194 ライル王国の侵攻
城の応接で仲間達とのんびりダラダラしてる俺達。
ソファーに座ってる俺とエルフのエリ、ハーピーのハルカ、ケット・シーのペロ、雪女のユキ。
応接室は広い空間で端の方でドラゴンのドラムや魔神パズズのバズ、鵺のライヤ、空狐のクーコも中型犬サイズで俯せで寝ている。
王になったけど、王の執務はダルアに任せていて、する気がないので、執務室は無いのだ。
でも全く問題無い。元々王は名前だけで、実務はダルアが行う約束だからだ。
「もぐもぐ、こんなにのんびりしてて、いいのかにゃ。」
ペロがおやつを囓りながら俺に話し掛ける。
「いいのいいの、ちょっと働き過ぎたからねぇ、英気を養わなきゃ。」
「儂らは働いて無いのじゃ。」
エリは学園都市制圧に参加出来なかったのが、不満そうだ。
そこに気功士の一人が、随分慌てて入って来た。
「大変です。ライル王国軍が此方に進軍して来ました。ダルア様からの報告です。」
各国に放った密偵からの報告だね。
「ふむ。何人ぐらい?」
「1万を越える大軍です!」
「そっかぁ。」
「え!そんなのんびりしてて、大丈夫なのですか?」
「大丈夫、大丈夫、想定内だよ。しかし、1万は少ないなぁ。国軍と言うより領主軍か、又は余程俺達を舐めてるかだな。」
「ええええ!1万ですよ。」
「あはは、今回気功士達は出撃しないから、平常通りで構わないよ。」
「は、はぁ。」
「そうダルアにも伝えておいて。」
「畏まりました・・・。」
気功士は納得がいかない顔で応接室を出て行った。
「儂らは出撃しても良いのじゃろ?」
「良いよ。皆で出撃しよう。」
「やったー。」
皆やる気充分の様だ。
俺はヴァンパイア真相のヴァラカに、念話で伝えた。
(ヴァラカ、ライル王国軍討伐にヴァンパイア隊を出撃させるよ。大将はヨシゾーね。)
(承知しました。)
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俺達はライル王国軍が見える位置に進んでいた。
途中ライル王国軍の偵察がいたら、倒しながら進むので、俺達の出撃はライル王国軍にはバレていない。
今回は夜襲で行くのだ。
学園都市制圧に参加しなかった、ヴァンパイア隊とスケルトン隊で対応する計画だ。
俺達はドラムが地竜擬きになって引く馬車に乗っているが、ヴァンパイア達は周りを走る。
ヴァンパイアナイトに進化したヴァンパイア隊は、非常にタフで強力だ。
兵糧も要らないし、24時間走れるし、人に見つから無いように進める。
2日かけてライル王国軍の野営地が見える位置まで到着した。
俺達は馬車を降りて、敵から見えない様に隠れながら、ライル王国軍を遠目に確認しする。
現在は夕方だ。
ライル王国軍は夕飯を食べていた。
これから警戒しながら寝るはずなので、深夜寝た時に襲撃するのだ。




