表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

197/267

197 皇帝ゼクス13世

ダドン王国の国王ダドン15世は、宰相ダッチャと将軍デンガナを連れて、ゼクス帝国の帝都に来ていた。


そして皇帝ゼクス13世に謁見の機会を得る事が出来た。


ゼクス帝国謁見の間。


帝国の貴族や騎士が両脇に立つ中で、国王ダドン達は赤い絨毯を進み、皇帝の前にいくと跪いた。


「ダドン国王よ、良く来られた、面を上げて良いぞ。」


国王であるダドンだが、広大な領地と沢山の属国を持つ皇帝ゼクス13世とは、格が違いすぎる事から、臣下では無いが、最高級の礼儀で謁見しなければいけないのだ。


「ははあ、皇帝陛下に御目見得する事が出来て、恐悦至極で御座いますだどん。」


「ふふ、それで本日はどの様な用事かな?」


「学園都市バクツの事で御座いますだどん。」


「ほほう、先を話せ。」


「学園都市バクツが、魔抜けの賊軍に占拠されておりますだどん。」


「ふむ、それは承知しておるが、儂の理解と相違があるようだな。」


「相違ですか・・・。魔抜けの賊軍は、魔王軍の手先!勇者様のお力添えで討伐し、最高魔導師ネシマ様の仇を討ちとう御座いますだどん。」


「ほう!魔王軍の手先とな。何か確証があるのか?」


「何を仰いますかだどん?魔抜けに魔法兵団を倒す力などありませんだどん。魔王軍の力を借りたに違いないではないですかだどん!」


「何だ、その程度か。魔力の無い者が、魔王軍の手下であれば勇者を差し向けるのは吝かでは無い、寧ろ大軍をもって学園都市バクツを奪還しよう。しかし、魔力の無い者は魔法兵団を倒す力を持っているのだよ。」


「はぁ?そ、そんな馬鹿な!魔力がゼロの魔抜けどもに、そんな力があるなんて信じられませんだどん・・・。」


「それはな、『気功』という力だ。魔法に匹敵する威力を持つ。」


「ま、まさか、気功士の噂は真実なのですかだどん?」


「真実だ。獣人国やサーキ王国、学園都市には、冒険者ギルドに匹敵する気功士ギルドが存在し、気功士達が活躍しているのだよ。」


「うぅ・・・。」

(学園都市の魔法兵団は、気功士達に倒されたと言う事かだどん。)


「儂らは現在魔王軍という最大の敵と戦っている。出来れば気功士達とも手を組んで、共に戦いたいと考えておる。」


「そ、そんなぁ。では、何れ国交も樹立するつもりですかだどん?」


「うむ。直ぐにとは言わないが、帝国に在住している魔導師達の説得が済めば、国交樹立並びに同盟を結ぶ用意がある。何より、帝国に『気功』と言う新たな力が欲しいのだ。」


「・・・。」

(結局戦力増強したいだけじゃ無いかだどん。)


「ダドン、悪いことは言わん。王子が殺された遺恨は忘れて、学園都市と手を組む事を考えてくれ、魔王軍を倒す為に一丸となる必要があるのだ。」


「・・・。」

(王子が殺されて何もしないで許せる訳無いだどん。そんな事したら世界の笑いものだどん・・・。)


「帝国では、学園都市の件については、賊軍の占領では無く、クーデターによる政権交代の認識である。近い将来に新政権の建国を認める方針だ。」


「は、はぃいい?」

(こりゃ帝国の力は借りられんぞだどん。勇者も無理だなだどん。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 上手いこと皇帝とのコネが取れるようになれば エリの復讐のチャンス来そうかな? 対価としてエリの復讐対象(名前しらねーや)を引き渡せって言えば何とかなりそう。 勇者がゴネるかもだけど、代わりの…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ