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カレンの願い 6

 ミクリ達を取り囲む者達……。


 カタギリによって操られたその者達は釘バットやアングル材、鉄パイプ等を振り回しながらミクリに襲い掛かります。


 それを華麗な身のこなしで捌いていくミクリ。


 しかし。


 疲労から、徐々にミクリの動きは鈍くなっていきます。


 正直言ってしまえば、息の根を止める方が簡単なのですが……。


 カレンとの約束がある為、加減をしないといけません。


 ミクリには少々分が悪い状況です。



 その時。


 ミクリの脳内に声が響きます。


「ミクリ、あなたはまた寄り道をしているのですか? たかが買い出しで一体どれだけ時間を費やすつもりですか?」


 メイド長からのテレパシーです。


「あっ! メイド長、丁度いい所にー! 助けてー! いま私、大ピンチなんですー!」


「何があったか簡潔に説明なさい」


「ええー! 読み取ってくれないんですか!?」


「極力読み取りたくないから説明を求めているのです」



 仕方ないのでミクリは襲い掛かってくる集団と戦いながら、脳内でメイド長へ状況を説明します。



 ウィザードを接種したと思われる者からの攻撃を受けていること。


 蜘蛛の洗脳陣で操られている者達を相手にしていること。


 カレンから人を殺すなと指示があったこと。


 等々を伝えました。



 メイド長は溜息を吐くと。


「まったく……。勉強不足ですよミクリ」


「洗脳のたぐいは専門外なんです! むしろ浅い知識を知っていただけでも褒めて下さいよ!」


「仕方ありませんね。ではヒントを差し上げましょう」


 こういう時、上司というものはどうして頑なに答えを教えようとしないのか……。


 ミクリはそう感じることが多々あります。


「それはあなたの為ですよミクリ。すぐ答えを聞いてしまっては考える能力が養われずに……」


「メイド長! それ今言わないといけない話なんですか!? もう体力が限界間近なんですー!」


 必死な部下の物言いに思わずハッとするメイド長。


「いつもの癖でつい……。ミクリ、洗脳魔法とは押し売りと同義なのですよ」



 洗脳魔法の基礎は次の3つから成り立ちます。


 1.相手の精神へアクセスする。


 2.相手の精神へ魔力を流し込む。


 3.相手は洗脳されることを無意識に承諾してしまう。



 それを聞いたミクリ。


「そんなの押し売りじゃないですか!」


「だからそう言っていますよね。では、あなたの元へ押し売りがやって来たらどうしますか?」


「そんなの突っ返すに決まって……!!」


 ミクリは洗脳魔法の対処方法に気付いたようです。


 しかし、ミクリが真に倒すべき相手……カタギリとの距離は未だ遠く。


 相手の精神へアクセスする隙がありません。



 必死に周囲を薙ぎ倒しながらも思考を巡らせるミクリへ、メイド長は更なる助言を与えます。


「あなたの事ですから、大ピンチと言っておきながらも持ち堪えているのでしょう。だとしたら相手は如何なる手段を用いてでもあなたを洗脳しようとしてくるハズです。そこを利用なさい」


「なるほど!」


「ですがミクリ、くれぐれも言っておきますけど。カレンお嬢様を人質に取られるなんて馬鹿な事だけにはならないよう……」


 その時。


「そこのクソ女ぁああああ! こっちを見ろぉおおおお!!」


 遠くにいるカタギリが怒声を響かせました。


「――ッ!?」


 ミクリは驚愕します。


「キャー! ミクリ助けてー!!」


 上半身を縛られ、カタギリからナイフを突きつけられているカレンの姿。


 ミクリは思いました。


 拝啓、メイド長様。この度カレンお嬢様を人質に取られてしまいました。


 それを読み取ったメイド長。


「このお馬鹿ー! 早くなんとかしなさい!!」

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