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呑気な哲学

作者: 屁似論

今回初投稿です。

誤字脱字などあれは活動報告や感想などにご連絡頂ければ幸いです。

どうぞヘイローンをよろしくお願いします

あなたは幸福ですか?

大体ティーンエイジャー以上の年齢の人々は、みな既にこの類の質問をどこかで必ず一度はされているだろう。そしておそらく、大半の人はそんなに深く考えずに、「はい、幸せです」とか、「いいえ」と答えたのだと私は思う。私自身も問われた経験は幾度もあるが、熟慮して答えた覚えは全くない。では、この人たちに対して、ほんの少しだけ冒頭の質問文を変化させた問いをしてみる。即ち、

あなたの幸福は何ですか?

という問いを投げかけてみる。

するとどうだろう、この問いを唐突にされて、即答できる人はあまりいないだろう。冒頭の質問文とはたった三文字しか違わないというのに、答えられる人は激減する。これはなぜだろうか。

よくよく考えてみれば当然である。冒頭の質問文はいわばYES-NO クエスチョンであり、二つ目の方は説明を求められるクエスチョンなのだから。答える「だけ」ならば、冒頭の質問は日本語が話せれば誰でもできる。しかし、二つ目の方は答えられない人が出てくる。その理由は単に、幸せ、という言葉の定義が非常に曖昧な人が多いためである。

ゆえに、私はまず冒頭の問いに答えるにあたって、幸福、という言葉の意味を再定義しようと思う。幸福という言葉を辞書で引いてみると、「心が満ち足りていること。また、そのさま」(広辞苑参照)とある。これでは、心が何でみたされていれば良いのか、また、心が満ち足りている、とはそもそもどんな状態なのか曖昧過ぎるのではないか。

ここで、少し屁理屈をこねてみようと思う。先ほど幸福=何かで心が満ち足りている状態、という説明があった。ここの、何か、に例えば悲しみという言葉をいれて、万人にこの説明が正しいか聞くとしよう。というか聞くまでも無く、十中八九全員がNOと答えるだろう。いくら定義が曖昧とは言っても、万人が違うと思うほどに定義からはズレるのだ。しかし、広辞苑の説明では、悲しみ、でもアリになってしまうではないか。

このような曖昧な説明では、人によって解釈が違ってしまうではないか!

というわけで、私は勝手ながら、何か、の部分を自分で補完してしまおうと考えた。では、自分が幸福を感じるのはどんな時だろう、と考えた時、特別嬉しい出来事などが起こった場合を除けば、特にこれといった理由は無いと思う。これでは何か、にずばり入る言葉は見つからないでは無いか。

では、自分が常日頃から感じているささやかな幸福感は、何が原因なのだろうか。と考えると、一つだけ言葉が浮かんで来た。それは、感情のプラス因子である。

プラス因子には、例えば喜びや楽しみ、期待などがあたり、反対にマイナス因子には、悲しみ、恨み、妬みなどが入る。

そして、幸福か否か、というのはこの感情全てを合計した時の値が、自分の幸福基準値(自分が幸福だと感じる最低限の値)よりも高いか低いかで決定されるのではないか。

つまり、幸福とは、感情の総合計が、人それぞれの主観的な基準によって、相対的に判断された際、前者の方が高い(もしかしたら同値以上かもしれないが)場合に、それを一言で表す言葉なのだ。だから、

あなたは幸せですか?

という言葉は、

あなたの感情の状態にあなたは満足出来ていますか?

とも置き換えられるということになる。これで随分わかりやすくなったと思う。だが、依然一つ問題が残る。二つ目の質問にこの解を代入すると、

あなたの感情に対して、あなたが満足するとはどういう状態ですか?

これは即ち先ほどの幸福基準値を聞いているのだが、正直言って、私も自分の幸福基準値を示せ、と言われても困る。はっきり言って無理である。数値化もされていない値を答えることは、近似値を出すことは簡単でも、近似されていない解を示すことは非常に困難である。

以上より、私自身の出した二つの質問に対して、答えようと思う。プラス因子が多いのか、それとも幸福基準値が低いのか……それは定かではないが、これまでのことを踏まえ、私は自身が幸福であると断言する。また、二つ目の質問に対して、しっかりとした値を答えることは、現状不可能である、とも考える。断言出来ないのは、不可能であることの証明を未だ為していないからである。

【終】

次回投稿、未定です

もし宜しければ、活動報告にテーマとして扱って欲しいものや、ここ議論が足りないよね?などのコメントを頂ければ本当に本当に感謝です

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