174 闇の狩人
コボルトの群れと冒険者パーティーが戦っているのを、『闇の狩人』がニヤニヤしながら見ていた。
コボルトの群れはほぼ倒されて残り少なくなっていたが、『闇の狩人』の思惑通り冒険者パーティーはダメージが大きかった。
背後からの急襲に対しては、探索スキルで事前に察知はしたが、数の暴力に、手子摺った冒険者パーティー。
実は戦闘前から、何度かコボルトの襲撃を受けており、かなり疲労が蓄積された状態だった。
ズシャッ!
「良し、これで最後だ!」
最後の1匹の首を剣で斬り落とし、安堵する冒険者パーティー。
「はぁ、しかし異常事態だなぁ。」
「うん。こんなにコボルトが多いのは初めてだ。」
冒険者パーティーは疲れた身体で、コボルトの解体を始めた。
「サッサと解体を終わらせて帰ろうぜ。」
「そうだな。地下10階まで行く予定だったが、これ以上進むのは危険だな。」
「ギルドにもこの事を、早めに報告した方が良いしね。」
「ん?」
ドサッ。
何かが倒れる音がした。
リーダーが、何警戒中であるパーティーの探索者の方をを見た。
「どうした!」
コボルトの群れを倒して安堵していたが、警戒を怠る事は無く、パーティーの探索者が敵の襲撃が無いか見張って居たのだが・・・。
流石、強盗冒険者達。
隠蔽のスキルで近付き、探索者を初めに襲い、男達には背後からの刺殺。
女達には麻痺毒の針を刺した。
しかしリーダーだけは、探索者が倒れたのを見た後、咄嗟に距離をとった事から難を逃れた。
「くっ、強盗か!」
リーダーは強盗達を睨む。
「いひひ、そうだよ、強盗だ。」
「残るはお前一人だぞ。いひひ。」
「き、貴様ら!」
リーダーは剣を抜いて構える。
『闇の狩人』の一人が、痺れて動けない女冒険者を盾にして、ナイフを首にあてる。
「動くな!此奴がどうなっても良いのか?いひひ。」
「うっ、くっ、くそ!」
「いひひ、動くなよ。」
男は女冒険者の服にナイフを滑らせ、首元から斬り裂いていく。
「あわわわ・・・。」
女冒険者は麻痺しながら震えている。
「おい、俺は動いてないぞ!ナイフを止めろ!」
「いひひ。」
男はニヤニヤ笑って動きを止めない。
『闇の狩人』の別の男がリーダーの背後から隠蔽スキルを使って近付く。
キンッ!
リーダーが振り向き剣でナイフを受けた。
「貴様ら!卑怯だぞ!うっ・・・。」
麻痺毒が塗ってある吹き矢がリーダーの首に刺さる。
「いひひ、良いから死んでおけ。女達は俺達が貰った。」
「あああぁ・・・。」
リーダーは目に涙を浮かべ悔しい眼をして、口を動かすが言葉が出ない。
『闇の狩人』達はそれぞれ女冒険者達の元へ近付く。
「いひひ、よく見ておけ。」
「お前の前でじっくり犯してやる。いひひ。」




