プロローグのような異世界転移
呼んでくださる方ありがとうございます。励みになります。
俺は真っ白で何もない世界でポツンと一人たっていた。
恥の多い生涯を送ってきました。
『人間失格』の有名な一文を俺はふと思い出した
俺の人生は突然終わりを告げた。
あれはいつもの、普通の日常になるはずだった。
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その日はとても暑かった。だが、俺はゲーム屋でものすごいほどの行列に並んでいた。
そう、超人気RPGの続編の発売日。
その日は休日でもあったため、とても多くの世代層がならび開店前にもかかわらず最後尾はこちらという看板をもった店員までいた。
俺は朝早くから並び、一番最初にゲームを手に入れ一番にプレイしようと走って帰ろうとした。
だが、その時。
女の子が転び、道路に飛び出したのだ。そして、トラックがーーー
俺の足は動いていた。
俺は女の子を突き飛ばし、跳ねられ、意識が遠のきーーーーそして
俺は死んだ。
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そうか、俺は死んだのか。死ってのは案外早く来るもんだな。
友達も、勉強も、そして彼女も…なーんにも上手くいってなかったな。最後にカッコいいことができてよかった。
そこへ誰かがやってきた。
「こんにちはそしてはじめまして。と言ってもここは死後の世界なのだが…」
やってきたのは天使のような羽が生え、頭の上には天使の輪、横の髪は片方だけのばされた金髪の長髪、鋭い目。
どことなく二次元に出てきそうなお姉さんキャラの天使だ。物凄いくらいの美人。天使はこんなんなのかぁ…
「これからいくつか質問を行う。…正直に答えてもらいたい」
…俺はこれからどうなるのだろう。地獄に送られるのだろうか?それとも、天国で美少女に囲まれる幸せな生活を送れるのだろうか?
「では、始める。最初に年齢は16、カンザキハヤト、神崎 隼人であっているか?」
俺ははいと頷く。
天使は紙のような報告書に書いていく。
…短い人生だった。
「今までにあった幸せなことは?」
「今こうして、天使様と話していることですかね?」
目の前の天使は少し頬を赤らめると続けた。
今思いかえすといいことなんてなかったなぁ…
「…あまり私をからかうでない。では、最後だ。君は人生について振り返ってどうだ?」
「幸せなことはなかったし、友達、彼女さえほとんどできなかったし、最悪でした」
俺はいつのまにか涙を流していた。
「…私の名は、天使ガーネイシア。女神様の代わりに仕事を行っては来たが…君のように何もない人生を見たのは初めてだ…」
俺はあの少女について思い出した。
「俺が助けた少女は元気ですか?」
「幸い君が助けたおかげで、死なずにすんだようだ」
よかった。せめてもの救いだ。俺が無駄死にしたとか可哀想だからな。
「さて、と。君は天国地獄と普通は裁かれるのだが…」
彼女は書いている書類らしきものに判を押すと、こう言った。
「君には、特別に異世界行きの判を押してやった!」
異世界?は?
突き出された書類らしきものものをみると異世界行き!という判が押されていた。
「異世界ってどんな?」
「RPGは知っているよな?ファンタジーの世界だ。あれは実在する世界であって、君の住んでいる世界と違う時間ですすんでいる世界だ」
「君の人生はそこからスタートだ。ではいってらっしゃい!」
すると、俺の前に魔法陣が現れた。
「ありがとうございます!天使様!」
「いやいな、たいしたことじゃない。大変なのはここからかも知れないしな」
俺は魔法陣にのると、いろんなことを考えた。俺の最強勇者伝説の始まりだぁ!
「…実は助けなければ、あの少女は奇跡的に無傷ですんだなんて言えないよなぁ。さて、サリエルのところにいって仕事を手伝ってやるか…アマテラス様にお茶も出さねば…」