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アースダイバーズ  作者: アリカ&サリリィ
4/10

4.アリカはがんばってるつもり

 それから約2ヶ月ほど……アリカはアースダイブに関する知識を詰め込まれる事になった。


 基礎知識、応用知識、ダイブに関する法則と理論、スーツの仕組みと操作。

 筆記、実技、色んな事を短期間で学んだ……全部覚えられる筈も無いけど。


 幸い、実技に関しては体が覚える程に何度も何度も繰り返しシミュレーションした事もあってヨシヲ社長が頷く程の操作が出来るくらいには慣れる事が出来た。


 ついでに節操のある態度が出来る様にと、簡単な礼儀作法も教えてもらったっけ。

 ……これはあんまり身に付かなかったけどね。



―――――――――――――

ダイバースーツ

アイア〇マンスーツにも似た金属の塊のスーツ。無骨な感じで超カッコイイ!!

最先端の技術の塊なんだけど、基本は大気圏突入用。戦いなんて出来る訳ない!!

―――――――――――――



 来るべき時が近づくその日、ヨシヲ社長は情報統制区に訪れていた。

 その日の話は全部彼に聞いた事だから違う所もあるかもしれないけど、そこは目を瞑って欲しい。


 情報統制区とは、いわゆるコロニー内の一般大衆向けメディア放送を行う為の施設が揃った区画。


 そこに訪れたヨシヲ社長の目的……それはアースダイブのデモンストレーション放送の申し入れ。

 けど、彼の前に立つ年寄りの女性……社長曰く「頭取とうどりさん」と呼ばれたその人は頑なに首を横に振ったそう。


「申し訳ないけど、力になれそうにないねぇ……アンタの依頼だから受けてあげたいのは山々なんだけど」

「そうかい、すまねぇな……」


 旧知の仲だったらしく、二人の会話は落ち着きながらも進展には至らず……。


 何でも、「人単体での大気圏突入は死亡のリスクを考慮した場合、一般大衆に見せるには過激すぎる」というのが上からの返答らしく……頭取さんは食らいついたらしいけどダメだったんだって。


 結局前向きな答えは得られないままヨシヲ社長は情報統制区を後にした。



―――――――――――――

頭取さん

分かってると思うけど偽名。本名バレると困るからだってさ。

ヨシヲ社長と同じくらいの年齢で、昔からの知り合いらしい。

―――――――――――――




 デモンストレーションの公共放送が出来なくてもなんとかなる、そう言い放ったヨシヲ社長は復習として今までに行ってきた講義を再びアリカへ教えていた。


「大気圏突入時、オートバランサの調整で体勢を切り替え、頭部を下に向けた形へと変わる。 これは何の為か?」

「摩擦抵抗面積を減らす為……かな?」

「その通り、ではその時に行われるのは?」

「あーえーっと……『ガードピール』?」

「ちがぁう、頭部固定のアンカー接続だ!! 頭部固定しなかったら頭が吹き飛ぶぞッ!!」

「ヒエェー!!」


 恐ろしい表現を敢えて使ってるのは恐怖心を煽る為じゃなく、恐ろしいからこそ失敗してはいけないと認識させる事にある。

 自動で行える事とはいえ、こうやって装着者が覚える事も事故を防ぐ為の最大の予防策なのだから大事な事。


「では今言った『ガードピール』本目的は?」

「えっとーえっとー……外装温度の冷却及び融気率の向上……?」

「ほぉ……だが足りん、重力影響の弱体化及びスーツ内部の加速度制御軽減、気圧制御安定化はどうした!!」

「ギャワーーーー!!」


 相も変わらずの調子……もう決行日まで日が浅いのにも関わらず知識を殆ど覚える事が出来ず。




 結局、彼女は不安を抱えたままその日を迎える事になっちゃったんだ……。



―――――――――――――

頭部固定アンカー

脊髄付近に備えられた耐衝撃用固定機構だよ。

これを固定する事で首を強固にして突入時の空気抵抗での押上げによる頭部変形を防ぐんだ。

これが行われないと大変な事に成るから要注意!!


ガードピール

物理抵抗撹拌粒子を放出するナノマシンの集合体だよ。

さっきから何言ってるか判らないって? なんとなくわかってよぉ、説明大変なんだから。

―――――――――――――




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