204 帝国の使者が来たらしい
ライル王国とダドン王国とカンデン王国の3国連合軍は壊滅した。
後は亡骸がダンジョンに吸収されるのを待つだけだ。
ダンジョンの周りでも、各国の諜報部隊を狩る俺達の仲間達。
各国の諜報部隊の人員は、魔力探知が優れている者が多い、魔力を感知出来れば今までは用を成して来た。
しかし、気功士は魔力探知では探知出来ない事から、急遽音探知や匂い探知の人員を諜報部隊に加えて、戦地に派遣したが、長年諜報部隊を支えて来た者達より、1ランクも2ランクも落ちる実力の為、気功士達の敵とはならなかった。
基本気功士が気配探知で探して狩るが、ちょっと手強い場合は、ヴァンパイアナイトが倒す。
もっと手強い敵は魔神パズズのバズに任せており、バズは風となって敵に吹き掛かり切り刻む。
各国の諜報部隊は殲滅された。
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俺達は学園都市の城に戻って来た。
広めの応接室にいる俺達。
部屋の中には、エルフのエリとハーピーのハルカ、ケット・シーのペロ、雪女のユキ、ダークエルフのダルアがいる。
「上手くいったのぅ。」
エルフのエリが満足そうに言う。
「そうだね。各国の諜報部隊も全滅させたので、誰にも見られず倒せたし、10万の兵士もダンジョンに吸収したからね。」
「ダンジョンも撤去したのじゃろ?」
「うん。現地には戦闘の跡形もないよ。」
そんな話をしていると、文官が部屋に入ってきた。
「帝国から使者が見えました。」
「やっと来たか。」
「さあ、帝国の目的はなんじゃろうのぅ。」
「えー。ダルは交渉出来ないよー。国王のショータが対応してよねー。」
ダルアは俺の方を見て不満を述べる。
「俺の国王は名前だけのはずだけど?ダルが国王代理として対応しないで、俺達がこの国を出た後どうする?まあ、ダルにそんな期待してないよ。何の為に学園都市の宰相と文官を残してると思ってんの。外交や内政をして貰う為だよ。」
「そうだよねー。帝国の使者と会わなくても良いのよねー。」
「そんな訳ないだろう。顔は見せる必要はあるだろう。」
「えー。ヤだなー。」
「心配しなくても良いよ。顔だけ見せて、後は宰相に任せよう。」
「そうだよねー。良かったー。」
不安が解消されて笑顔のダルア。
此奴大丈夫かぁ?
なんて思いながら「宰相を呼んでくれ。」と文官に頼む。
「承知しました。」と言って、文官は部屋を出て行く。
暫くすると、宰相が部屋に入ってきた。
「帝国の使者が来られたそうですが、その件で呼ばれたのでしょうか?」
「そうだ。帝国との交渉を任せたい。ダルアと一緒に使者を出迎えた後、お前が交渉をするんだ。帝国が同盟を望んだ場合は、対等の条件と魔力が無い者の地位向上を盛り込め。」
「え?決裂するケースもありますよ。」
「決裂しても良いよ。そのくらいの気持ちで臨め。まあ、最終決定は此方でするから纏まった条件を持って来い。」
「はい。承知しました。」




