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窓際の不思議な彼-part12-自分の道

窓際にいる不思議な彼

彼に悩みを話すと解決するという噂が・・・

「〇〇学校の〇〇クラスの」

「窓際にいる不思議な彼に」

「困っていることを話すと」

「解決するらしいよ」

「解決できた人を知ってる」

「ただのデマだよ」

「誰なの?」

「その学校の生徒らしい」

「その学校の生徒じゃないって聞いた」

「先生らしいよ」

「部外者だって」

「すごいイケメンだって」

「すごい可愛い女の子だよ」

「汚いおじさん・・・」

「優しいおばあちゃん」

「近所の悪ガキ」

「赤ちゃん・・・」

「彼は学校だけにいる訳じゃない」

「パッと見で雰囲気が違うのが分かるって」

「自分から話したくなるんだって」

「彼は実在した」

「噓くせー」

「最近、また噂を聞かなくなったね」

街の様々な所でそんな噂の話がされている。


■自分の道

「ああ・・・うん」

「うん・・・」

「多分ね・・・」

「まだ分からないけど」

「うん。もしかしたらそっちに帰れるかも」

「あんまり期待はしないで」



「はあー。実家か・・・」

「もう何年も帰ってないな・・・」

「高校卒業してすぐだもんな・・・」

「卒業まであと1年ちょっとか・・・」

「俺、何になるんだろうな・・・」



「おう。おはよう」

「今日のゼミ、ダルっ」

「サボりてー」

「とりあえず、一服しようぜ」

「なあ、お前卒業後は就職?」

「ああ、そりゃそうか」

「みんなどっかの会社に入るんだよなー」

「なんか実感無くね?」

「あーあ、なにもしないでお金くれないかなー」

「な?そう思うよな?」

「うわ。つまんな。その反応」

「つか、早い奴だともう就活の準備して」

「企業に面接とか行くんだろ?」

「は!?お前も準備してんの?」

「言えよ!俺も準備しなきゃヤバイじゃん」

「単位?マジでギリ!」

「やっぱ大学生ってありえないくらい忙しくね?」

「就活、単位、ゼミ、卒論とか」

「ありえなくね?」

「マジでダルい」



「おっ。こんちは。よく窓際に座ってるよね?」

「同じゼミ同士、よろしく!」

「ねえ、もう就活の準備ってしてる?」

「え。マジ?俺、マジでヤバいかも・・・」

「はあ!?卒論も書き始めてんの?」

「・・・神」

「ねえ、今日さ、ゼミ終わった後に話せない?」

「いろいろと教えてほしいんだけど」



「お疲れー。乾杯ー」

「はは。マジで疲れたねー」

「え?メモ?」

「ああ。分かった。酔っぱらう前にね?」

「ちょっと待って・・・」

「うん。うん・・・」

「OK・・・」

「じゃあまずはそれを準備して・・・」

「うん。うん」

「マジでありがとう・・・」

「いやー。良かった。ちょっとは道が見えてきたー」

「感謝!」

「え?うん。ずっと一人暮らし」

「はは。彼女?」

「うーん・・・秘密!」

「嘘、嘘!」

「いた時もあるけど、すぐ分かれちゃう」

「そっちは?モテるでしょ?」

「秘密?なんでだよー。もー」

「そういえば、もう自分が何になるか決めてんの?」

「は?マジ?」

「スゴイじゃん・・・」

「もう決まってるとかヤバイって・・・」

「え?今やってるバイトから、そのまま?」

「いや、それでも凄いでしょ!」

「関係なくない?今時、社員からじゃなくても」

「うん。充分だって!俺からしたら神だから!」

「俺?もう泣きたいよ!マジで・・・」

「自分が何になるか決めてる奴は本当に尊敬!」

「俺、自分が何をやりたいかとか」

「自分が何になるかなんてイメージ無いもん!」

「ホントヤベー。どうしよ・・・」

「え?バイト?してるけど、コンビニだよ?」

「いやー、ないない」

「コンビニが嫌とかじゃなくて、イメージできない」

「自分が長く働ける気がしないもん」

「うーん。趣味かー・・・」

「漫画とか動画を見るのは好きだけど・・・」

「動画投稿者?いやー、見るの専門かな」

「え?親?」

「うーん。父親は今は教師だね」

「母親はずっと掃除の仕事してる」

「え?うーん。教師か掃除か?」

「うーん。イメージできん」

「え?なにならイメージできるか?」

「・・・たしかに。いや、自分でも気付いてんだ」

「結局、ずっと言い訳ばっかしてるって・・・」

「ふう。駄目だ。全然飲む気が起きない・・・」

「なにか・・・俺に接点のあるもの・・・」

「なにか・・・俺が好きだと思えるもの・・・」

「あ・・・あるかも・・・」

「うん。本の校正・・・」

「高校の同級生で、物書きになるって奴がいて」

「そいつが何故か俺に自分の本の校正を頼んできた」

「超親友って訳じゃないけど・・・」

「俺を頼ってくれたんだ。なんか嬉しくて」

「そうそう。辞書とか久しぶりに開いたり」

「ネットで調べたり・・・」

「楽しかったっていう記憶は無いけど・・・」

「夢中になってたと思う・・・」

「すっかり忘れてた・・・」

「かなりの量の文章をチェックした・・・」

「俺、漫画以外はほとんど読まないから・・・」

「今からでも、その道に進めるかな?」

「ホント?いいの?紹介してくれるの?」

「うん。本気。本気でやるよ」

「ありがとう・・・」

「ホントに・・・ありがとう・・・」



「ああ、母さん?」

「うん。そっちに帰るよ」

「うん。ちょっとだけね」

「またすぐこっちに戻るけど・・・」

「え?なに?」

「本?」

「誰から?」

「・・・あいつ・・・」

「本当に作家になったのか・・・」

「はは。うん。大事に取っておいて」

「帰ったらすぐ読みたいんだ」

「うん。ああ、そうだ」

「俺ね、最高の友達ができたんだ」

「うん。そいつのおかげで・・・」

「自分の道が・・・」

連載となります。

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