回転焼きに一票
あけましておめでとうございます。
新年ですね。コロナで色々と大変な世の中ではございますが、私の周りはまだ一応平和でございます。
お正月の浮かれ気分か、たまたま目に入っちゃったので、久しぶりに天狗焼きを買っちゃったんですよ。
わかります? 回転焼きとか今川焼とか、呼び名で出身地がわかると言われるアレです。
あんこ系のお菓子は大抵そうなんでしょうけど、最近は本当に色々な味がありますよね。カスタードだったり、チョコだったり。
私はスタンダードなのが好きなので、天狗焼きに関しては粒あんが一番好きです。熱々のあんこは粒あんに限る。うん。
本当に懐かしい味でした。
さて、その天狗焼きという名称についてなのですが。
他にも大判焼きとかおやきとか御座候とか、本当に色々な名前がありますよね。皆さん特に調べなくとも、2~3種類くらいはすぐに出てくると思います。たい焼きはたい焼きでしかないのに、丸い形にしたばっかりに混乱を招くとは、興味深いものです。
ウィキペディアさんを見てみたら、記事自体は『今川焼き』の名前が採用されていました。けど、正式名称というよりも、関東方面で主流の呼び方だからと言ったほうがいいみたいですね。
このへん、ノートの議論を見てみるとなかなか面白かったですよ。
各地のローカルな呼び名に加えて、商品名として浸透した呼び名も多いようです。
ホチキスとかセロテープじゃないけど、知っている名前が実は商品名でした、ってのはなんか変な感覚なんですが。
……さて皆さん。これだけ名前が多いと、こっそり別の名前を付けてもわかんないと思いませんか?
てことで私が考えたのが、冒頭で紹介した『天狗焼き』でございます。
そう、天狗焼きという物自体、どこにも存在していません。意味なんてありません、それっぽさのみを考えて付けました。
あー、あれか!と違和感なく受け入れてくれたあなたは、私に騙されています。
さて、ここからが本題です。
それっぽい名前を付けて、身内でそう呼び始める。それが広まれば、「ああ、あのことね」、とわかる人が増えます。
どこにも売っていないのに、名前を聞けば、「ああ、あれね」となる。
この場合、天狗焼きという商品は、存在していると言えるのでしょうか?
商品としてみた時、当然それは存在していませんね。そういう名前のお菓子はありませんから。
しかし、「ちょっと天狗焼き買ってきて」と言われてそれを買ってきてもらえるとするなら、それは認識の中には存在しているのです。
ではあなたの買ってきたそれは、はたして天狗焼きなのか今川焼きなのか。どちらでもある、というのなら、天狗焼きは存在しているということになりませんか?
とか考えてるうちに、私のお正月休みは終わってしまいました。
さて、この場合、本当に正月休みは存在していたと言えるのでしょうか……?




