閑話 魔の森開拓日記 1
休みって良いですね、ノンビリ趣味に没頭出来ますよ(笑)
屋敷から200メートル程の場所に盆地の入口兼屋敷の門が設えてある。
幅5メートル、高さ5メートルのアーチ型の門で、この場所以外から侵入するなら山越えをしなければならない。
例え山越えを果たしても害意を持つ者を弾き出す結界が盆地の中心から半径2キロの円上に張り巡らされている。
こいつの設置には有に2年もの時間を掛けた自信作だ。
この世界には地球では伝説上にしか存在しないオリハルコン、ミスリル、ヒヒイロカネ等が存在していて、盆地の真北に位置する場所にあるダンジョン内から産出出来た。
何より驚愕したのが、この世界特有の鉱物が存在していた事だろう。
"クリスタルメタル"透明度の高い金属で、最初は水晶か硝子の結晶体かと思った程だ。
鑑定してみると金属である事が判明。
ただ問題もあった、硬いのである………。
押しても叩いても折れず、魔法にも耐性があるのか火魔法でも全く溶ける事も無い。
火、土、水、風の魔法を試したが、ビクともしなかった。
途方に暮れながら"世界方陣錬金術大全"で何か方法が無いか探していたら、一筋の光明がみえた。
"錬成陣"色々と種類があるらしく、閲覧した途端に頭の中にその知識が流れ込んできた。
特に金属加工に適した魔法陣があり、早速試した処見事に根元から切り離す事が出来た。
可能な限り持ち帰り色々実験してみた。
他にもミスリルや少量ながらオリハルコンも産出出来て持ち帰っている。
そして、解ったのが以下の通り。
ミスリル 魔力の通りが良くて柔軟性がある。
オリハルコン 魔力の通りは悪いが、思念に感応し易く非常に硬い。
クリスタルメタル 硬度はオリハルコンと同等、但し、ミスリルから受け取った魔力を増幅する効果あり。
これを発見した時は小躍りしながら創作の夢が広がった物だ。
後で解ったのだけども、あくまで増幅するのは魔力だけ、属性に変換する事が出来なかったのだ。
魔力を増幅してただ垂れ流すだけで、火にも水にも風にもならずにただ魔力が吹き出るだけって………。
床に四つん這いで項垂れていたら閃いた。
ならば、その吹き出て来た魔力を変換すれば良いのではないかと。
試行錯誤の末にたどり着いたのが、クリスタルメタルの表面に変換の魔法陣を直接彫り込み、そこにオリハルコンを流し込む方法だ。
結果は成功、燭台程の大きさの装置で半径3メートルの結界を張ることが出来た。
これを元に盆地一帯に結界を張る計画を建て、装置の大型化大規模結界装置を作り始めた。
完成すれば安心して寝られる環境と魔物や動物に荒らされない畑を手にする事が出来る。
まずは龍脈の場所を特定して、そこにミスリルの棒をボーリングマシーンの容量で差し込んで行く。
次にミスリルの棒と予め魔法陣を彫り込み、オリハルコンでコーティングしたクリスタルメタルの柱を連結。
魔力が充分に行き渡るのを確認したら起動。
当初想定していた以上の広範囲を結界で覆う事が出来たのだけれど、広がり過ぎて結界の壁が薄くなり弾き飛ばす効果が得られなくなった。
精々ジェルで出来た壁に正面から突貫するような抵抗しか無かった。
其処からまた試行錯誤する事数カ月、まずは範囲を限定する為に小型の結界柱を半径2キロの位置に12個設置。
東西南北を基準に時計の様に建てて行った。
建ててから思ったのだけれど、まるで巨大な日時計のようだったのはここだけの話。
この星の自転が24時間で一周するかは分からないけど、12等分すれば問題無く24時間に区分出来る。
多少違っても一分の長さが変わるだけさ………。
後で気付いたけど、クリスタルメタルの柱の透明度が高過ぎて彫り込んだ魔法陣だけが時間と共に移動するので、時計としては見づらい事が発覚した。
なので、急遽そこら辺の石を加工して見易い大きさの日時計を制作した。
バーカ、バーカってほっとけ!
そこ迄創り上げてからまたまた問題が浮き出てきた。
結界から出られなくなった………(泣)
なので、弾き出す条件も限定した。
"略奪行為を目的に侵入する者の排除、又、結界内に侵入してから略奪行為に心変わりしても排除の対象に認定。"
"結界の主であるレンに対して、又、レンが認めた者たちに対して害意を持つ者の排除。"
後は思い付かなかったのもあるが、柱に追加出来る条件を彫り込むのがその二つで限界だった。
しかし、このお陰で自由に結界の出入りが出来る様になって一安心した。
正直食料が限界だった。何せ魔物も動物も僕を見つける度に結界に弾き出されるから意味も無い。
出来上がるまで極限まで飢えていたから思考も鈍っていたのかも知れない。
腹を満、、たして余裕が出来てから、罠で死なせれば食料確保出来たんじゃね?
その思考にたどり着いた時には本気で泣きそうになった。
バーカ、バーカ!って……ワーン(泣)
それから暫くの間何もする気が起きず、ダラダラ過ごす事になったのは言うまでもない。
本当は続きを書くつもりだったのですが、ちょっと思いついて森の奥に住居を作り上げる迄の
話を書く事にしました。




