また会う時まで
金色に光る剣は光るチリとなって消えて行く。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
魔王の断末魔が響き渡る。
そして…魔王は、消えた。
白い光に包まれながら。
「ハッ!ざまあみ…ろ」
ガクッとその場に私はその場に崩れ落ちた。
あれ?力入らない。立てないぞ?およよ?
何て、ふざけてみるが、自分が一番分かっている。
…眠くなってきた。
「セレナさん?」
「セレナ!?どうした!?」
「セレナ!セレナ!?」
…三人の声が聞こえる。
「おい!?どうしたんだよ?!」
「何で!?回復魔法が効きませんわ!?」
「うわぁぁぁぁん!セレナぁ!びぇぇぇぇぇん!!」
カラン大泣き(笑)
8歳なのに、王国一の格闘家だから凄いよね。もっと強くなれよ!
リリィ、多分それ私がそろそろ死ぬからですよ。だから効かないんです。
…この娘もすごい子で、大怪我した兵士数十人を一変に直したという伝説持ち。
今度は数百人目指して下さい(笑)
そうだ、ごめんルカ。
約束守れないや…。
とりあえず、今は持ち前の優しさで二人を癒してやってくれ!
元世界一の騎士団長様よ( ´ ▽ ` )ノ
声に出して言いたいけど、無理っぽいわ!スマン。
私は完全に目を閉じた。
「………アンナ?」
.....この声。私をこの名で呼ぶ人は一人しかいない。
私はふふ、と微かに笑った。
ありがとう。
*******************************
SIDE リリィ
セレナさんに「詠唱中は、魔王を引きつけて置いて」と言われましたが…
この方、とっても強いですわ。
カランと、ルカさんとの計画では
私は後方援護でお二人は前衛で攻撃という事でしたが…
援護も難しいです…
二人ともあっちこっち動き回るから大変ですわ。
「って、えぇ!?」
魔王さん、高く飛びすぎですわ!そうツッコミを入れたくなりましたが、そんな場合ではなさそうですわね…
どうやら、魔王さんは空からあの真っ黒な玉を投げる気ですわ‼
このままじゃお二人が!!
「『悪しき力から我らを守る盾を作りたまえ、テール』ですわ‼」
そうです、さっきセレナさんが使った魔法ですわ。
呪文を唱えた瞬間、シールドが私たちの周りに張られます。
それとほぼ同時に黒い玉が!
ドガァ!!
シールドに激突です!
「う…重い!?」
何でこんな思いものをセレナさんは軽々と持てましたの!?
ビシ…バリッ!
シールドが壊れそう…
「うぬぬぬぬぬぬぬ!」
必死に保とうとしますが…
バリン!!
「うっ!きゃう!?」
シールドが!
そのまま、黒い玉は私を潰そうとしてきます。
「───っ!」
ヤバイ!
そう思った時、誰かが私をヒョイっと持ち上げました。
そしてそのまま黒の玉の下から避難。
「…ありがとうございます。ルカさん」
「いや、大丈夫だ。それよりリリィ」
「は、はいですわ」
「今、カランがあいつと応戦中なんだが、動きが早くて攻撃できない。だから、あいつの動きを止めてくれ。
……できるか?」
「わかりましたわ!」
「頼む」
それだけ言ってルカさんはまた行ってしまいました。
よし…行きますわよ!
「『彼の悪しき力を持つ者の動きを止めさせたまえ。スチート』」
ぼぅ…と魔王さんの足元が緑色に光り、ガッチリ床と足がくっつきましたわ。
よし…!
魔王さんは魔方陣の上でしてもがいています。
いい気味です…。
その時、
「みんな!離れて!」
と、セレナさんの声が。
セレナさんを見ると、詠唱が終わったようで足元にはとても複雑な魔方陣。
…あそこまで複雑な魔方陣があるなんて、とか思いながら後ろに避けます。
すると、魔法陣から
大きな、そりゃあもう大きな黄金の剣が!!
もう、声が出ませんでした。
それを軽々と持ち上げて、セレナさんは
「バーーーーーカ!!」
と叫びながら剣を振り下ろします。
魔王さんを一刀両断です!!
次話も、
リリィから始まります。( ´ ▽ ` )ノ