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プロローグ ロンドンの夜 ~Girls in the mist city~

 初めまして、私の恩師、りょーさんの「半脳少女シリーズ」の二次小説を書かせていただきました。いしいしだと申します。


 この小説は、りょー 作 「半脳少女 ~ボクは美少女になった。でも脳は半壊している~」及び「半脳少女過去編 ~優が憂と名を変え、学園復学を目指すまで~」を基にした二次小説です。「半脳少女シリーズ」本編の設定等とは一切関係ありませんので、ご了承ください。


 最後まで見ていただけると幸いです。


『あの……ユリ、ユリは大人になったら何になりたいですか?』


 

「は? いきなり何? 今取り込み中だから黙って」



『私は、小さな喫茶店を作りたいと思ってるんです。庭にお花をいっぱい飾って、バラの生垣を作って、たくさんの人が心地よく休めるような、そんなお店を作りたいなあ、と』



「ごめん、いま私たち変態ロリコンデブオヤジの命令でイギリスのロンドンホワイトチャペル地区でこそこそ引きこもってる工作員一人残らず始末しようとしてるんだけど、それ、今言う必要ある?」



『……私凌平さんの言ったこと、いろいろ考えてみたんです。ジキルとハイドの話』



「あの根暗ナルシストがひけらかした心底どうでもいい知識に未だに振り回されてるとか、あんたあいつのこと好きなの?」



『ふぇ!!? ち、違います! そうじゃありません! というか、総帥さんや凌平さんのことをそんな呼び方しちゃダメです!!』



「はぁ……んで、何? くだらない話ならあとにして」



『はい……ジキル博士は自分の悪い部分を切り捨てたくて、ハイドを作り出したって言ってましたよね。『己の欲望を満足させるため』だって』


 

「だから?」



『私、ジキル博士とハイドって最初は仲が良かったんだと思います。ジキル博士はハイドがどれだけ悪いことをしても、決して自分がやっているってことは気づかれない、ハイドはジキル博士のおかげでやりたいことを何でもできる。きっと別人格、っていうよりは兄弟、ていう感じだったと思うんです』



「はあ」



『でも、だんだんハイドが制御できなくなってきてしまいました。自分のしたいことを我慢できなくなっちゃったんだと思います』



「さいですか」




『ジキル博士は、ハイドを生み出してしまいました。だから身を滅ぼしてしまったんです。でも、もし博士が秘薬を作らなかったら、ハイドは生まれなかったはずです。だとしたら、それがもし悲劇の原因だったとしても、博士はジキルの唯一の『家族』だったんだと思うんです』



「あっそ、話はそれだけ? んじゃさっさと————――――」



『…………………私は、ユリの『家族』になれてるのでしょうか……………?」



「……は?」



『ユリはいつも私の為に、私を守るためにやりたくないこと、辛いこと、全部自分でしょい込んでしまいます。私だって役に立ちたいんです。でも私なんかじゃユリの足を引っ張ってしまいます。ユリの迷惑に…………』



「……………………………………………」



『私は、ユリが本当にしたいことを知りません………………。ユリがしたいことをさせてあげられません…………。私は、ユリのために何一つ…………………させてあげられないんです…………………!こんなにユリが頑張ってるのに…………………こんなにユリが傷ついてるのに…………………!』



「うるさい」



『……え』



「いちいちうるさい。黙ってれば調子に乗りやがって。何? 『何一つさせてあげられない?』あんた何様のつもり? 馬鹿にすんのも大概にしろ。いちいちそんなくだらないことで感傷に浸ってんじゃねえよ」



『……ごめんなさい』




「私が何しようが私の勝手。私は友里を守る。友里の幸せが私の幸せだし、友里の夢が私の夢。何の見返りもいらないし、何の慰めもいらない。あんたが泣いてるのが最ッ高に腹立つからこうしてやってるのに勝手に自己嫌悪に陥って悲劇のヒロイン気取りとかマジでイラつくから。本当に私の為を思っているんならさっさとその口閉じてくんない? それこそ迷惑なんだけど」



『ごめんなさい………ユリぃ………私っ……………!!』



「あーはいはい、わかったわかった。言いすぎましたごめんなさい。もういいからさっさと片づけたいんだけど」



『………はい、わかりました。……………よし!切り替え完了です!』



「前から思ってたけどあんた頭空っぽでしょ」


 

『そ、そんなことないですよ!』



「何露骨に焦ってんの。軽く引くんだけど」



『私は軽く凹みます……。でも!私はもう大丈夫です!!それではそろそろ行きましょう!」




――――――――――――今日も一緒に頑張りましょう、ユリ!





――――――――――――はあ………、あんたほぼ何もしないじゃん。





――――――――――――ふふ、そうでしたね。





























 11月2日。ロンドン、ホワイトチャペル地区に住んでいた住人達はいつもと変わらない夜を過ごしていたが、後にかすかに銃声が聞こえたと皆口をそろえて証言している。しかし、付近で銃が発砲された痕跡はなかったため、近所に住む誰かがテレビの音を爆音にしていたという結論に終わった。




 また、建物の上に少女のような人影を見たという人が数人いたらしく、ゴシップネタを扱う小さな新聞の隅に『謎の美少女!!ジャック・ザ・リッパーの亡霊か!?はたまたエイリアンの偵察か!?』と面白おかしく茶化された記事が掲載されたが、おそらく新聞を読み終わったころにはみんなすっかり忘れてしまっていただろう。


 自分はまだまだ未熟者なので、語彙力や会話のつなげ方等不自然な箇所が多々あると思います、そのような箇所を見つけられましたら、小さなことでもいいのでご報告いただければ幸いです。今後更新できるかどうかは分かりませんが、どうかこれからもよろしくお願いいたします。

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