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一話 出会い

 これは罰なのだろう僕が世界の摂理に逆らったから、僕が最愛の人を助ける為に世界の矛盾を作ってしまったから、だから彼女のことを忘れることも出来ず永遠に彼女を求め続ける、もしもなんて願わなければ、すべてを受け入れられたなら。


 休憩がてら散歩しいていたら、いつの間にか結構な距離を歩いたらしく浜辺に着いた。

 今日は八月九日だが海に入ってる人は愚かこの場に居る人は少ない、今は午後十時そんな時間に海で泳いでいるような奴がいる訳が無い。そんな時間に砂浜を適当に歩いていたら一人の女性に視線を釘付けにされた、一瞬天使かと思えるほどに美しい女性だった、神々しささえも感じられる金髪を腰まで伸ばしており、白色のワンピースを身にまとっている女性、創作物の様に美しい女性だった、外国人だろうか、そんなこと考えたところでナンパなんてする勇気もなければ年齢的にも門前払い食らう、だから一生縁の無い人だろう、でもなぜだろう懐かしさを感じた、絶対に僕にかかわりのある人ではない筈なのに。

 景色でも見ているのだろうか。

 女性は振り向き何処かへ行こうとしたのだろう、だが僕を見るや否やこっちに歩いてきた。

「君こんな遅い時間に出歩いていて大丈夫なの?」

 何かと思ったが心配してくれていたらしい。

「はい大丈夫です」

「本当に?帰れなくなったとかじゃなく?」

「勉強の息抜きで散歩しているだけです」

「それならいいが」

 なんかこのまま話を終わらせるのは名残惜しい気がする、適当に話を広げてみよう。

「貴方は何していたんですか?」

「私は暇だったから散歩してたら中々良い景色だったから、少し見ていた、私には沢山時間があってな」

 時間が沢山か最近何かで聞いたFIREとか言うやつかな。

「勉強の息抜きと言ってたな、良ければ教えようか?」

 断るのは気が引ける、本人からの提案だ迷惑という事もないのだろう。

「お願いします」

「じゃあ今日は無理だから明日になるけど、どうする?」

「貴方の都合で良いですよ、あと名前を知らないのは不便ですね、僕の名前は三浦優輝です」

「私はアリーチェ、見た目で分かっているだろうけど、私は日本生まれじゃないイタリア生まれイタリア育ち、呼び方は何でも良いよ」

 外国育ちで見た限り相当若いのに日本語が流暢すぎると思うが相当努力したのだろう。

「じゃあ明日の日が落ちた頃にこの場所でいいか?」

「それで大丈夫です」

「急に話が変わるが君にとっての人間は何だ?適当な心理テストとでも思ってくれ」

 本当に突拍子もなく話は変わった、僕にとっての人間。

「考えた事無かった」

 数秒の思考を終え、とある結論に行きついた。

「理由を無しに愛することは人間しか出来ないんじゃないかな、動物は子孫を残すために求愛行動をするけど人間が愛する理由は子孫を残したいからではないし」

「ありがとう、いい話を聞けた、どうする、もうそろそろ帰る?」

 そろそろ帰らないと親が帰ってくるかもしれないし帰るべきか。

「そろそろ親も帰ってくるので、そうします」

「暗くて危ないから送ってくよ」

「ありがとうございます」

 家に帰る途中も駄弁っていた。

「そう言えば親が夜遅く帰ってくると言っていたな、ご飯はどうしてるんだ?」

「日曜日は親が休みだから親が作ってくれますが日曜以外は自炊してます」

「食べる時は、一人か?」

「そうなります」

「今度食事を振る舞うよ、一緒に食べよう」

 母親以外の手料理は食べたことが無いのでこれはうれしいお誘いだ。

「お願いします」

 アリーチェさんが振り返り笑顔で言う。

「約束だぞ」

 可愛い、そう思えば思うほど自分の鼓動が速くなるのを感じる。

「はい絶対に」

 そんな感じで話していたらいつの間にか家の近くに来ていた、こんな時間が永遠に続けばと思うが無理なものは無理だ。

「ここまでで大丈夫です後、数分歩いたら家に着きますから」

「そうかじゃあまた明日、おやすみ」

「今日はありがとうございました、おやすみ」

 アリーチェさんがさっき歩いた道を歩き始める。

 家に着き、今日も疲れたので、寝ようとベットに入るがなかなか寝付けない、アリーチェさんの事を思い出すと胸が高鳴ってしまう、もしかしたらいやもしかしなくても惚れたのだろう。

 布団にうずくまっているといつの間にか眠りについていた。

 今日の日の入りは六時半くらいらしい、それくらいにあの砂浜に行けばいいのだろう。

 特にすることもなく、だらだらゲームをしていたらいつの間にか六時になっていた。

 空腹感はさほど無いから食事はとらなくても大丈夫だろう。

 勉強するとしか聞いていないが取り合えず全教科の教科書を持っていくか。

 鞄に勉強するための道具を入れて家を出る。

 昨日は散歩をするのが目的だったから徒歩だが今日は自転車で行くことにした。

 家を出て自転車に跨る、自転車はママチャリとか言われる奴だ。

 自転車で向かうと十分程度掛かかり、砂浜に着いた時には日は落ちきっていた。

 アリーチェさんを見つけるのは容易だった。

 何分待っていたのかは分からないがとりあえず謝ることにした。

「すみません、待たせてしまって」

「大丈夫、私もさっき来たところだから、じゃあ早速始めるか」

 街灯の近いところに座り、砂浜をノートと黒板のように使い教科書の内容を懇切丁寧に教えてくれた。

 学校の教師とは条件が違うので比べるのは難しいがすごくわかりやすかった。

「今日はこれくらいでいいんじゃない?」

「分かりました」

「雑談に付き合ってくれないか?」

「大丈夫ですよ」

「学校は楽しい?」

 人と関わることに関しては受け身なのと趣味の合う人が全然いないのが重なり友達と呼べるような関係の人は殆どいない、故に学校は勉強をする場所にしかなりえないのでそんなに楽しいとは思えない。

「そんなにです」

 何かを察するように、何かに配慮するようにアリーチェさんは返事をした。

「そうか、実は私は学校行けてなかったんだよね、だから少し、いやだいぶ優輝が羨ましいよ」

 学校に行けなかったか、掘り返すようなことじゃないだろう。

「アリーチェさんの居たイタリアはどんなところだったんですか」

「イタリアか、、、」

 沈黙が生まれ踏み入ってはいけない領域に入ってしまったのを悟には時間を要さなかった。

「答えたくないなら大丈夫です、よく考えずに質問してしまった僕が悪かったんです」

 アリーチェさんの表情が和らいだ。

「優輝は優しいな、大丈夫答えたくない訳じゃなく、思い出していただけだ、私の一家は各地を 転々とする転勤族でな近所付き合いも無くて友達なんて殆ど出来なかったからイタリアの事はそんなに知らないんだ、それに十年程度前のことになるし忘れていることも多い」

「明日どうしますか?」

「さすがにここじゃあやりにくいよね」

 次勉強するなら僕の家かアリーチェさんの家になるだろう、とりあえず提案しておこう。

「そうですね、僕の家でやりますか?」

「優輝が良いならそれでいいけど」

「じゃあ明日僕の家で」

「何時に行けばいい?」

 親は大体八時に家を出るから九時くらいで良いか。

「朝の九時以降なら何時でも」

「九時半くらい着くようにするね、今日は帰ろうか」

「はい」

 昨日と何か変わったことと言えば自転車で二人乗りをして帰ったこと程度だろう、この時間がずっと続けば良いと思ったが、時間というのは無慈悲な概念でアリーチェさんと過ごした時間はあっという間に過ぎていった。

「ここが僕の家です」

 普通の広さの一軒家、片親だがお母さんが言うにはお父さんの遺産でそこそこの貯蓄があるらしい、この家も遺産らしい。

「分かった明日この家に来たら良いんだな、じゃあまた明日、お休み」

「おやすみなさい」

 アリーチェさんと別れた後は風呂に入ったり、必要な事をやって寝ようと思ったがなかなか寝れず結局寝たのは深夜の三時程度になってしまった。

一年くらい前に投稿した世界を敵に回してもの修正版です。

二話もすぐ出すので一話で面白かったもしくは続きが気になると思ってくださった方は是非読んでください

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