12話魔女と悪魔とメイド長
12話 魔女と悪魔とメイド長
僕は今地下へと続く階段を降りている途中だった
「はぁ、暗いし狭いし長いし何かの三拍子作れちゃうよこの階段」
愚痴を言いながら降りて行くと地下廊下に出た道は左右に分かれていて迷った。
「どうしようか…」
すると左側から爆発音が鳴り響いた
「あっちか、じゃあこっちに行こう巻き添えは御免だからね」
そうして僕は右の道へ行き大きな扉の前に居た、先は無かったため扉を開けて中に入るとそこは大図書館だった。
「ここは図書室か?多過ぎるだろ…」
「そりゃあパチュリー様は魔女ですからね〜」
「そうか、魔女だからか〜、ん?誰と話してるんだろ?」
周りを見渡すが本以外のものは見た感じ無い
「ここですよ、上ですよ、上」
僕が上を見ると本を抱えた悪魔っぽい女の子が飛んでいた。
「僕に何か用でもあるの?」
「こっちの台詞ですよ、貴方はどうしてヴアル魔法図書館に?」
「僕は異変解決に来たんだけど迷っちゃってさ、それで地下階段を降りてきたらここに着いたんだよ」
「貴方も異変解決に来たんですか」
「貴方も、ってことは誰かもう来てた?」
「はい、少し奥の所で戦っている最中だと」
(面倒なとこに来ちゃったな、取り敢えず行って見ようか)
「そうか、ありがとう、えーっと」
「私は小悪魔です」
「僕は輝陀 瑞斗、それじゃ行くから奥が気になるし」
そう言って僕は図書館の奥に進んだ
すると魔理沙とさっき小悪魔が言ってたパチュリーが戦っていた。
「なんだよこれ…魔戦争?」
目の前では弾幕勝負が行われているが魔理沙は箒に乗っているしパチュリーは魔道服+魔道書を持っている為、弾幕が魔法に見えてしまう
「おっ、瑞斗こっちに来たのか」
「あぁ、手助けは必要…なさそうだな」
「当たり前だぜ!このくらいの敵一人で倒せなきゃ、魔法使いとしてやってられないぜ」
「そうか、じゃあ頑張れよ」
魔理沙は戦闘に戻り僕は本棚の上に座り見ていた。
「行くぜ!」
魔符「スターダストレヴァリエ」
魔理沙がスペカを使った。
星型の弾幕はパチュリーの周りを囲い込む様に広がる。
それに対しパチュリーは、
火符「アグニシャイン」
炎の弾幕を周りにばら撒き魔理沙の弾幕に当てて上手く相殺している。
「へぇー二人ともいいスペカ持ってるじゃん」
「中々やるわね、これならどうかしら?」
火&土符「ラーヴァクロムレク」
大量の炎の弾幕と小さい弾幕が放たれる。だが軌道が緩やかな為魔理沙は軽々と避けていく。
「甘いぜ、こんなのじゃ私を捕らえる事なんて一生出来ないぜ」
「それはどうかしら」
日符「ロイヤルフレア」
曲線状に炎の弾幕が飛び太陽のフレアの様に広がり、収束し飛んでくる
「うわぁ!箒が燃えてる!?」
魔理沙は箒に着いた火を消しながら回避して反撃のチャンスを伺っていた。
「ふぅ、危なく箒が消し炭になるとこだったぜ」
「魔理沙早く決めてくれよー」
「え?なんでだよ、折角面白くなって来たのに」
「相手は本物の魔女だ、長引かせると年期の差を見せられて完敗って事になるぞ?」
「んー仕方ないな、これで終わらせてやるぜ!」
魔理沙は八卦路を構えた。
恋符「マスタースパーク」
八卦路から太いレーザーがパチュリー目掛けて発射された。
不意の一撃だったのかパチュリーは反応出来ずマスタースパークを正面から受けた。
「うぅ、目眩が」
間一髪防いだ様だが爆風を受けて吹っ飛んだようだ。
「大丈夫か?」
「大丈夫に見えるの?」
パチュリーはボロボロで所々汚れがついていた。
「全然見えないな」
「貴方は何しに来たの?」
「僕は全体を見て回ろうと思って下の方から探索してたんだよ」
「そう、でも地下には何も無いわよ?この図書館くらいしか」
「そうなのか?だったら戻って探索開始だな」
僕はパチュリーの傷と服を治して魔理沙を連れて館の一階へ戻って来た
「で、魔理沙どうする?」
「私はこの階を探してみるから上の階は頼んだぜ」
こうしてまた探索が始まった
一方その頃白玉楼では…
〜妖夢Side〜
「幽々子様、ただいま戻りました」
私は白玉楼に帰り幽々子様を探していた
「あれ?幽々子様何処ですか〜幽々子様」
(居ない?何処かに出かけたのでしょうか?)
探していると台所からいい匂いがして来たので向かうとそこに幽々子様は居た
「幽々子様!」
「あら妖夢、おかえりなさい」
「はい、ただいま戻りました、じゃなくて何故料理を作っているのですか?」
「二人が帰って来る前に夕飯を作っておこうと思ってたのよ」
「そうでしたか、申し訳ありません」
幽々子様に夕飯の支度をさせてしまうなんて自分が情けないと思っていると
「いいのよ、私がしたかっただけなんだから」
と幽々子様は言ってくれた
「調理はもう終わるから盛り付けと運ぶ手伝いお願いね?」
私は頷き食器を出し盛り付けの準備を始めた
「ふぅ、こんなとこかしらね」
幽々子様は料理を作り終えたようだ
「妖夢そっちは終わりそう?」
「あっ、はいこれで終わります」
「じゃあ、あとは瑞斗を待つだけね」
「料理もう運んでおきますね」
「えぇ、お願いするわ」
私は料理を運び終え幽々子様と一緒に瑞斗さんを待っていた
その頃瑞斗は探索を再開していた
〜瑞斗Side〜
「どこ探しても何も無いな」
どこの部屋も人は居らず空き部屋だった
「この階はもう探すとこ無いみたいだし下は魔理沙が居るから上、3階に行くか」
移動の際メイド妖精が数匹居たが友好的で戦闘はせず難なく3階まで来れた
「それにしてもここはまるで迷路だな、同じ所をぐるぐる回ってるみたいだ」
外観から見たより内装は広く迷いそうになるくらいの広さに苦戦していた
「こんな時は目印を付けて行くか」
通って来た道に能力で作った弾を置いて探索を再開した、暫く歩くと前には弾が置いてあり後ろにも弾が置いてあった
「本当にここをぐるぐる回っているみたいだな、だとすると空間移動でもしてるとしか考えられないな」
(近くに気配はない…)
目を瞑り気配を探っているとどこからともなくナイフが飛んできた
「っ!?」
なんとか避けられた
「へぇ、素早い反応ね」
声の方には銀髪のボブに両方のもみあげ辺りから、先端に緑色のリボンをつけた三つ編みを結っているメイドが立っていた
「君はここのメイドさんかな?」
(美鈴さんに能力を使った時の人か?)
「えぇ、私は十六夜咲夜ここ紅魔館のメイド長をしています」
「じゃあここの主の居場所分かるよね?」
「貴方はお嬢様に何の御用ですか?」
「まぁ、異変解決(話し合い)に来たんだよ」
そう言うを咲夜さんの目は鋭くなった
「そう、悪いけれど博麗の巫女以外は通すなと命令を受けているのよ、お引き取り願えるかしら?」
「嫌だと言ったら?」
戦闘に発展すると分かっていてあえて聞いたすると、咲夜さんはナイフを取り出し言った
「ここで死んでもらうわ!」
「ザ・ワールド」
咲夜さんが叫ぶ次の瞬間目の前には大量のナイフが飛んできていた
「何!?」
辛うじて致命傷は避けたものの擦り傷を数箇所受けてしまった
「一体今のは何をしたのかな?メイド長より手品師にでもなったら?結構受けると思うよ?」
「手品師が自らタネを明かすかしら?」
「それは無いね、手品はタネが分からないから面白いんだし」
「まぁ、いいわ分かって防げるものじゃないし、私の能力は時を操る程度の能力つまり時間を止めたり出来るって訳よ」
「そりゃ随分と厄介な能力をお持ちで」
「これで貴方は私に勝てないってことがよく分かったかしら?」
「それはどうかな?教えてくれたから僕も教えてあげるよ、僕の能力は作る程度の能力だよ、まぁ言葉通りの能力だから」
「っ!?それってまさか!!」
咲夜さんの真似をして時間を止め大量の弾幕をばら撒き時間停止を解除した
「やったか?」
煙の中に咲夜さんは居たが弾幕は命中していなかった
「はぁはぁ、貴方のその能力反則じゃない」
息をあげ咲夜さんが言ってきた
「まぁ、そうだろうね。それでどうかな?そろそろどいてくれない?これ以上戦いたくないし」
「いいわ、通してあげる。このまま続けても負けるのが何となく分かってたし」
咲夜さんはここの主の居る部屋まで案内してくれた、レミリア・スカーレットとゆうのがここの主の名前らしい
「咲夜さんあとどのくらいですか?」
「もうすぐそこよ」
少し歩くと今までの部屋のより大きなドアがあった、ここにレミリア・スカーレット今回の異変を起こした張本人が居る
「お嬢様、失礼します」
咲夜さんが入るとそこには主と言うには相応しいと思えない姿のレミリア・スカーレットが居た
「霊夢!?何やってんだよ!」
レミリアは既に霊夢倒されロープで
ぐるぐる巻にされて床に転がっていた
「何ってあんた達が遅いから私が先にこいつを倒したんじゃない」
それから少しして魔理沙も到着した
「さぁ、全てを話してもらうわよ」