本当は怖い、となりのトトロ
トトロですね。
はい、金曜ロードショーでやってました。今回のテーマはトトロです。
別にメイとさつきが死んでいるとか、そんな都市伝説チックな話ではありません。
実は私、子供のころからずっとトトロが嫌いです。昔からとなりのトトロをテレビでやるたびに、苦々しく思いながら見ていました。
弟とか他の家族は見ていましたけど、好きなのか特に見るものがなかったからなのか。特に聞いたことはありませんけど。
嫌いな理由は至極単純で、実家がいなかだったからです。
さすがにあそこまでひどい暮らしではありませんが、風呂は薪で沸かしてましたし、夜になれば前の畑までシカやイノシシが出て来てましたし。
そんなわけで子供のころから早く家を出たかったので、あんな風景やのどかな暮らしを見せられても、むしろ嫌悪感しかわかなかったわけですよ。
ちなみに母もまったく同じ意見でして、トトロの何が良いかさっぱりわからんという話をしたことがあります。
さて、ここまでは”となりのトトロ”についてのお話でした。
今回わざわざ「怖い」とつけたのは、”トトロ”そのものについてですね。
実は私、トトロ本体(と言っていいのかわかりませんが)も苦手なのです。田舎の描写とか抜きの、単純なキャラクターとしてみた時のトトロが、です。
だからどうしたですね。 実際私もだからどうしたでした。そう、あの映像を見るまでは。
先日の放送の際、たまたまトトロのある場面を見てしまったのです。
ちょうどメイが穴を抜けて、トトロに初めて会うシーンです。「あなた、トトロっていうのねー」とかいうあそこ。
あ、これは危ない。
反射的にそう思ってしまいました。
あんなに密着しないで! うわ、腹ばいになるとか危ないから! ノミやダニ(山口県っぽく言うと、ヤエですね)がうつるし!
そしてその次のシーン。トトロ大あくび。
うわ、こいつあぶねえ、もし噛まれたら、人間がひとたまりもない。
癒しだのかわいいだの言っている場合ではありません、ハラハラしながら見てしまいました。初めて見るわけでもないのに。
要するに、私の中では『トトロ=野生動物』として見てしまうのです。
最初からこうだったのか、大人になって久しぶりに見たから思ったのか、正直分かりません。けれど、昔からトトロが、トトロ本体が好きになれなかった理由がこれだったのかもしれないと思ったのです。
目からうろこと言いますか、長年探していたものが見つかった気がして、すごくすっきりしました。
だって、意思疎通ができない野生動物で、あの大きさ。しかもあの歯と顎ですよ。
怖くないんですか、皆さん?
あれ、もし襲われたら、ひとたまりもないですよ。
そんなことを家族に聞いてみましたが、一笑に付されました。ううむ、納得いかん。
野生動物との距離が遠くなり、野生への危機感の欠如があぶないと、警鐘を鳴らさないといけないのです。
とまあ、そんなことを考えているうちに、長い連休は終わっていくのですね。