128 獣人国後日談
『白虎』のタイガと『玉兎』のディアを倒して見事復讐を果たしたハーピーのハルカ。
空狐のクーコに圧倒された精霊サラマンダーは、エリの契約精霊として契約した。
獣人国十二神将では、冒険者ギルドの『牛鬼』も倒して、クーデターを企んでいたのは、闇ギルドの『猿神』だけになったので、クーデターは起こせないだろう。
獣人国最大の冒険者クラン『殲滅の旅団』も掃討した事で、王都の冒険者ギルドは、閑散としている。
冒険者ギルドが請け負えなくなった依頼の対応を、『殲滅の旅団』から救出した魔抜けの人達が行っている。
魔抜けの人達は、『魔抜け』と言う言葉がイメージも悪いことから、『気功士』と名乗った。
冒険者ギルドに依頼を出しても、人手不足から何時までも達成出来ない依頼も多く、業を煮やした都市の人々は、冒険者ギルドに依頼をしないで、ニャルマル商会経由で『気功士』に依頼する事が多くなった。
『気功士』は、依頼を誠実に且つ確実にこなし、信頼を高めた。
結果、冒険者ギルドへの依頼は激減し、冒険者も他の都市に移動する悪循環。
ギルドマスターの『牛鬼』を失った冒険者ギルドは、統制が取れず、それも拍車をかけた。
急遽、他の都市のギルドマスターが派遣されたが、遅きに失した。
更に気功士の噂を聞き付け、獣人国内の魔抜け達が次々加入し、気功士の人員は増加していき、冒険者ギルドは圧倒されていった。
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獣人国王城の王の執務室。
長く病に伏せる老齢の王に代わり、長男の王子である獅子獣人ライゴが執務を行っていた。
しかし、凡庸な王子は。宰相である羊獣人の『羵羊』に頼り切りになっていた。
諜報部隊長である鼠獣人の『鉄鼠』の報告も二人で聞く。
「信じられん。そうすると、噂の『気功士』なる者共は魔抜けの奴等なのか?」
王子ライゴは『鉄鼠』の報告を聞いて、驚いていた。
「はい。しかも、『殲滅の旅団』が捕えていた者達の様です。」
と『鉄鼠』。
「『牛鬼』が亡くなり、冒険者ギルドも随分評判が悪くなっていた事を考えると、冒険者ギルドに代わり依頼を実施してくれて、国民は助かっているからなぁ。褒美も考えていたが、リーダーも魔抜けでは、迂闊に王城に呼べんなぁ。」とライゴ。
「王子、冒険者ギルドが依頼を受けられなくなったのは、『白虎』『玉兎』が率いていた『殲滅の旅団』が消失した事が主たる原因ですよ。」
『羵羊』が訂正する。
「う、うむ。その事件も解明出来ていないのか?」
話題をそらして誤魔化すライゴ。
「はい。『白虎』『玉兎』と仲の良かった闇ギルドの『猿神』も、その件については口を固く閉ざしています。」
「『殲滅の旅団』に囚われていた魔抜け共だった『気功士』が怪しいのだろう。まあ、魔抜けごときが『殲滅の旅団』をどうこう出来るとは思えんがな。」
「そうなのですが、尻尾を出しません。密偵達を屋敷に潜入させましたが、帰って来た者はいません。」
「何!魔抜けごときに遅れを取るとは、何をやってる。ちゃんと腕利きを派遣してるのか?」
「王子!『鉄鼠』に失礼ですよ。王家諜報部隊に鈍腕の者はいません。魔抜け相手と言えども、腕利きを派遣しております。それよりも、『気功士』達の腕を認めるべきです。」
「・・・。」
「『気功士』達が冒険者ギルドの依頼を、代わってこなしていると言う事は、CランクやBランクの依頼も達成しております。それぐらいの実力者がいるのでしょう。」
「魔抜けだぞ?」
「その認識も改めるべきですね。今や王都の生活を支えているのは、『気功士』です。」
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