表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

103/267

103 獣人国酒場前1

熊獣人を酒場の外に放り出すと、後ろから虎獣人の男が近づいて来た。


「俺は殲滅の旅団に所属しているCランク冒険者のタイキチだ。お前は強そうだな。特別俺の下働きで雇ってやろう。」


「はぁ?」

此奴、頭が行かれてるんじゃないの。


「生意気なベアゾーも懲らしめてくれたしなぁ。」

そして馴れ馴れしく肩を組んで来た。


それを見て熊獣人のベアゾーが睨む。

「くっ。」

ベアゾーは俺に握りられて痛めた右手首を押さえている。


「おい、ベアゾーこれに懲りたら、二度と俺達に逆らうな!」

なんて虎獣人のタイキチが言い始めた。


俺は身体を回転して、タイキチから離れる。


「ん?」

タイキチは俺を見る。


俺はタイキチの顎に右拳でフックを放つ、目にも止まらぬ速さ。


脳震盪(のうしんとう)を起こして崩れ落ちるタイキチ。


「何だ此奴馴れ馴れしいな?暫く寝てろ。」


「えっ?」

驚くベアゾー。


「おい、ベアゾー。此奴と二人で酒場と女性達にお詫びして、弁償しとけよ。」

俺はベアゾーを殺気を込めて睨む。


「は、はい。」


俺はそのまま酒場を去ろうとした。


「おい、待てよ!」

酒場から数人飛び出て来た。

虎獣人の男と豹獣人の女、兎獣人の女の3人だ。


「俺はタイキチの仲間、殲滅の旅団のCランク冒険者タイスケだ。」

虎獣人の男が声を掛けて来た。


「同じくCランク冒険者ジャガミ。」

と豹獣人の女。


「同じく私はラビコ。」

と兎獣人の女。


「で、何の用だ。仲間をやられて敵討ちか?」

振り向いて問い掛ける。


「騒ぎを起こしたタイキチが悪いので、敵はどうでも良いが、お前強いな。」


「そうでも無いよ。」


「いやいや、タイキチをワンパンで倒す実力は良いぞ。」


「そうねぇ。殲滅の旅団に入れてあげてもよくてよ。」


その時、兎獣人の女から、厭な雰囲気の何かを感じた。


悪意のある視線で無理矢理覗き見られてる感じ。

「この男、魔抜けよ!魔力が全く無いわ。」


「!」

鑑定は防止してるはずだから、魔力探知か。


「魔道具で消してるからね。」

何とか誤魔化してみよう。


「馬鹿言わないで、魔力を完全に消す魔道具なんて無いわ。消す必要も無いしね。」


面倒だな。どうしようか?


「ふ~ん。魔抜けか。魔力で身体強化しているタイキチを一発で倒したとは、驚きだな。」


「何か裏がありそうね。拠点に連れて行って調べましょう。」


「気を付けて、魔道具を使ってるのかもよ。」


「所詮魔抜けだろう。タイキチが油断してただけだ。大した事無いさ。有効利用してやろう。」


「拠点で飼ってる魔抜け共と一緒に、飼ってあげるわ。」


拠点で飼ってる魔抜け()


虎獣人のタイスケと豹獣人のジャガミは、暢気に会話を続ける。


「そうそう。クズの魔抜けは、有効利用しなくちゃね。」


「油断しないで、鑑定が効かないから、何か魔道具を持ってるわよ。」

兎獣人のラビコは警戒している。


頭を振りながら、顎を押さえて虎獣人のタイキチが起き上がった。


「此奴、魔抜けだったのか、お仕置きしないとな。」


タイキチは右拳を左手の平に当ててやる気充分。


ベアゾーは痛めた右手首を押さえて困惑顔で見ている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 良かった殲滅の旅団メンバー全員クズが決定しました 皆殺しにしても問題ないのが朗報です
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ