表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

140/267

140 気功士ミクとアヤ

Cランク冒険者パーティー『(くれない)の戦士』の冒険者6人が、気功を修行中の2人の女性を差し出せと、訳が分からん事を言ってきたので、4人を倒した。


残る2人は気功士の女の子であるミクとアヤに任せる事にした。


ミクとアヤは冒険者と初めて対峙して、戸惑っていた。


魔物以外と戦うのは初めてだった。


生まれた時から、魔法を使う人々に苛められ続けた。抵抗すると倍になって帰って来た。恐怖心が甦る。


俺に発破をかけられ、剣を構えたが、直ぐに切り替えは出来ていない。


「くっ、俺達を舐めてんのか?魔抜け2人程度に負けるかあああああ!」


『紅の戦士』リーダーのトシは瞬足で踏み込み、一瞬の抜刀で剣を薙ぎ払う。


瞬間、ミクとアヤは身体が勝手に動き余裕で躱していた。


「あれ?意外と遅い・・・。」


そして、反射でミクが剣の腹をトシの顔面に叩き込む。


「ぐおおおお、つっ。」


そのスピードは速く、カウンター気味に入った打撃をトシは認識出来なかった。


「な、何だ?何があった?」


トシは倒れた身体を起こし、首を振る。「まだやれる。」そんな目をして、ミクを見上げる。


「馬鹿な!魔抜けの動きじゃない。」


「やれる!」アヤは自信を持った。


(今まで苛められた分叩きのめす。)


アヤはトシの脇をすり抜け、もう1人の冒険者に向かっていた。


アヤの踏み込みは、トシより速く、そして鋭かった、驚愕の冒険者。


冒険者の構えた剣を薙ぎ払い、腹に横蹴り、蹴り飛ばす。


冒険者はあまりにも強い衝撃に、剣を飛ばされ、腹を蹴られて、くの字になって吹っ飛ぶ。


「ぐほっ。」


四つん這いでアヤを見上げる。


「魔抜けの速さじゃない・・・。

そんな馬鹿なっ!魔力で身体強化している、俺の剣を飛ばすなんて?」


攻撃したアヤもびっくりしていた。


「Cランク冒険者ってこんなに弱いの?」


「嘘だあああああああ!」

冒険者は我を忘れアヤに掴み掛かる。


アヤは剣を左手に持ち、右拳を強く握り気を充填していた。


そしてカウンターで、顔面に渾身のパンチを入れた。


吹き飛ぶ前歯。


首が後に曲がり、もんどり打って倒れる。


「そ、そんな?ま、まさか、お前等、き、気功士か?獣人国から冒険者ギルドを撤退させた。あの・・・。」


トシは恐怖に怯える。


4人の仲間を一瞬で倒した、圧倒的な強さのエリとユキ。


仲間をぶちのめした気功士。


自分と対峙するもう1人の気功士。


皆がトシを囲む。


戦う気力が無くなったトシは、両膝をつき、頭を抱える。


「あわわわわわわ。」


ミクが剣を構えて、ゆっくりトシに近付き歩いて行く。


「ひ、ひぃ。」


「さあ、立って、私と貴方の戦いは終わっていないわ。」

ミクが少し笑いながら剣を向ける。


「た、助けて下さい!」

トシは怯えて震え出した。


トシは土下座して、許しを請う。


「すいませんでしたあああああ。」


「えっ?もう、終わり、なの?」

唖然とするミク。


「うっそおおお。ショータ様の課題だったのにいいいいい。」


ザシュッ!!!!!


ミクはトシの目の前の地面に剣を突き刺す。


「ひいいいいい。」


トシの股間から、生暖かい液体が垂れ流された。


「あああああああ、すいません。すいません。すいません。すいません。すいません。すいません・・・。」


ひたすら謝るトシ。


俺はトシの目の前に立った。


「さて、この2人を連れて行こうとした理由を、教えて貰おうか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ