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命をかける

「貴様が私を倒す?…ククク、面白いジョークだな」

「…ジョークじゃないってことを直ぐに分からせてやるわ!

カラン!!」


私の言葉を聞くと同時にカランが凄い早さで奴の懐に入る。


「!?」

驚いて油断している奴を見てカランはニヤッと笑い、お腹にドゴォッとパンチを食らわせた。

「グハッ……」

「まだまだ!いっくよー!」

掛け声と共にカランはパンチの嵐を食らわせた。

「グゥ!ガガガ…」

「カラン!どけっ」


ルカの声が何処からか聞こえ、その声に反応してカランは飛び退いた。


「うらぁぁぁぁ!」

何時の間にか魔王の背後に回っていたルカは魔力を極限にまで溜めた片手剣を一気に振り下ろす。

「ガッ!グゥゥ…な、何を」

「『彼の者を風の力で弱らせることを我は望む。フーリガン‼』」


リリィが呪文を詠唱し終えるのと同時に、彼女の足元から魔方陣が現れる。そこからとてつもない突風が巻き起こり、魔王を怯ませた。


「ぐぅぅぅ!うがぁぁ!舐めよって!!これが魔王の力だ」

奴は手を天井に向けて魔力を溜めている。

「─っ!危ない!!」

私はみんなの前に立ち、呪文を詠唱する。

「『悪しき力から我らを守る盾を作りたまえ、テール』」

そうすると私たちの周りに透明のシールドが出来る。


「あの方…詠唱なしであんなに魔力を溜めることができるのですか?」

リリィは訝しげに奴を見る。

「あいつは魔王だからね。何でもアリなんだよ。…...それより」

私はみんなの方を見た。

「手伝って欲しいんだけど…」


***************************************


奴の頭上にはどす黒い大きな玉ができていた。

「ぐぉぉぉ…はぁ!!食らえ!」

ブンっと

力任せに私たちの方へその玉を投げた。

その玉は一直線にこっちに向かってくる。


ドゴォ!と、勢いよく私の張ったシールドにぶつかる。

「くぅぅ……凄い勢い…」

このままじゃ、シールドが壊れるのも時間の問題だ。


「みんな!!お願い!」

「おう!」

「ですわ!」

「うん!」


みんなの返事を聞きながら私は渾身の力を込めてどす黒い玉を上に打ち上げた。

「く…あぁぁぁぁ!」

バァン!と玉は天井に打ち上げられた。

天井に大きな穴を開けながら玉はそのまま一直線に飛んで行く。


よっし、成功!シールド壊れたけど。


「ほぉ、やるじゃないか」


「でしょう?まだまだこれからだけどね!」


特殊ステータス: 天からの聖書 発動


私は目を閉じた。

頭に文字…いや、呪文が浮かび上がる。さながら本を読んでいるかのようだ。


「『我が名はセレナ・クラウン・テナーシェ。

我は火、水、土、風、木の属性の頂点に君臨する光を持つもの…』」

この魔法は呪文がとてつもなく長い。

そのため、スキだらけになってしまう。

私は詠唱を続けながら、さっきの会話を思い出した。


「私は何とかして、あのでっかい玉を消す。その後、あいつを倒す魔法を使いたいんだけど……呪文がめっちゃ長いんだよ」

3人はフンフンと聞いている。

「それで、詠唱中私はスキだらけになっちゃうから…」

「あいつを引きつけておけって事か?」

「……うん、でも3人に迷惑かけ「分かりましたわ」

リリィは私の言葉を遮って言った。

「ふぇ?」

「ですから、引きつけておくのでしょう?いいですわ。ねぇ?お二人とも?」

「うん!」

「おうよ。…今更迷惑とか言ってんじゃねぇよ。今まで散々迷惑かけてたくせに」

ははっとルカは笑う。

私ポカーン(゜o゜;

「しかし、条件がある!!」

「へ!?」

「さっき言ってた前世のこと!もっと詳しく、包み隠さずいう事!分かったか?」

「……うん」


私は、いい仲間を持ったなぁ。

そんな事を思いながら、詠唱を続ける。

「『悪しき力を持つものを倒すための力を我は望む。我は神々に誓い、自らの命を差し出そう。その命を源に、魔法を作りたまえ。我が望むのは

【王者の絶対魔法】』」

よし、詠唱終わり!


この魔法は、威力は絶大だが、その代わり自らの命そのものを差し出さなくてはならない。


要するに、私は死ぬ。


その位しないと、奴は倒せない。現に、3人がかりで攻撃してもほぼ無傷。

恐ろしい奴だよ。全く。

ちなみに3人には私が死ぬことを伝えていない。

だって絶対止められるもん。

それに…

私自身、死ぬのが怖いから。

…あーあ、最後に無事な姿のダーリン見たかったなぁ。

まぁいっか。


「みんな!離れて!!」

…さすがエリート達。

私が離れてといったら直ぐに離れた。


特殊ステータス: 王者の絶対魔法

発動


私の足元から複雑な魔方陣が現れる。そして、その魔方陣が白く輝き、私の身長の3倍はある金色の剣が現れた。

柄をガッと掴み、両手で持ち上げる。

……結構軽い。

やすやすと持ち上げられた。

ふと、3人を見ると呆気に取られたようにその剣を見ている。


魔王は…と言うと、

恐らくリリィが放ったてあろう魔方陣の上でもがいている。

「動けん‼き、貴様!何をする気だ!?」

「…誰が教えるか、

バーーーーーーーーーーカ!!!

食らえ!」


私は思いっきり剣を振り下ろした。




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