表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/267

019 転生者ってお得

猫の王国、王都キャルベルにいる。

王都1番のニャルマル商会で鑑定防止の魔道具を注文し、魔物の素材を売った後、宿を紹介して貰った。

『猫が安らぐ宿』と言う名の・・・。


超豪華高級ホテル!

何故、こんなところに・・・。


一緒にいるケット・シーの黒猫ペロは無言。言葉を失う程驚き、余りもの豪華さにオドオドする始末。


部屋付きの執事とメイドがいるホテルって、どんだけぇ~。

しかもお代は全て商会持ち。

何か裏があるよね。絶対。


夕食はレストランで食べる気力が無いので、部屋に持って来て貰った。


応接室の他に食事をする部屋まであるスイートルーム。


給仕がワゴンで夕食を持って来た。

釣り鐘型の銀色のクロシュを被せている。

食事中は給仕が控えていて、最適なタイミングでワインクーラーで適度に冷やされたワインを勧める。


そんな様子も高級感を醸し出す。


豪華な夕食を食べて、高級ワインで酔った。部屋のお風呂に入り、今日は寝る事にした。

ふっかふかの寝具、硬めのベッド。

寝心地が悪いはずが無い。

エアコンがあるかの様に部屋は最適な温度が保たれていた。


旅の疲れとアルコールであっという間に寝てしまった。


翌日、バイキングの朝食を食べた後、ニャルマル商会へ行く事にした。


この待遇の理由を聞かないと落ち着かないよ。


「う~。怖いにゃ~。」

ペロはすっかりビビってる。


昨日行ったニャルマル商会の道具屋に着いた。


シャルさんを呼んで貰おうと思い、店員に声を掛けようとしたら、先に声を掛けられた。


「ショータ様、

お早う御座いますにゃ。

シャル様がお待ちしておりますにゃ。

こちらにどうぞにゃ。」


「は、はぁ。」

出鼻をくじかれて、言われるがままに店員に付いて行く。


ニャルマル商会の2階応接室。

副商会長のシャルさんが満面の笑みで出迎えた。


「ようこそ、お出でいただき有難う御座いますにゃ。」


シャルさんにうながされてソファーに座る俺とペロ。


店員が紅茶とお菓子をテーブルに置いて部屋の外に出て行くの見計みはからい、シャルさんが話し始めた。

「宿の待遇に付いて理由を尋ねに来られたのでしょうにゃ。」


「そうです。あの宿は高級過ぎですし、お支払いを全て商会持って貰う理由が分かりません。」


「うふふ、先行投資にゃ。基本的に昨日言った通り、今後ともお付き合いいただきたいと言うことですにゃ。


とは言っても納得出来ないと思いますので、種明かししますにゃ。


私が副商会長に成れた最大の理由は、高位の鑑定魔法が使えるからにゃ。


ショータ様が転生者である事は、商会に入った時点で分かりましたにゃ。


転生者との知己は、商人にとって何事にも代えられない、喉から手が出るほどのものにゃ。


異世界の文化や情報そして発想、この世界では得られない物を持っている転生者は、時に大きな利益を生むにゃ。


出来れば囲い込みたいにゃ。でも不用意な行動は嫌悪感持たれるにゃ。


その為、初めに大きな貸しを作らせて貰いましたにゃ。えへ。

断り難くなったでしょうにゃ。


あの宿は何時でも何時までも自由にご利用下さいにゃ。


そして何かあればいつでもご相談にのりますにゃ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ