10より1なら1より・・・?
とある神が自分の信者に向かってこう告げた。
「私の信者であるならば、私の像を十体作りなさい」と。
バカな信者共はこれを有難い言葉として受け取り、すぐさま像作りに励む。
しかし、一人聡い者は他の神を引き合いに出して神にこう訪ねた。
「我が神よ。かの大明神は自分の像を大量に作る信者にこう言ったと言います」
「私の像を沢山作ることは関心ですが、それ以上に私は、生涯大切に扱う一体を作ってもらいたいと。」
「そこで、私もこの言葉に習り、生涯大切にする一体を作りたいのですが如何でしょうか?」
これを聞いた神はしばらく無言で考え込んでしまい、聡い者は機嫌を損ねたかと不安になったが、どうやらただただ感心しているだけのようだった。
目から大粒の涙を流し素晴らしい言葉だと褒め称えると、聡い者にだけ特別な計らいを与えた。
聡い者は計11体の像を作った。