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189 学園都市襲撃5

学園都市の領主の居城門前で、俺達を待ち受けていた魔法兵団の兵士達は、気功士達によって倒された。


俺達は誰もいなくなった居城の門をくぐる。


「このまま進みますか?」

気功士の猫獣人キャルが俺を見る。


「転移で逃げられたからなぁ。また、逃げられると厄介だ。」


「居城を包囲しますか?」


「包囲しても転移は防げないだろう。だから、こうする。」

俺は右手を地面に付ける。


「ダンジョンクリエート!」

居城そのものをダンジョン化したのだ。


ダンジョンの機能で逃げられない様に、全ての窓を壊せない、そして開かない様に改造した。


出入り口は1階の正面玄関だけだ。


「良し、ネシマは居城内にいるぞ。」


同じくダンジョンの機能であるマップを使って、中にいる人を確認した。


学園都市の領主である最高魔導師ネシマと、その他数十人の魔導師は1階の中央にあるホールにいた。


その他の使用人やメイドらしい人達は地下の通路を歩いている。


多分逃げようとしてるのだろうが、ダンジョン化してるから、出ることは出来ないんだよねぇ。


「さあ、行くぞ。キャルは地下から逃げようとしている、使用人達を頼む。

気功士は10人連れて行け、地下は牢屋の通路から行ける。残りは正面から堂々と乗り込むんだ。」


「分かりました。行こう!」

キャルは10人の気功士を連れて、地下に向かった。


俺は正面玄関を入ると、ホールに向かう。


ドカッ!


ホールの扉を蹴り開ける。


「来たか!魔抜け共!先程はよくも儂に恥をかかせてくれたなぁ!」


魔法兵団が横に並ぶその後ろで、一段高くなっている王座の様な位置から、ネシマが叫ぶ。


俺達は無言で身構える。


「お前達の目的は何だ?」


「魔法偏重社会の打破だ。」


「ふん、確かに魔力が無くても、それなりの力はあるようだ。我々魔法を使う者を倒してどうする?魔王が人族の領土を狙って襲撃しているのだ、その戦力を魔王軍討伐に使うべきだとは思わんのか?」


「思わない。」


「お前達は世の中を分かっておらん、それぞれ役割分担と言う物があるのだ。戦えない魔抜けは、これから戦う儂らの糧になり、魔抜けを殺した儂らがそこで得た経験を持って、1匹でも多く魔王軍を倒して来たのだよ。」


「詭弁だな。聞く気は無い。」


「我々がいなくなると、魔王軍の侵攻は止められんぞ。」


「ははは、馬鹿な事を言うなぁ。魔王軍の侵攻に関係なく、俺達を殺して来たんだろう。だったら始めに倒すのはお前達だ。その後に魔王軍が攻めてきたら倒す。それだけだ。」


「儂が魔抜けの迫害を止めるよう各国に通達してやる。魔王軍討伐の先兵となれ!」


「そして、使い潰すつもりか?追い詰められてる割には、随分上から物を言うなぁ。」


「ふん、仮にここで儂らを倒しても先が無い事が分からんのか?」


「分からんね。」


「学園を襲撃したそうじゃないか。学園には周辺国の貴族の子弟が沢山通っている。そこを襲えば周辺国の全てが敵に回るのだぞ。」


「サーキ王国、獣人国、エルフ国、ハーピー国、小人国、妖精国、猫の王国・・・。まあ、それらの国は学園襲撃前に生徒の避難をしている。」


「な、何ぃ!大陸を割って戦火を起こす気か!」


「魔王軍と戦争中だ。戦争にはなるまい。仮に戦争になったらなったで、戦うまでだ。」


「うぬ・・・。しょうがあるまい。ここで、お前達を殺す。儂が何の理由もなく長々と話をしていたと思ってたか、ふふふ。」

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