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第3話 世界を変える男と世界を変えた少女 後編 ~Dirty deeds done dirt cheap~

 世界を変える男と世界を変えた少女 後編ですが、明日から始業式なのでやはり投稿ペースに比べて少なめです。

 ダンガンロンパ The afterにはまっちゃいまして……。




 訂正 多見と看護部長の取引の描写をりょーさんから指摘され、一部改変しました。9月7日15時30分以前に閲覧された方は混乱するかもしれません。非常に申し訳ございません。

 不幸な境遇にめげずに精一杯生きる少女、立花 憂。拡散こそ収まったものの、その存在をなかったことにすることは出来なかった。

 

 

 むしろ、表立って話題に上がらないだけで、水面下では依然立花 憂の存在について様々な思惑が交差していた。

 

 

 彼女は何者なのか。

 

 何故、その存在を隠そうとしているのか。

 

 何故、蓼園 肇が背後にいるのか。



 芸真ジャーナルはそこに目を付けた。



 彼らはこう推理して見せた。


「総帥と呼ばれる男は、この少女と肉体的関係を持っており、それ故に様々な障害を患っている少女に多大なる援助を施している。公にできない理由は、この事実が公表されて自分の体面が傷つくのを恐れているからなのだ」



 事実、蓼園 肇は彼女をあらゆる面から一切の妥協もなく支援しており少なくとも赤の他人ではないということは誰の目で見ても明らかだった。

 


 その手の知識を持っているものならばそう邪推するのも当然だろう。



 芸真ジャーナルは、なんとしてでも真実を掴みたかった。日本で数ある大企業の元最高経営責任者の小児性愛のゴシップ記事、他社の誰よりも早く確実な証拠を手に入れれば、売り上げは格段に向上し、社は大きく発展するだろう。



 日本中、いや、世界中を騒がせるかもしれないネタに胸を高鳴らせた芸真ジャーナルは、とある記者を派遣した。



 男の名前は多見といった。

 彼は非常にあくどい記者として有名で、記事の為ならば多少の非合法な手を使ってでも情報をもぎ取るといった悪行を繰り返していた。彼の卑怯かつ悪辣なやり方に泣かされる人は数知れない。



 彼は執拗に立花 憂の周囲を嗅ぎまわり、立花 憂が通っているという病院に目を付けた。彼女はたびたびその病院に通院していたのだが、たまに蓼園 肇も出入りしているところを密かに捉えていた。



 ここだ。ここが逢引の場所なんだ。この場所で薄幸な美少女の皮をかぶった淫売と肉欲を貪る狸が体を重ねているんだ。



 そう確信した多見は、いよいよ行動を実行に移すことにした。




 証拠となる写真を手に入れるために、多見は内部の事情を知っている人物と接触した。しかし、それは決して紳士的な所業とは言えなかった。


 多見が目を付けたのは、病院で看護部長を務めていた女性だった。

 彼女が孫を大変可愛がっているということを知り、彼はとある計画を閃いた。


 多見は病院近くにある保育園から看護部長に電話をかけ、全く関係のない幼児の声を聞かせることで、彼女の孫を攫ったと錯覚させたのだ。


 そして、「お孫さんの身柄と引き換えに例の写真をいただきます」と持ち掛けた。

 無論、多見が求めていた写真は立花 憂と蓼園 肇の逢引現場の証拠写真だった。彼は、看護部長に『行為をしている』写真を撮って来るように要求してきた。



 看護部長は大いに困惑したであろう。彼女は大切な孫を人質に取られていると思ってしまっていたのだ。しぶしぶ要求を吞まざるを得ないだろう。彼女にとって立花 憂の秘密の写真とは「とあるもの」しか思い浮かばなかったので、その写真を多見に渡した。


 『この画像が公開されれば命をもって抗議し、貴方を糾弾します』と彼女は精一杯の抵抗をしたが、多見は自分がスクープ記事を手に入れた喜びで聞く耳を持っていなかった。




 しかし、その写真は多見の、芸真ジャーナルの予想していた秘密とは大きくかけ離れた真実を写していた。

 彼らが犯罪を犯してまで手に入れた写真。そこに写っていたものは、男女の肉体関係を決定づける証拠写真などではなかった。



 もっと奇妙で、得体のしれない、常識を覆すような、この世の理を破壊しかねない恐ろしいものだった。










 10月21日。



 芸真ジャーナルはWEB上で大スクープを入手したことを大体的に告知した。


 そしてその日、世界はとある一人の少女の存在によって大きく揺れ動き始めることになる。











 事故で死んだはずの立花 優が、実は立花 憂として外見を、戸籍を、性別を偽って生きていたという事実によって。





 

 


 世界を変える男と世界を変えた少女はここで終わりです。


 次回は再構築についてですね。


 まだまだ本編まで遠い……。

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