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【完結】王女と変態騎士と暗殺者  作者: 瓊紗(旧夕凪.com)
推しとの出会い編

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6/21

王女と推しと再会



―――私がその後ジオさまと再会したのは、その1年後の13歳の時だった。はぁはぁ、な、長かったぁ。

毎日ジオさまの図を見返して、何とかジオさまパワーを摂取してきたこの1年間。ルシウスは約束通りジオさまの図を定期的に持ってきてくれた。1年間、それと天使な弟・セシルとルカくんの図で何とか生き延びた。


そして、ルシウスに付き添われてやってきた15歳になったジオさまは背も伸びており、大人っぽさがプラスされていた。あと、執事服を着こなしている。


「ルシウス、これってどういうこと?」

「ん?教育の賜物」

全く以って良くわからないのだけど。

教育って、行儀見習い的なものだったのかな。


「今日からマリアについて、姫さまの身の回りの世話をしますので」

「え?そうなの?あ、ありがと」

ルシウスがそう告げると、マリアがこちらを見て微笑んでくれる。そしてその後ルシウスに軽蔑の視線を向けることも欠かさない。

しかしながら、ジオさまは私をじっと見つめたまま、ひと言も発しない。えっと、イケメンにじっと見つめられたらちょっと照れちゃうな。

でも、何でずっとしゃべらず、表情も変えないのかな。


―――ま、まさかとは思うけど。


「ちょっとルシウス、やっぱりジオさまに何か妙な教育をしたんじゃ!?」

「いや、さすがに他人にショタコンを強制したりはしないですよ?」

そう言うことじゃねーよっ!まぁ、ルシウスは他者の趣味には寛容である。ドMの料理長や熟女好きの侍従長ともとっても仲良しである。

私はルシウスを騎士にしたことで、城のみんなの秘められた性癖にまで詳しくなってしまった。そして私は彼らの中でもマニアックな部類と位置付けられている。―――せぬっ!!


「と、とにかく!これからよろしくね。ジオさま!」

「―――はい、姫さま」

ジオさまは私にぺこりと頭を下げた。でも、表情は無表情のままである。でもいい声。まだ声変わり前なのだろうけど、いい声である。


「姫さま、恐れながらよろしいでしょうか」

「なぁに?マリア」

不意に、マリアが声を上げる。


「このものはこれから姫さまに仕える立場。“さま”は不要にございます」

「そ、そうだった」

しまった。ジオさま連呼しすぎて王女らしさがおろそかになっていた。もちろんダメ王女にはなりたくないので、勉強も人一倍頑張ってるけども。


「あの、“ジオ”と呼んでいい?」

私がジオを見つめて問えば。ジオはコクリと頷いた。


「私は普段、近しい立場のものからは“姫さま”って呼ばれるわね。でも、“イェリン”と呼んでくれたらすっごく嬉しいわ!」

「姫さま」

「ま、マリア」

ちょっと推しにぐいぐい言ってみたら、すかさずマリアに注意されてしまった。ふぐぐっ。


「―――イェリン、さま」

え?今、ジオさま、いやいやジオが私を“イェリンさま”と?

名前で、呼んでくれたの?


元々は私に刃を突き立ててきたジオ。けれど何故かルシウスの謎の矯正プログラムを受けて、執事の格好をしてここにいる。

そして全くしゃべらず無表情だったから、もしかして私、嫌われてる?とかついつい不安になってしまったのだが。


しかし、再会しての第一声が、まさかのまさかの。


私の名前えええぇぇぇ―――――っっ!!!


「あぁ、推しが、尊、―――い」

私はふらりと崩れ落ち、マリアの悲鳴と共にマリアの腕に身をゆだねた。


あぁ、ジオが、私と一緒にいてくれる。何て素晴らしい日々。


ベッドに寝かせられ、うっすらとまぶたを開けばすぐ傍にジオの顔があった。


「じ、お、さま」

あ、また“さま”付けちゃった。長年の、いや前世からの癖はなかなか抜けないかも。

あはは、またマリアに怒られちゃうな。


「イェリンさま」

また、ジオが私の名前を呼んでくれてる?


それとも、夢かなぁ。バッドエンドだらけの私に女神さまが与えてくれた幸せな、夢。


「イェリンさま。俺は、あなたが―――」


ジオ?後半がよく聞こえないけど。


けれどジオが私の手を両手で包んでくれた気がして、とても温かい気持ちになった。



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