窓際の不思議な彼-part19-はじめまして
窓際にいる不思議な彼
彼に悩みを話すと解決するという噂が・・・
■はじめまして
「お父さん!」
「お母さん!」
「準備、大丈夫?」
「うん。まだだけど・・・」
「近くに来たら」
「連絡するようには言ってあるけど・・・」
「急に来られても大丈夫なようにしておいてよ」
「部屋は、良し。綺麗!」
「家の中も・・・良し!」
「お父さん!もっとネクタイしっかり締めて!」
「お母さんは・・・まあ、いいわ」
「彼と彼の家族がとても遠いところから来るんだから」
「え?カッカするな?したくないわよ!」
「もう!2人とも緊張感が無いんだから・・・」
「え?いいの!」
「親戚の人・・・っていうか」
「みんな周りに住んでるじゃない!」
「いつでも会えるんだから」
「今日は家族同士だけでの話で良いの!」
「そうそう!ネクタイOKね!」
「あとは・・・家の前!」
「もう少し掃いておきましょう」
「あ!そうだ。食事!」
「どう?お母さん?」
「待って!私も味見する」
「・・・うん。うん」
「ありがとう。これなら、大丈夫だと思う」
「あと、寝室・・・」
「うん。大丈夫・・・だと思う」
「あとは・・・」
「これは・・・」
「それは・・・」
「え?もう落ち着けって?」
「うん・・・」
「ねえ、私、ちゃんとお化粧できてる?」
「ちゃんと・・・綺麗かな?」
「うん。ありがとう・・・」
「ちょっと、部屋で、練習してくる・・・」
「うん。ギリギリまで・・・」
「ちゃんと言えるように・・・」
「練習する・・・」
「きた!」
「連絡がきたわ!」
「うん。うん」
「こっちは大丈夫」
「それより、そっちが心配」
「長旅で疲れてるでしょ?」
「ごめんなさい。本当に遠いところを・・・」
「うん。ありがとう」
「え?うん。お父さんもお母さんも呑気よ」
「いつもと変わらず」
「こっちの方はみんな呑気だから」
「ふふ。うん。待ってる」
「また、連絡して」
「うん。本当に、気を付けて」
「ふう。まだ、まだよ」
「まだ来ないわ」
「うん。多分、あと数時間は掛かる」
「あの街を経由してくるだろうから・・・」
「うん。そのくらい・・・」
「お父さん。お母さん」
「ありがとう」
「だって・・・」
「彼との結婚に賛成してくれて・・・」
「最初は、やっぱり、反対だったでしょ?」
「うん。私だって、結婚するとは思ってなかった」
「・・・」
「だって、彼のことを考えたら・・・」
「一緒にいられると思わないじゃない・・・」
「うん。周りの人も説得してくれたんでしょ?」
「うん。本当に、感謝してる」
「幸せよ!もちろん!」
「これからも、きっと、ずっと・・・」
「ええ。この前、彼から連絡がきて・・・」
「彼の家族が会いに来てくれるって聞いた時・・・」
「泣いちゃったもん・・・」
「だって、彼は・・・」
「帰って来ないっていう選択肢もあったでしょ?」
「うん。そんな考え方をしていた自分が・・・」
「とても恥ずかしかった・・・」
「うん。今は・・・でも」
「少し、心配・・・」
「彼の両親が、私達のことをどう思っているか・・・」
「もしかしたら、彼と別れてくれって話かもしれない」
「ああ。やだ。もう!」
「そんな訳ないのに・・・」
「わざわざ、来てくれるのに」
「うん。彼の両親は・・・」
「お祝いに来てくれるって・・・」
「彼が言ってた・・・」
「きた!」
「もしもし?」
「うん。うん」
「お疲れ様。ご両親は大丈夫?」
「そう・・・そうよね・・・」
「疲れるのも無理ないわ・・・」
「ごめんなさい・・・」
「うん。謝るようなことじゃないけど・・・」
「だって、私にとっても・・・」
「もう、大事な人達だもの・・・」
「うん。ゆっくりで良いから・・・」
「無事に・・・」
「無事に着いてくれれば良いから・・・」
「うん。そろそろだね・・・」
「ふう。緊張する・・・」
「お父さん。お母さん」
「もう一回、練習に付き合って!」
「できるだけ、完璧に言いたいの!」
「来られた!」
「お父さん!お母さん!」
「到着されたわよ!」
「ふう。良し!」
「大丈夫!」
目の前の彼のご両親の前で、
私はずっと練習してきた言葉を話した。
「ハジメマシテ!」
「コンニチハ!」
「ニホンゴ、スコシ、ベンキョ、シマシタ」
「ヨロシク、オネガイ、シマス」
連載となります。
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