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魔の森の大賢者  作者: 神内 焔
第一章  森の生活編
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採取の旅路  龍族との和解?



 「い、今のは何だ?」


 突然目の前で起こった大爆発にゲイズ達は驚きを通り越して呆然としてしまった。


 無理もないだろう、突然自分等の幻影が居た場所に灼熱の何かが飛んで来たかと思ったら大爆発したのだ。


 保険を掛けて良かったと改めて思う。魔力の消費を嫌ってサリシャの幻影魔法を掛けずに登って居れば、今頃爆発の中に居たのは自分達だっただろう。


 そこ迄考える余裕が出て来た所で全身から冷や汗が吹き出してきた。


 ただ一人、終始冷静にブレスが飛んで来た方向を観察していたアリスだけが爆発の正体を看破していた。


 「どうやら今のは霊峰の麓付近から放たれたドラゴンのブレスの様ですね。今は主様がメチャクチャに殴り倒している様です。」


 アリスの報告を聞いてゲイズ達もギョッとした顔になる。


 「主様って坊主の事だよな?ドラゴンって地竜じゃなくてまさか古龍なのか?」


 レンが強い事は話には聞いていたが、まさか古龍と対等に渡り合える程とは思ってもみなかった。


 最初は古龍に認められている事は知っていたが、知恵比べで勝ったのだろうと勝手に思い込んでいた。


 ゲイズとベルフェ王だけが知っている事だが、レベル500越えとは此処まで隔絶した強さを持つ物なのだろうか?


 それに、何が理由で此方までブレスが飛んで来たのかは分からないが、長く此処に留まるのは得策ではないと思える。理由なら無事に戻れたら幾らでも聞ける。今はとばっちりを受けない所まで避難するのが最優先だ。


 「全員爆発の跡を眺めるのは止めて山の裏側まで移動するぞ。此処に居たら何時"アレ"が飛んで来るか分からない。」


 「確かに今のブレスを放ったドラゴンは主様が対処してくれていますが、他のドラゴンが居ないとも限りません、早急に移動を開始致しましょう。」


 サリシャ、カイルも同意見と頷き返す。アリスは心配そうに霊峰を一度振り返ってからゲイズ達の後を追いかけた。










 何となく予想していたからなるべく穏便に断ろうとしたけど、本当に予想を裏切らないもんだな。


 「レン坊よ、孫娘を宜しく頼むぞ。里でもお転婆が過ぎて手を焼いておったのじゃ。」


 大爺様の発言に度肝を抜かれた。


 「ち、ちょっと大爺様!孫娘って……えぇぇぇぇ!」


 予想超えたカミングアウトにゲンナリとする。


 「暫くの間行儀見習いと修行を兼ねて面倒を見てやってくれ。なに、只でとは言わん、里の宝物庫から適当に欲しい物を持って行くと良い。」


 全く、大爺様も人?が悪い。孫なら孫だと先に言って欲しかった。しかも、押しが強いのは一年前と変らないし、あぁ、古龍にとって一年なんて人種の十日前みたいなもんだったな。


 「レン坊、遠慮は要らんビシビシ鍛えてくれて構わん。何なら嫁にでも妾にしても構わんからの。」


 大爺様、貴方もですか!何故だ、何故皆嫁に来たがるさせたがる?11歳の子供に求婚するのもどうかとは思うが、そこ!モジモジしない!てかそろそろ突っ込まないと何時までもあのままな気がして来た。


 「それは兎も角、いい加減服着ませんか?龍族ってまさか人化してても全裸で過ごしてる訳では無いでしょう?凄い目のやり場に困るんですが。」


 さっきから大爺様と話してて視線を向けない様にしている配慮もまるで気付いてくれて無かったようだ。


 「やはり人種の住処に行くには服を着なければいけませんか。」


 当たり前だろう……とは言っても龍族の生態を全て知っている訳では無いから責めるに責められん。


 「あ〜レン坊、誤解しとる様じゃから訂正して置くがな、龍族も人化して生活している以上簡素ではあるが、服は着ておるぞ。孫娘が特殊なだけじゃ。」


 大爺様の二度目のカミングアウトに目眩がして来た。え?種族全体が全裸で過ごしてる訳じゃ無く、まさかの露出狂?この子に一般的な教養と常識を身に着けさせるだけでも無理難題な気がして来たんですけど。


 「ま、まぁ、その辺の話は追々にするとして、今は薬の材料を採取に来たので、また今度と言う事にして貰えませんか?」


 「何じゃ、洞窟に用があったのか?それは時間を取らせて悪かったのぅ。ほれ、孫よお主も頭を下げんか。」


 「そうとは露知らず申し訳御座いませんでした。」


 言葉遣いだけは殊勝なんだけど、喧嘩吹っ掛けられた時とのギャップが激し過ぎて別人に思えてくる。


 「イヤイヤ、まるで別人の様だねぇ。」


 あんた居たのか!ベルフェ王、一体今迄何処に?いや、大爺様の横に居た所までは覚えているんだけど。


 「ゲイズ君達は危険だと判断したのか、山の反対側へと避難した様だよ。どうやら魔法で位置関係を誤魔化してた様だね。姿が消えたと思ったら離れた場所に姿だけ現れたから、サリシャ君の魔法なんだろうね。いやはやなんとも初めて見る魔法だから興味深い。」


 成程、皆の無事を確認してくれていたのか。一瞬でも逃げたと思ってゴメンナサイ。


 「もし宜しければ我も御同行させては貰えませんでしょうか?この洞窟は幼少の頃より里の仲間達と遊び場にしていましたので、御案内出来ると思います。」


 有り難い、有り難いが……一緒に来ると弟子入りの件も済し崩しで了承させられ、最悪結婚まで押し切られそうな予感がする。


 「やっぱり我などでは御迷惑になりますよね?ガサツなのも自分でも分かっているのです。けど、この期に少しでも直せればと……グスッ。」


 涙目になってまでそんな事言われたら断れないじゃないか。


 前世でも思った事だけど、女の涙って本当にズルい!


 「分かったよ、僕の負けだ。弟子入りの件は洞窟内の働き次第で決めると言う方向で。」


 パァァァっと明るくなった顔でさも嬉しそうに御礼を言って来る孫娘は人種の目から見ても美少女だった。


 「有り難う御座います。有り難う御座います。誠心誠意御案内させて頂きます。」


 「言っとくけど、仮に弟子入りしたとてもダラダラしてたら直ぐに追い出すからね。」


 はぁ〜、段々と女性率が増えて行くなぁ。まぁ、ベルフェ王と女性兵士さん達はこの件が終われば引き上げて行くからそうでもないのかな?


 前世のラノベとかではハーレム系主人公とかあったけど、実際になると面倒臭いとしか思えないんじゃないかな?


 それとも僕がまだ女性に恋い焦がれていないからそう思うのだろうか?


 または、前世で女性に裏切られた記憶がそうさせているのかな?まぁ、今考える事じゃないか。


 「じ、じゃあ宜しく頼むね、目標は暗闇茸だ。多分一日以上は探す羽目になると思うから覚悟してね。」


 「はい、お任せ下さいお師匠様。」


 「お師匠さまぁ?」


 行き成りの呼び方にビックリする。


 「教えを請うのですからお師匠様とお呼びするのが妥当かと。」


 「うぅ……確かにそうかも知れないけど、何かむず痒いし、11歳の子供がお師匠とは周りから見ても変と言うか……。」


 孫娘ちゃんも口元に手を当てて考え込む。


 「我としてはお師匠様が一番しっくり来るのですが、確かに周りから見るとアンバランスかも知れませんね。」


 大爺様もウンウン頷いているが、何方に同意してるか今一分からない。


 「レン坊、ワシはそろそろ戻るから帰りにでも顔を出してくれんか。」


 「分かりましたよ。お孫さんの今後の事を話す意味でも里には寄らせて貰います。」


 大きく"ウム"と頷くと大爺様は羽ばたき霊峰の山頂へと帰って行った。


 「さて、じゃあ洞窟へと行きますか。と、その前に孫娘ちゃんじゃ呼び難いし、名前は?」


 「龍族は思念伝達で話す事が多いので、固有名と言う物を持たないのです。」


 「なら僕が付けても良いかな?名前が無いと不便だし。」


 孫娘ちゃんは目をキラキラさせるかの様に喰い付いてきた。


 「本当に名前を戴けるのですか?お師匠様自ら名付けをして頂けるのでしたら一生着いて行きます!」


 「あ、あぁ……ちょ、ちょっと待ってね、今考えるから。」


 「はい、お待ちしております。」


 ドラゴンと言えばリバイアサン、バハムート、ワイバーン、ヒュドラ、リンドヴルム、ヤマタノオロチ、ヨルムンガンド……色々あるけど、女のコに付ける名前じゃ無いな。

 あ、思い出した確かケツァルコアトルの別名でククルカンってのがあった筈。


 「決まったよ、君の名前は伝説の龍のククルカンに因んでククルにしようと思う、どうかな?」


 「ククル……伝説の龍から……嬉しいです。」


 ウットリとした顔で涙を流す程喜んでくれるのは素直に嬉しいのだけれど、何か致命的に間違いがあった様に思えるのは勘違いだろうか?


 「そ、それで、伝説のと伺いましたが、どの様な伝説なのでしょうか?」


 「うん、確かな記憶は無いんだけど、マヤと言う文明期にある神話の龍で、翼を生やした龍の姿で創造の神として崇められてたんだ。この龍は雨、風、火を司り、生贄を好まない優しい龍だったそうだよ。」


 「その様な龍の神に因んだと言う事はやっぱり……。」


 「うん、多少成りとも優しい龍族として成長して貰いたいと言う願いも込められているかな。」


 「あぁ、我の為にその様な……精一杯頑張ります。」


 気が付くとベルフェ王が明後日の方向を向いてウンウンと頷いている。そんなに感動的な話だろうか?


 まぁ、何だかんだあったけど、漸く洞窟に入れる。


 「宜しくねククル。」


 「はい、此方こそお願いしますね、ア・ナ・タ。」


 え?





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