優しい君とバカな僕
僕は目を開かない
景色がどれほど美しくとも
僕は目を開けない
傷つくことが怖いから
懐かしい歌がきこえてきた 愛しい君の声がした
君の姿を見たいと願い 気づけば瞼はあいていた
瞼は涙の蓋だった 瞼は心の鎧だった
あの子の歌は止んでいて
あの子のいない世界を見た
哀しくて 苦しくて 寂しくて
涙が溢れてくる中で
胸が張り裂けそうなほど 優しい世界を僕は見た
空はとても穏やかで 小鳥が歌を唄っている
美しい景色を僕は見た
僕は時々目を瞑り
おどけた君を思い出す
「ありがとう」とつぶやきながら
あの日の君を思い出す