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姫様の前で情報整理をした件について

俺はお姫様と一緒に歩きながら情報の整理をしていた。


まず、俺のステータスは完全に引き継がれている。

先ほどのゴブリンを倒した一撃、あれはどう考えたってただの一般人である俺が出せるものじゃない。

ただ確認する方法がまだ見つかっていない。


某VRMMO小説みたいに人差し指と中指を合わせて上から下に振ってみたが当然出なかった。

だがさすがにステータスを確認出来ないという鬼畜仕様なわけが無い・・・と信じたい。


次。全然反転世界じゃ無い。

反転世界リバースなんて言うから昼夜逆転とかかと思ってたのに。

・・・あっ。そっか。俺の価値観と世界の価値観が逆なのか。

今更だけど価値観って何だ?俺が小説好きとか?分からん。


まだまだ。俺が着ている服。

まったく見たことがない。こういう異世界転移は普通、茶色い麻の服みたいなのを身につけているはずのに、何故か中二病。何かキラキラがいっぱい付いている。何だコレ?売ったら高そうな・・・。


・・・ようやく最後だ。

俺が来た世界。

ここは完全に俺が知っている世界とは違うような気がする。

ネットゲームの中に行くのかな、と少しだけ期待していたのだが、まだ判断材料が無い。

が、違うと証明するものならある。

王国の名前。

ヘルベスタ王国と言っていたが、そんな地名、知らない。

ネットゲームの中でも無かった。

遊び尽くしたと言っても過言ではない俺が知らないのだ。

俺は本当に0からの知識でこの世界で生きていかなければならないのか・・・

俺はこの世界で待ち受けるであろう試練に意識を飛翔させた・・・




「あのーーー?聞こえてますかーーー?」


「うひゃぁ!?すいません聞いてませんでしたっ!」


「もうっ。ずっと話しかけているのにっ」


「す、すみません・・・」


俺の意識はすぐ隣にいたお姫様の声によって戻る。


いっけね。お姫様と一緒にいること忘れてた。というかすんごい近いんだけど?肩と肩が触れあってるよ?何?俺女の子の耐性無いくせに女の子大好きだからどうなっても知らないよ?勘違いしちゃうけど良いの?


「あなたは遠くから来たと言っていましたね?」


「えぇ、まぁ・・・」


「何か分からないことがあれば教えましょうか?」


「お、お願いします・・・」


やべぇよ。お姫様が一般人に教えてあげるってどんなシチュエーションだよ。これ絶対お姫様俺に気があるだろ。俺には分かるぞ。数多の恋愛ゲームをクリアしてきた男の勘がそう言っている。えっ?本当に抱きついて良いの?良いんだよね?良いよね?


「えっと・・・どれから話しましょうか?この大陸のことはご存じですか?」


「いえ、まったく・・・」


「大陸を知らないとなると・・・あなた本当にどこから来たんですか?」


「島国から・・・」


「はぁ・・・『シマグニ』というものはよく分かりませんがつまりはこの世界を占める二大陸のことはご存じでは無いということですね?」


「分からないです・・・」


「ではまずはこの世界のことから説明しますね」


マジで抱きついて良いの?いやマジで?俺やるといったら絶対やる男だよ?あっ。ヤルの間違いだった。テヘッ。すいません嘘吐きましたヤったことありません彼女いない歴=年齢の俺がヤったことがあると思ったのかバァカ。なわけねぇだろ。だからこそのチャンスは見逃せないというかね何というかね。つまりはそういうことなんだようん。


「この世界には大きな大陸が二つあります。大陸セルトと大陸ロムルス。自慢ではありませんが私の住む王国ヘルベスタは大陸セルトの中で勢力はNo.1と自負しております。が、大陸セルトと大陸ロムルスは長い歴史の中で対立していまして・・・ロムルスに拠点を構える国アルマスはヘルベスタを敵対視していまして・・・戦争による被害が大きい状況です。これが今知るべき最低限の情報ですね。他に小さな国などがありますが、貿易以外では関わりが無いので説明しません。まだ何か知りたいことがありますか?」


「ステータス・・・」


「ステータスを確認する方法ですか?それも知らないなんて・・・よほど田舎だったんでしょうか?その『シマグニ』というところは」


いやぁやっとだよ。うん。やっとね俺にもねモテ期到来だよ。うんうん。でも何で俺みたいなキモオタの鏡みたいな姿している奴と一緒に歩きたがるのだろうか。やっぱ知らねぇや。理由なんて知ったこっちゃんねぇ。


「ステータスを確認する方法はギルドに行けば良いです。ギルドに行って、冒険者ライセンスを獲得すると同時にステータスカードも貰えます。冒険者ライセンスはこれがあればクエストを受けることが出来、冒険者としてお金を稼ぐことが出来ます。ステータスカードは文字通りステータスが書いてあります。ステータス確認コンファームという機械にかざすと更新されます。それぐらいですね。ステータスのことを知らないとは思いませんでしたわ。その服を着ていたからてっきり世界の(オールオブ)幻影ファントムと思っていたのですが・・・」


「おーるおぶふぁんとむ・・・?」


「えぇ。あなたのその服はオールオブファントムに所属している人が身につけるものだったので。・・・まさか窃盗!?まぁそんなわけないですよね。無理でしょうし。あなたはやっぱりどこか変ですね・・・。記憶喪失でもなったのでしょうか?だとしたら私が説明してあげなければ・・・!オールオブファントムというのは悪事を働くものを自らの意志と信念によって裁ける人、団体の名前です。とても大きな権利を持っていて、時には王を凌ぐことがあります。そのため、入団するためには難しい試験を受けなければねらないので、そう簡単にはなれないと聞いておりますけど・・・」


「すぐ捨てます・・・」


ったく。何でこんな服着てんだよ。あれか。俺が悪を広めるとか何とか言ったから神様が気を利かしてくれたのか。余計なお世話だよ。まぁこのキラキラ光ってるものは全部売るけど。


「すすす捨てるなんて勿体ないですよ!どうせ持ってるんですから使えばいいじゃないですか!」


「そうですね・・・」


俺は脱ぎかけていた服を着て・・・あれ。俺さっきまで何考えてたっけ。何か凄いしょうもないことだったような気がするけど思い出せないな。所詮はそれぐらいのことだったんだろう。


山を登ったのあろうか。いつのまにか見晴らしの良いところに出ていた。高台のようなところで遠くの景色を見る。


「見えてきましたよ。あれが・・・」


お姫様が指さしたのはまさしく王国というイメージの城が遠くからでも見え、その周りに家々が連なる。緑と自然が溢れ、青空ととても合っている。城壁は所々傷ついているがそれもロマンがあって格好良い。

ヘルスは俺の方を向き、遠くに見える城をバックにこう言った。











「我が魔属の王国、ヘルベスタですわ!」










ーーー俺はこの世界が『反転世界リバース』だということを思い出した。

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