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205 帝国と交渉

城の謁見の間にて、ダルアと宰相が使者と面会した後、ダークエルフのダルアが応接室に戻って来た。


「はぁ、疲れたよー。この服も直ぐ脱ぎたーい。」


「お疲れ様。着替えてから戻って来ても良いのに。」


「えー。だってこの服見たいでしょー。」


ダルアは女王が着る豪華な衣装に身を包んでいる。


「あはは。」

笑って誤魔化す。

敢えて否定はしないのだ。


「で、どうだった?」


「ん~。名前を言って、後は任せるーって言っただけだよー。宰相と使者は別室で協議しているよー。」


「よしよし、いきなり交渉に入る習慣が可笑しいんだよ。日本だって外交は事前協議が当たり前でしょう。」


「そうなのー?」


「そうだよ。事前協議で内容を詰めた後、国の責任者が顔を合わせるのは、儀式みたいなもんだ。」


「ふ~ん。そっかぁー。」


宰相と使者の事前協議が終わり、使者は本日は気功士王国に宿泊する事になったらしい。


宰相が報告に来た。


「・・・と言う事です。」


「ふ~ん。対等の同盟で良いんだね。」


「はい。もっと強気で交渉されると思いましたが、意外でした。」


「相互不可侵ねぇ。」


「不味かったでしょうか?」


「いや、問題は無い。軍事同盟の中身である攻守同盟や防守同盟は対魔王軍限定か、考えたな。3国連合と戦争は終結してないからね。」


「はい。」


「それで帝国の要望は、対魔王軍の参戦と気功士学園への留学だね。」


「はい。何かこちらからの条件は、御座いますか?」


「ふむ。対魔王軍参戦も気功士学園留学も、特にこちらからの条件は今のところ無いなぁ。但し、学園に留学出来るのは魔力が無い者だけだよ。魔力がある者は気功は使えないからね。」


「そうなんですか?」


「そうなんだよ。気功を使いたかったかい?」


「それはもう・・・、私は魔力が少ないので、王様達の活躍を見て憧れていましたが・・・残念です。」


「時間的な余裕があれば、試して見ても良いよ。強大な魔力を持つエリやハルカがダメだったけど、魔力が少ない者は試した事無いからね。」


「おお!それでは、私も気功士になれる可能性があると言う事ですね!」


宰相はポーズを取って嬉しそうだ。


「あくまでも可能性ね。」


念を押しておくぞ。


「後は、通商条約も対等になる様に交渉をお願いするぞ。」


「はい。頑張ります。」


「あ、そうそう、こちらの条件は、気功士王国を主権国家と認める国家承認を早期にして貰う事だな。国家承認無くして本来は事前協議もあり得ないからね。」


「は、はい。それはどう言った事でしょうか?」


「おいおい、宰相がそんな事では、ダメだろう。帝国の使者がこちらに来てるが、帝国はまだ対外的に気功士王国を承認する旨の宣言をしていないだろう。他国へ宣言させてから通商条約の事前協議を始めるぐらいでも良いぞ。強気でいけ。」


「は、はいいいい。」


「そうそう、1番重要なのは、魔力の無い者の地位向上だ。本人の希望があれば積極的に魔力の無い者を受け入れる事も条約に盛り込んでくれ。」


「はい。」


「ねー。ショータが交渉した方が早いんじゃない?」


ダルアが不穏な事を言い出した。


「だーかーらー。俺はまだ復讐が残ってるからね。次は帝国に行くんだ。ここで顔は見せたく無いんだよ。」


「そっかー。」


「そうそう、打倒魔法偏重社会の第一歩は踏み出したからのぅ。次は妾の復讐を手伝って貰うのじゃ。」


エルフのエリが俺の横に来て腕を組む。


「わちきの復讐もありんすぇ。」


雪女のユキも俺に抱きついて来た。


ユキさん分かってますよ。

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