はしないよ。」


「承知しました。」


魔王軍の進軍は事前に把握していたので、俺達はキャルの部屋に詰めていた。


「いよいよじゃな。」

エルフのエリが立ち上がる。


今立ち上がっても、直ぐにやる事は無いけどね。


「まあ、もう少し待とう。落ち着いて座っててね。」


「うぬ・・・。」

エリは手持ち無沙汰の様で、また椅子に座る。


魔王軍は今回もスケルトンの群れだ。

十数万の死の軍団が進んで来る。


魔法兵団の半数以上が気功士兵団に倒された為、兵による魔法攻撃に難がある事から、始めから勇者が出撃した。


これは良い展開だぞ。

って思ってたら・・・。


砦の中にモンスターが湧いた。


「中にスケルトンがいるぞ!」

「どこだぁ!」

「魔法兵団の宿舎から続々出て来る!」

「急げえええええ!」


砦内に響き渡る叫びが状況を物語る。


魔王軍は勇者のいない砦を、内部から攻撃する作戦だったか。


それにしても、魔法兵団の宿舎から出現とは、なんとまあ都合の良い事になったものだ。


帝国兵がキャルのところに応援を求めてきた。


「すいません。参戦保留中と言う事は重々承知しておりますが、緊急事態所以どうかお助けいただきたくお願い致します。ここにカシゾー将軍からの書状も御座います。何卒・・・。」


キャルの部屋には俺達も同席していた。


頭を下げてお願いする伝令の兵士を前に、キャルは俺の目を見る。


俺は頷く。


行って来い!って言うジェスチャーのつもりだ。


キャルも俺の意を汲んだのか。

「分かりました。砦内の魔王軍討伐に手を貸しましょう。」


「有難う御座います!」


伝令の兵士は部屋を去った。


「キャル達は先に魔法兵団の宿舎に行きな。俺達は勇者パーティーが戻って来た時の為、事前準備をしているよ。危険そうなら、応援に行くからね。」


「承知しました。」

キャルは部屋を出て行く。


「大丈夫ですよ。殲滅してきます!」

ミクがそう俺に告げてキャルの後を追った。


アヤは無言で微笑みミクとともに行く。


ノノは「頑張ります!」と言って駆けて行く。


「無理するなよー。」

俺は彼女達の背中に声を掛けると、ダンジョン機能を発動し、砦全体をダンジョン化した。


「いよいよ勇者達が戻って来た時に、妾の復讐が始まるのじゃな。」


「そうそう。取り敢えずは砦地下にダンジョン機能で部屋を作ったので、そこで状況を確認してよう。」


「食事でもしながら見てよー。」

ハーピーのハルカは相変わらず暢気だね。


俺達は砦の地下の部屋に転移した。

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