ハマって楽しい渋滞もある
平日の休みは貴重なのです。
朝だねー、世間は三連休明けらしいね。仕事が始まるんだねー。
私は休みだけど。
さっきまで渋滞にいたのよ。渋滞といっても、「朝って混むよねー」くらいの話で、別に停まってるわけじゃないんだが。
で、隣の車を見たら、スーツのおじさん。作業着のおじさん。スーツのおじさん。自転車の高校生に、歩いてる小学生。
はー、皆さん仕事なんですねー。
私は休みだけど。
連休終わる前の夜とか、一番ツラいよね。眠りたくなくて、何となく起きてて。朝になったら、もー朝かーって切ないの。
私は休みだけど。
この時間の朝ってマック混んでるのかなー、仕事前のおじさんが切ない思いをしながら食べてるのかなーとか思いながら、マックに来てみました。
ざっと三割くらいかな、埋まっている席は。思ってたより少なかったけど、ほとんど一人で座ってるの。夕方とかなら何人かまとまって楽しそうに話してるけど、皆難しい顔をして、黙って食べてるの。
ああ、これから仕事なんだろうな。
私は休みだけど。
注文したら店員さんが新人だったみたいで、間違えられかけたんだ。優しく「いえ、こっちです」とか訂正して。
後ろの先輩に教えてもらってました。
研修中なんだろーか。今朝もがんばって早起きしたんだろうな。お疲れ様です。
私は休みだけど。
心に余裕があると、なんでも楽しいんだよ。朝から渋滞にハマっても、なんだかウキウキ、心の底から楽しい。
なぜだろうね。
道路がよく見える席に座って、ソーセージマフィン(マフィンって甘いお菓子じゃなかったっけ)を食べながら、ゆっくり前を通る車を眺めるのさ。
あ、あの人仕事、この人も仕事。あの人もたぶん仕事。この人は絶対仕事。
みんな、がんばれー。
私は休みだけど。
こんな朝からわざわざ出てくるなんて、何か用事があったのかと思うだろ?
ないのさ。休みだから。
ふへへへは
ふへへ、ふははははは
うひひひひひ
ひゃー
楽しすぎる。
7割くらい書いたところで、厨房の奥の方から「ああっ」「うわっ」とか声が聞こえてきた。
ちょっと見えない位置だったんだけど、あの新人さん、なにをやらかしたんだろう?




