格ゲーの話題に見せかけた、囲碁の紹介記事
●格ゲーで「まずガードやキャラを覚えて遊んだら?」→「そういう初心者お断りが格ゲーの衰退を招いた!」などの意見
ネットで見た記事がなかなか興味深かったので、それについての雑記。
ものすごく雑に説明すると
A「勝てないからつまらない」
B「キャラとかガードとか覚えてから遊んだら?」
A「そういう初心者お断りの姿勢が、格ゲ衰退の原因」
B「初心者お断りのハードル高いな」
B「将棋や野球とかで、駒の動かし方わからん、ルールわからんでつまらないといっても、当たり前やん。なんで格ゲは違うわけ?
そんな感じです。特に最後の一文が面白いですね。AさんとBさんの想定する「初心者」がずれているためにこうなったのでしょうけど。
率直にまず思ったことが、
格ゲー界のみなさん、安心してください。あなたたちはまだましです。
私たち囲碁ラーは、そのさらに手前の一歩、「そもそも何を覚えればいいかわからない」というステップで初心者をはじき返しています(笑い)。いやもう、ほんと笑っている場合じゃないけど、根っことなるルールに関するところだから、どうしようもない。
リアルで「キサマ等のいる場所は既に我々が2000年前に通過した場所だッ」をやっているわけですね。
いや、むしろその手前で躓いているということは、格ゲ界の今いる位置に2000年たってもたどりつけていないのか……?
まあ冗談はさておき、いろいろコメント読んでいて思ったのが、初心者って一口に言っても幅広いなーと。
私は格闘物はほっとんどやりません。ほぼRPGやシミュ専門で、あまり反射神経に関わるゲームはしてきませんでした。
そんな私でも、波動拳昇竜拳立ちスクリューに瞬獄殺くらいは出せます。小学校のころは、友達の家に集まりストⅡという流れがあったおかげですね。
で、私の中の初心者というのは、「まあ波動拳は出せたり出せなかったりだけど、格ゲの基本ルールくらいはわかっている」という人のことです。
基本ルールというのは、任意で選んだキャラが二人で戦い、ジャンプとガード、しゃがみなどの姿勢があり、上のバーが体力で下のバーが特殊能力ゲージ、だいたい2本先取で勝利。
そんなところです。
一言でいうなら、「多くの同様のゲームで採用されているルールを知識として持っている」ということです。
で、ガードもわからないってなると、それってそもそも初心者ではなく、初めてやる人では? っと思います。
必要なのは初心者向けのガイドブックですらなく、説明書でしょう。
ここで上記の、小学校の頃に格ゲーで遊んでいたかが重要になってくるんですね。
なんだか、最近の子供はスマホばかりでパソコン使えない問題みたいな闇を感じました。
さて、ここまでは単に記事を読んでの私の感想。
ここからは囲碁に関しての話題です。
囲碁、確かにルールも何もかも、初めての人への説明がめっちゃくっちゃ難しいんですよ。まだ数学の方程式のほうが、ルールにのっとっているだけマシなくらい。
たぶん指導者の方も、苦労されている人が多いと思います。
まして指導者ではなく普通の人が、友達から「お前囲碁やってんだろ、どんなゲームなんだよ」なんて言われた日には。……いや、意外といわれるんですよ。ほんと。
で、私も色々悩んで、最近はこんな感じで説明しています。
①オセロと同じ。黒白交互に置いていって、最後まで埋まったときに数が多い方が勝ち。
②あたりまえだけど、そのままだと黒が10個置いたときに白も10個で、同じ数でしょ。
そこではさんで引っくり返して数の差をつけていくのがオセロ。囲んで取ることで数の差をつけていくのが囲碁。
だいたい上の2点が全てです。囲碁では、石を置いてはいけない場所というのが(ほぼ)無いので、本当に上の二つだけで、ルール説明の8割は終わってしまうのです。
この説明をするようになって、いろんな人にすんなり受け入れてもらえるようになりました。
そこの囲碁ラー、よかったらパクってもいいからね!
陣取りなんでしょ、と聞かれることもあります。確かに本質は陣取りなのですが、正直言って初心者への説明段階ならば、陣取りという言葉は混乱のもとでしかありませんでした。
陣地という言葉を一旦忘れて、張り合っているのは置いた石の数だ。オセロに近いんだ。と言った方が、飲み込んでもらえることが多いですね。
あとは、プロが打っているのをテレビでみたことがあるけど、離れたところばっかりで何をしているかわからんよ。というご意見。
もっともです。みんなわかんねえんだよ、プロだってわかんねえから、AIの布石に混乱したんだよ! あ、いえ、そういうことではないですね。
チャンバラじゃなくて、剣豪同士の戦いみたいなのを想像してくれ。お互いに離れて、間合い取ったりフェイントかけまくって、なかなかガンガン切りあいってないじゃん。あんなもんだと思ってくれ。
そう言うと、そんなもんかと納得してくれます、たぶん。
さて、囲碁を知らないあなた。
これを読んで、あー囲碁ってそんなもんなんだーと思っていただけたでしょうか。