136 王都ポロッカ
誤字報告有難うございます。
感謝です。
すいません。投稿ミスでした。
135話を投稿してました。
サーキ王国の王都ポロッカに来た。
城壁で囲まれた城壁都市だ。
大きな門の前で都市に入る行列が出来ている。
行列の最後尾に馬車で並んだ。
御者はエルフのエリとハーピーのハルカ。
馬車の中には俺とケット・シーのペロと雪女のユキ、魔神パズズのバズがいる。
ペロは俺の影に潜み、ユキは冷気にバズは風になっているので、見た目は1人だ。
ドラゴンのドラムは蜥蜴サイズで、御者台の隅に潜んでいる。
「串焼きはいかが。くうしいや~きい~、いっぽおおおん、どおかああいいちま~いいいい。」
ユーモラスな節を付けて歌いながら、馬に乗った串焼き屋が売りに来た。
「美味しそう、一つ貰おうかなぁ?」
ハルカが食べたそうだ。
俺は馬車の窓から顔を出して。
「10本ぐらい買っちゃおう。」
と、ハルカに告げる。
「やったあ!」
ハルカは串焼き屋を止めて串焼きを買う。
「10本ちょーだい!」
「まいどー、たっぷりタレが付いてて、うんまいぞお。」
犬獣人の串焼き屋がハルカに串焼きを渡す。
「有難う。」
ハルカは串焼きを受け取り、銅貨を払う。
「見ない顔だなぁ、何処から来たんだい?」
「獣人国から来たんだよ。」
「へえ、そっちでドラゴンが出たってえ話だったが、大丈夫だったのかい?」
俺が馬車の窓から顔を出して答える。
「ドラゴンは見てないなぁ。どんなドラゴンだい?」
多分ドラムの事だろうけど、正直に言う気は無い。ついでに情報を集めよう。
「深緑の体色で普通のドラゴンらしいよ。空を飛んでるドラゴンの目撃情報があって、軍隊が討伐に向かったって聞いたが、軍隊が戻って来ないんだ。」
「へえ、空を見ながら進んでる訳じゃ無いからねぇ。見逃したのかもね。」
「そんなとこだろう。無事で良かったなぁ。」
「まったくだ。ところで最近のポロッカはどうだい?何か変わった事はあるかね。」
「ん~。魔抜けが行方不明になるぐらいかなぁ?」
「魔抜けが行方不明?」
「まあ、魔抜けなので、皆それ程気にして無いがね。急にいなくなった魔抜けが多い。詳細は不明だ。」
「そうか。有難う。」
「あいよ、またなぁ。」
串焼き屋は後ろの列に売りに行った。
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その頃、王宮の謁見の間では、ポンペ侯爵とポドスが王のドラゴンの報告をしていた。
「何と!普通のドラゴンでは、無かったと申すか?」
王は聞き返す。
「その通りで御座います。」
ポドスは丁寧にお辞儀をする。
「風障壁で防御されて、『竜殺槍』が全く当たらんし、四龍王並みの膨大な魔力を使うのを確認したので、急いで戻って来た。」
相変わらずぞんざいな口調の侯爵。
「むむ、それで軍はどうなった?」
「知らん。儂は当初の命令通り、戦闘は騎士隊長に任せて、報告に戻ったのだ。騎士隊長から報告が来るだろう。」
割と嘘が上手い、タメ口の侯爵。
「恐らくは、かなりの被害があったのではと推測致します。」
真面目なポドスも演技が達者だ。
王の隣で話を聞いてた宰相。
「ポンペ侯爵の報告通りだとすると、王国の一大事です。直ぐに斥候を放ちましょう。」
「うむ。王家諜報部隊『影騎士』を派遣するとともに、冒険者ギルドにも依頼を出しなさい。」
「承知しました。」
「ポンペよ、幼少からの友人でも、謁見の間では、敬語で頼むぞ。」
「すまん。気を付けよう。」
と言って、空気を読めない侯爵。




