お気に入り紹介コーナー『ギャン・ジャバン』
こんにちは。いつも読んでいただき、ありがとうございます。
ここ数回、マジメというかしみったれたお話が続いたので、たまには明るい話題でも話しましょうかね。
最近、他の作者さんのエッセイをいくつか読んで気付いたのですが、書き出しをテンプレ化している方が多いですね。
みなさんそれぞれ個性があります。数話読み終わったころには、その作者さんごとのイメージを固定化するお手伝いになっています。
じゃあ私も、とちらっと考えたのですが、特に思いつきませんでした。そりゃそうだ、そんな簡単にお気に入りの定型文が見つかるなら、とっくに使っているわと。まあなんとなくで書き始めた一文が~というパターンも多いのかもしれませんけど。
この作品はカテゴリとしてはエッセイに入るのでしょうが、個人的にはただのチラシの裏です。
ということで、いつも通りあまり気にせず適当に進めていきます。
あ、ちなみに一番のお気に入りは、前回勝手に盗んだ、『くまだよー』です。
あの流れは素晴らしい。
閑話休題。
今回のテーマは『私のお気に入りの一品紹介コーナー』です。
初回に紹介するのは、小説家になろうというサイトでシュールな謎小説を書き続けている作者さん。
『ギャン・ジャバン』様です。
この人は、控えめに言っておかしい。やばい。衝撃。
仮にも小説を書いている人間が、もう少しまともな言葉で紹介できないのかと石を投げられてしまいそうですが、仕方ない。
ギャンさんの小説を読んだ後では、考える端から言葉がするすると消えてしまうのです。
どう褒めようか、どう表現しようか。そんな考えをあざ笑う文章レベル。紹介したいのに、紹介する自分の言葉が陳腐なものに見えてしまい、何も紹介できない。
名作ファンタジーはいくつもありますが、それらは替えが利きます。ゲド戦記に飽きたらナルニアでも読むのです。
しかし、ギャンさんの小説は、替えが利きません。
ギャンさんだからこそ書ける、ギャンさんだからこそ読む価値がある。
そんな人です。
ではおすすめ作品を勝手に紹介していきましょう。ネタバレには気を遣う。
◇その1『カサオ』
ギャンワールド最初の作品です。この作品の冒頭に広がる、コンビニの描写。
本気で私は、「文学賞を取るようなキレている人は、こういう人なんだろう」と驚きました。
そのままたたみかけるような展開のあと、ラストはうずたかく積もるゴミ山のような文章で締めくくられます。
◇その2『ループ』
こちらは元になったお話が別にあり、それの派生ストーリー的なものになっています。
タイトル通りのループものなのですが、それらはねじれて繋がります。
これに限りませんが、適当に書いているようで、最後に組み立てられたパズルが見えてくる手法。やられますね。
◇その3『バベル』
私が最初に読んだ作品で、一番の長編となっています。
バベルというかダブルというか、複数の視点が適当に書かれているようで、複数のキャラは適当に動いているように見えて。
しかし、一本どっしりとした芯が、お話の中心にあるのです。それがバベル。
以上、私の勝手なおすすめでした。
シュールな世界を作り出すというのは、本当に難しいのです。病的な、神経質なほどの繊細さが必要なのです。
しかしギャンさんは、それを適当に作り出しているように見える。
適当なのに、柱があり、道しるべがある。だから読んでいる方も、安心してどろどろの世界に飛び込める。
ひとつでも読んでいただけたら、私の言葉の意味も分かっていただけるでしょう。
ということで、今回はここまで。
実際に読んでみて、作品を気にいったという人がいれば、ぜひポイントや感想などで足跡を残してあげてください。
ギャンさんの作品が、うまく波長があう読者に巡り合えることを祈っています。