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188 学園都市襲撃4

学園都市領主である最高魔導師ネシマが、魔法兵団を率いて居城の門前で待ち構えていた。


ネシマは大規模魔法を詠唱すると、気功士達の上空に巨大な魔法陣が現れた。


気功士達は間断無く魔弾を撃ち続け、魔法兵団は魔法障壁で防御している。


気功士達は上空の魔法陣に、気付いていない様だ。


俺は、魔法兵団のファイアボムが撃たれた際、気配を消してネシマの後ろに回り込んでいた。


ネシマの背中に右手の手の平を当てて、『生命力吸収』を発動しながら、足を掛けて俯せに倒す。


「んぐっ、いつの間に?」


「・・・。」

俺は無言で『生命力吸収』を続ける。


「な、何が起きて、る・・・。」


気功士達の頭上に出現した魔法陣は消えた。


「はぁ、くっ、うぬ・・・。」


溢れていた魔力がネシマの身体に戻り、練られていくようだ。


そして、ネシマが消えた・・・。


「ん?消えた・・・。」


俺の周りにいた魔法兵団の兵士達は、俺と一緒に気配を消して移動した気功士達に制圧されていた。


その周りを、残りの魔法兵団の兵士達が囲んでいた。


隣にはキャルが周りを警戒してくれている。


「領主が消えましたね。」


「逃げられた様だ。」


「そうですか。」


「ここにいる兵士達を始末して、城を襲撃するぞ。」


「はい。」


俺は『生命力吸収』を周辺に放つ。


「な、何だ?」

「何があった!」

「ち、力が入らない・・・。」


俺達を囲んでいた魔法兵団の兵士達が震えて膝をつく。


対峙していた気功士達が駆け寄って来る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


ネシマの居城、領主の執務室。


転移の魔法で命辛々逃げ出したネシマが、両手を付いた状態で出現した。


「ぶはあ、はぁ、はぁ・・・。」


息を切らせて、力が入らない身体を何とか支える。


「な、何だ?あの力は・・・。」


ネシマは杖に縋りながら、ヨロヨロと立ち上がり、戸棚から高級ポーションの瓶を取り出すと、蓋を開けて一気に飲み干した。


「ぷはぁ、やっぱり生命力が減少していた様だ。これで全快とはいかないが、動ける程度には回復出来た。」


ネシマはポーションの瓶を放り投げて、鈴を鳴らし従者を呼ぶ。


「奴等は危険だ。全力で倒さないと。」


コンコン。


執務室の窓に鳥の使い魔がいた。


窓を開けると使い魔の鳥が執務室に入ってきた。


学園長の使い魔だ。


「ネシマ様、学園ニ正体不明ノ敵ノ襲撃アリ、救援ヲ求メマス。敵ハ聖獣2体ト魔抜ケ達。学園ノ戦力デハ対抗出来マセン。」


「ちっ、学園も襲撃を受けてるのか!すると、敵の数は相当多いな。」


ネシマは使い魔に向いて。


「使い魔よ、伝言を頼む。救援は出せん。居城も襲撃を受けている。何とか退却してくれ。」


使い魔の鳥はネシマの伝言を聞くと、飛び立った。


コンコン。ノックの音。


「ネシマ様、お呼びにより参りました。」


「うむ。入って良い。」


ネシマは執務室に入ってきた従者に命ずる。


「緊急事態だ。戦える者はホールに集合し、戦えない者は避難しろ!全員に直ぐに伝えなさい。」


「え! 分かりました。直ぐ伝えます。」


従者は急いで執務室を出ると駆けだした。

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