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ミクリはペテン師 エピローグ

 メイド長は冷静な口調で言います。


「カレンお嬢様が幼稚園で暴れたそうですね。それも理由はあなたのせいだったとか」


 ミクリは照れながら返答します。


「いやあ、人気者ってこれだからつらいですね」


「笑いごとじゃないですよ。あなた状況を分かってますか? 本当にあなたはどうしてこういつもいつも問題ばっかり起こして…………。いや、今日はこの辺で止めておきましょう」


 しかし突然終わりを告げた今日のお説教タイム。


 また今日も上司の長話に付き合わないといけないのかと身構えていたミクリ。


 思わず拍子抜けしました。


「あれ、どうしたんですか今日は?」


「どうやら今回は全部が全部あなたのせいではなさそうなので……。ここはカレンお嬢様に免じてこれくらいにしておきましょう」


「ヨッシャ!!」


「ってそこ、露骨に喜ぶな! まあ、いいでしょう。私の方でも裏を取りましたがカレンお嬢様を笑い物にした者達がいたそうですね。そしてその全てが格下の相手だった事も分かっています。それも遥かに劣る」


 そしてメイド長は両手をパンッと合わせると、にっこり微笑みます。 


「あ、そうだ! ここにとーっても甘いお菓子が沢山あるのですが持っていきますか?」


 そう言って指差す先には、天井まで届きそうなほど積み重なった菓子折りの山。


「ああ、そう言えばさっきからこれ何かなあって思っていたんですけど。まさか……」


「つい先ほど、とーっても仲のいいお友達から頂いたんです。一人では食べきれないので遠慮なくどうぞ」


「じゃ、じゃあお言葉に甘えて……」


 ミクリは目線の高さの箱をそーっと引き抜くと。


「このひと箱だけ貰っちゃおうかな~」


 そそくさと退散しました。



 ◇ ◇ ◇



 廊下に出たミクリは手に持っていた菓子折りを改めて見つめます。


 そして思わず身震いすると。


「くわばらくわばら」


 そう唱えずにはいられないのでした。

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