窓際の不思議な彼-part2-男の友情
窓際にいる不思議な彼
彼に悩みを話すと解決するという噂が・・・
「〇〇学校の〇〇クラスの」
「窓際にいる不思議な彼に」
「困っていることを話すと」
「解決するらしいよ」
「解決できた人を知ってる」
「ただのデマだよ」
「誰なの?」
「その学校の生徒らしい」
「その学校の生徒じゃないって聞いた」
「先生らしいよ」
「部外者だって」
「すごいイケメンだって」
「すごい可愛い女の子だよ」
「汚いおじさん・・・」
「優しいおばあちゃん」
「近所の悪ガキ」
「赤ちゃん・・・」
「印象にも残らない普通の人」
「彼は学校だけにいる訳じゃない」
街の様々な所でそんな噂の話がされている。
■男の友情
「あのー・・・」
「もしかして・・・」
「窓際の彼さん・・・ですか?」
「あ、僕は〇〇と言います」
「小学6年生です」
「噂を聞いて・・・」
「え?噂を知らない?」
「そうですか・・・」
「すいません。勘違いでした」
「え?」
「いえ、いただけません」
「でも・・・いえ、別に怪しんだりは・・・」
「周りに人もいますし・・・」
「分かりました。ではジュースをいただきます」
「飲み終わるまでお話を?」
「分かりました」
「実は仲の良い友達が今度引っ越すんです」
「みんなで寄せ書きを書いたりして・・・」
「でも、僕はなんて書いたらいいか分からなくて」
「その子がいなくなるっていうのが分からなくて」
「仲が良いのに、いつも一緒に遊んでたのに・・・」
「その子に何を言って、何を書くべきか分からないんです」
「僕、その子がいなくなったら・・・」
「友達、いなくなっちゃう・・・」
「その子に忘れてほしくないんです・・・」
「ずっと一緒に遊んでたい・・・」
「あっ、ジュース無くなりました」
「ごちそうさまです」
「ありがとうございました」
「僕、話したらすっきりしました」
「引っ越すまで、ずっと遊んだり、話してみます」
「さようなら」
「父さん、おかえりなさい」
「え?僕に?」
「プレゼント?」
「なんで?」
「お母さんから?」
「なになに?何を聞いたの?」
「え?内緒?」
「開けて良い?」
「あっ・・・」
「これ・・・」
「〇〇ー、ねえ、携帯の番号、教えて!」
「うん。実はね、昨日もらったんだ!」
「今日だけ学校に持って行って良いって」
「〇〇の番号を聞いて来いって」
「昨日?○○のお母さんとうちのお母さんが?」
「仲良いもんね。いっつもお喋りしてるし」
「え?○○のお母さん、泣いてたの?」
「多分?ふーん、寂しいのかな、○○のお母さんも」
「・・・僕も、僕も寂しいんだ・・・」
「○○と離れるの・・・本当は嫌なんだ」
「でも、これでいつでも話せるね!」
「え?またこっちに遊びに来る?」
「うん。なら、僕も遊びに行く!」
「〇〇に会いに行くよ!」
「あ!こんにちは!」
「お兄さんのおかげで悩みが解決しました」
「え?なにもしてない?」
「でも、話を聞いてもらえました!」
「ほら。○○。このお兄さんが僕の悩みを」
「え?そうなの?」
「○○のお母さんと前に話してたの?」
「ふーん。ほら。行こう!」
「まだまだ行くところがたくさんあるよ!」
「僕の新しい友達を○○にも紹介するよ!」
「じゃあね。お兄さん!」
連載となります。
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