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Garage Inc.  作者: 鳴海 酒
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今更ながらアルファ碁について語ろうと思う


 今更ながらアルファ碁について語ろうと思う。


『ディスインティグレイター』ってタイトルの、囲碁題材の小説を書いていたんですがね。それが(めでたくはないけど)完結したので、この機会に一つ書き残しておこうかなーと思いまして。

 これで興味を持ってくれたあなた、別に私の小説は読まなくていいです。 かわりに囲碁を打ってみてください。

 たぶん最初は教える人がクソむかつくと思いますけど、こいついつか潰してやるという気持ちをモチベとして、我慢していただきたい。



 まあその辺はどうでもいいですけど、はい。


 ちなみに今回は、囲碁なんて知らない、あまり詳しくないわという人向けのお話です。

 ある程度打てるぜというあなたは、適当に流し読みしてください。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~


 さて、ここからが本題。 まずは以下↓のコピペをご覧ください。



「(アルファ碁の)この手は弱いです。」

「(アルファ碁は)強そうに見えない。とてもセドルさんに勝てるとは思えない。」

「(アルファ碁の)この手はなんの意味があるのだろう。」

「ちょっと地を数えてみましょうか。」 「黒(アルファ碁)は60ですね」 「セドルは...45...あれ?」

「中央の白は生きていると思います。私では自信がありませんがセドルさんなら大丈夫でしょう。」

「白は大丈夫だと思います。」

「分からないですけど良いと思います。」

「(セドルは)良いと思いたい。」

「分からないですけど良いと思いたい。」

「局面は白が勝ってます。地を数えるとなぜか黒が勝っています。」

「(アルファ碁の)これは酷い手ですよ。」

「あれっ...良いのかな。」

「やっぱり良かったです。(アルファ碁は)後半強いですね。」

「黒勝ちそう」

「白が良かったと思ったんですけどね。」

「どうしてこの打ち方でセドルさんに勝てるのかわからない。」

「この流れで負けるのは納得できない。どうしてこの打ち方でセドルさんに勝てるのかわからない。」



 あー、懐かしいですねー。マスターだのなんだのが出てくるたび、何度も目にしました。そのたびにコメント欄で解説の方がボロクソに言われているのを見て、涙したものです。

 しかし、ある程度打てる方なら、ほとんどが解説の方と同じ心境だったと思います。

 これについて説明が、今回一番言いたいことですので、しばしお付き合いください。



 さて。アルファ碁にプロが負けた際、一般の方は驚きました。けれど、囲碁ラーは皆、2回驚いているんです。強調しときます。『2回』驚きました。


 人間のプロが機械に負けた、という驚きがまずあります。これは一般・囲碁ラー、同じでしょう。

("プロが"じゃなく"あのセドルさんが"ということについては、今はおいときますね)

 そして2回目の衝撃。私たちが勝敗以上に驚かされたのが、


 『なんであの打ち方で強いわけ?』です。


 プロは100点の手を目指して打ち進めて行きます。その中で、例えば95点だとか97点だとか、微妙なポイントのやり取りをします。

 ときたますごい妙手を閃いて、110点とかが出たりすることもあります。そんなもんだと思ってください。


 アルファ碁は、プロよりすごい手、120点とか150点の手を連発して勝ったわけではありません。

 (ある意味機械らしく?)突飛な手、採点不能な手で翻弄したわけでもありません。

 「的外れではないんだけど、70点くらいしかないよなー」と人間に思われていた手を使って、勝ったんです。


 初心者っぽい打ち方という言われ方は、この辺ですね。 甘いぼんやりした手、みたいな。

 間違っているわけではない。やり方はあってるんだけど、同じ効果でもっといい手があるだろ、みたいな。

 もちろん部分を見るとしっかり読んで打っているのがわかりますし、本当の初級者なら、甘い手どころかマイナスの手がバンバン飛び出して、すぐグダグダに崩れちゃうんですけどね。


~~~

 ここまで書いて、ふと思いました。

 MTGの話になるんですが、もしかしてスライに初めて殺された相手が、こんな感じだったのかもしれません。

 手持ちの少ない初心者が入れるような、モンスのゴブリンやら鉄爪のオークやら。そんな紙の束に、自分のセラの天使デッキが殺されるなんて、誰も思わないわけです。

 単体では物足りなくても、碁盤全体、デッキ全体として機能することを考えられているところが似ていますね。

~~~


 あ、ちなみに私が唯一リアルタイムで見られたのが、セドルさんが一発くらわせた第4戦です。その他はすべて仕事でした。ニコ生で見てたのかな? ちょっと記憶曖昧ですが。

 ただ、他の4試合全てよりも、あの1戦のほうが貴重だったと今でも確信しています。満足してますよー。


 もちろん例の一手も良く覚えてます。私は正直あの手を見た瞬間、「あ、セドル壊れた。投げたかこれは」と思いました、はい。

 あの手は打った瞬間に、あーこれは運命の別れ道だわーとは感じたんですが、まったく別の意味での別れ道になりましたね。

以下、その時の私の心の声です。


 セドル割り込み → あ、セドル壊れた。黒(α)引けば何事もないよな → ってえ、黒さん根元切っちゃって大丈夫?もつん? → やっぱり黒ダメじゃんか!セドルすげえ


 うん、今でもこうして書き起こせるくらい、鮮明に覚えてます。

 セドル様、本当にお疲れさまでした。



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