132 サーキ王国軍と戦う
相変わらず続いている、バリスタから発射される『竜殺槍』。
ヒュン、ヒュン、ヒュン・・・
バズの風障壁が弾き返す。
バシュン、バシュン、バシュン・・・
「音ヲ消シマショウ。」
バズが風魔法で槍の音を消した。
「音は無くなったけどなぁ・・・。
鬱陶しいよねぇ。」
「殲滅しんしょうか?」
冷気になって漂っている、雪女のユキが聞いてきた。
「やっちゃうか?」
1万人を超える軍隊を前にして、気負い無くこんな事を言うなんて、異常だよね。
上空から見ると、ありんこの様にしか見えないので、現実感が無いのかも。
「本当にやっちゃうの?」とハルカ。
「1万人じゃよ?」心配するエリ。
「やっちゃうにゃ。」お気楽なペロ。
「見つかってしまいんしたので、しょうが無いと思いんす。」
ユキは現実的。
「うん、そうだね。逃げても追って来るだろうし、隠れても探そうとするからね。ガツンとやって、敵わない事を知らしめないと、今後は逃げ続ける事になるんだよね。」
「とは言ってもなぁ。僕は1万人もの人を虐殺するのは気が重いなぁ。」
ハルカは消極的だ。
虐殺?
「皆殺しにはするけど、虐殺と言う様な酷い事は考えてないよ。まあ、取り敢えず1度だけチャンスはあげよう。」
「うん。それなら・・・。」
ハルカもそれならと何とか折れた。
この会話中も、バリスタから槍を発射し続けてるんだよなぁ。
鬱陶しいたらありゃしない。
「俺とバズとユキとドラムでやるよ。」
エリとハルカは乗り気じゃ無さそうだし、ペロが攻撃すると虐殺になりそうだ。
俺はバズとユキとドラムに作戦を伝えた。
「作戦は以上だが問題あるかい?」
「問題ありません。」とドラム。
「問題アリマセン。」とバズ。
「問題ありんせん。」とユキ。
「うはぁ、マジでやるんだ?敵が戦わない選択肢を選んだらどうするの?」
とハルカ。
ハルカも敵認定じゃん。
「勿論逃がすよ。」
「だよねぇ。大人しく降参すれば良いけど・・・。」
「殲滅後の死体はダンジョで吸収するのかにゃ?」
割と現実的な質問をするペロ。
「うん。DP化したいから、ダンジョンで全て吸収するよ。実はね、ダンジョンが吸収した物は再利用可能なんだ。」
「どう言う事にゃ。」
「ダンジョンの宝箱に金貨や武器、防具、布の服等が入ってる事があるでしょ。」
「そうかもにゃ。」
「それってダンジョンが吸収した物なんだよ。
勿論DP交換で取得した伝説の武器なんかを宝箱に入れる事も出来るけど、吸収した物ならDP交換不要なので安上がりでしょ。
その為、ダンジョンが吸収したものは、ダンジョンの異次元空間に収納されてるのさ。
しかも異次元空間は容量無制限。
その上、異次元空間にある物は、何時でもDP交換無しに、取り出す事が出来るんだよ。」
「アイテムバッグみたいにゃ。」
「そそ、まさしく容量無制限のアイテムバッグ。」
死体でさえも、ゾンビやスケルトンで再生可能な事は、黙ってよう。
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