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魔の森の大賢者  作者: 神内 焔
第一章  森の生活編
25/33

採取の旅路  古龍の襲撃、レンの怒り



 ー3日目ー


 二日目の夕刻に山の麓まで辿り着き、野営した翌朝ゲイズ達は登山の為の準備を急いでいた。


 「アンブロシアって植物なんて聞いた事も無いけど、本当にこんな大きな花が咲いている物なのかな?」


 「カイル、余計な事は考えるな。坊主が確認しているんだろう、俺たちは頼まれた根瘤を持ち帰ればいい。」


 カイルが疑問に思うのも無理からぬ話だ、遠目ではあるが山肌に花らしき物は見られなかった。そもそもアンブロシアは見つけ難い所を好んで咲く花だそうだから遠見のスキル持ちでも中々見つけられないと言っていた。


 それよりも準備を入念にしているのは、道中の魔物対策の方がメインである。


 特に岩に擬態する魔物や岩場の陰に潜む魔物は毒こそ持つのは少ないが、鋭い牙で足や首を狙う者が多い。


 いくらレンの与えた装備が優秀でも、それに頼り切るのは違うだろう。油断が思わぬ被害を招く事もあるのだ。


 「サリシャは岩肌が出てる所から本番だ、それまでは魔力を温存してアリスさんと後方の警戒に専念してくれ。

 アリスさんは申し訳ないが、サリシャの護衛を中心に後方を見て欲しい。」


 「分かりました、サリシャさんの魔法に何か秘策でもあるのですね?」


 「まあ、そんな所だ。スマンが頼む。」


 「頼まれました、サリシャさんには指一本触れさせません。」


 頼もしい返事を貰いゲイズも前衛に専念出来ると言う物だろう。


 この道中でアリスの戦闘力は確認済みだが、良く言えば豪胆で多少の大型魔獣でも力負けしない力量がある。しかし、悪く言えば力任せの戦闘が目立つ。


 目覚めたばかりとは思えない程の力量はあるので、取り敢えずは安心だろう。少なくともこの山にはドラゴンの様な恐ろしい魔物は確認出来なかった。


 ひょっとしたらグリフォン位は居るかと思ったが、海岸に近い山なのかロックリザードやロックバイパーに気を付ければそこ迄危険では無いらしい。


 Bランク冒険者にはそれでも充分に驚異なのだが、レンより与えられた装備の性能が良過ぎてロックリザードの硬い皮膚でも切り裂けそうな武器が非常に頼もしく映る。


 今ならAランクでも狙えそうな気がするから不思議だ。


 それだけては無い、多分だが麓に到着する迄の道中に倒した魔物で結構なレベルアップを果たしている気がする。

 ギルドに戻ったらステータスチェックも忘れずにやろう。道中に倒した魔物はアイテムボックスに詰めて持ち帰らせて貰えるそうだし資金も潤沢になるだろう。


 等と言ってる間に木々が無くなり岩肌が剥き出しの所まで来ていた。


 「昼食にしよう。休んだらサリシャの魔法の出番だ、頼んだぞ。」


 「分かった、任せて。魔力は満タン。」


 アリスには魔法の内容は伏せられていたが、空気を読んで何も聞かずに居たアリスにゲイズから漸く内容の説明がなされた。





 「そんな魔法が……凄いてすね。」


 自分の力でも無いのにゲイズがドヤ顔で自慢する。


 「まあ、この魔法のお陰で俺達がBランクまで上がれたと言っても過言じゃねぇ。」


 「そうだね、この魔法のお陰で安全性が格段に変わるからサリシャは最早パーティには無くてはならない存在だよ。」


 雑談程度の説明から途端に褒め殺しが始まった物だからサリシャも流石に顔を真っ赤に染めて俯いてしまっている。


 そんなゲイズ達のような間柄をとても眩しく感じて頬を緩めるアリスだった。


 果たして自分は主様とどの様な関係性を構築出来るのだろうか?怖くもあり楽しみでもある。


 優しい主様とは感じてはいるが、もしも落胆されたら惨め以上に生きる活力すらも消え失せる自信はある。


 況してや不要とされでもしたらその場で首を掻き切るかも知れない。


 意味の無い妄想だろうが、そんな事態を招かない様に誠心誠意仕えたいと思う。


 レンは自分にとって親であり神であり敬愛する存在なのだ。しかしながら自分の中に反逆の因子も根付いているのも感じている。


 主様が何を考えてこんな物を植え込んだのかは不明だが、生涯と言って良いかは分からないが活動不能になる迄この因子は封印しようと心に決めた。


 あの優しい主様に反逆等と考えるだけでも悍ましい事の様に思えるからだ。













 その頃レンとベルフェ王も漸くダンジョンのある麓まで辿り着いていた。

 予定では前日の夕刻迄には着いているはずだったのだが、あまりにも魔物の数が多過ぎた為に時間を喰ってしまい着いたのが三日目の昼前となってしまっのだ。


 「やれやれ、酷い目に会ったもんだね。」


 「すいませんベルフェ王、僕も彼処まで魔物の数が多いとは思いませんでした。」


 「あれ普段じゃ見られない程の密度だったって事かな?いや、実際そうなんだろうね。」


 「何か意図的な物を感じるのは気の所為でしょうか?」


 ベルフェ王は少し考えたが難しい顔をして首を横に振った。


 「確かに露骨な迄に意図的な物を感じるが、此処まで幼稚で無作為に魔物を集める物だろうか?


 魔物をこの様なとんでも無い場所で集めるだけでも相当な労力を要するし、誰に対しての罠なのかも不明だ。


 考えられるのはレン君に対してだが、辺境の隠遁暮らしで恨みを買うとは思えないし、やり方があまりにも拙過ぎる。」


 ベルフェ王の言う事も理解出来るが、集めるだけでも意味を成すと言うのなら話は変わって来るだろう。


 例えば人種の街へ被害を出す為の前準備とか、強力な魔物を街へと押し進めるだけでも被害は尋常ならざる規模になるだろう。


 一体何時から集まり出したかは分からないが、この辺へと来たのは一年以上も前なので推測すら出来ない。


 少なくとも一年程前には兆候すら無かったのは確かである。


 「考えても仕方ありません、今はダンジョンに潜る事だけを考えましょう。」





 ふと、霊峰を見上げると一体の古龍が飛来してくるのが見えた。


 大爺様……じゃないな、誰だろう?


 「レン君、あれは古龍じゃないか?」


 「そう見たいてすけど、何の用でしょうね?」


 一応の為に古龍の末席に連なる者の証の"古龍の鱗"を首から提げて置く。


 此れは若手の古龍に勝利した証の鱗を首飾りにして提げて置けば一族の仲間の証になる物だ。


 「それが古龍の鱗かい?綺麗な物だねぇ。」


 ベルフェ王と呑気に話して居たが、飛来してくる古龍の様子がおかしい。

 何やら鬼気迫ると言うか、怒りの形相を浮かべて飛んで来る。


 「おまえかぁ!レンとか言う餓鬼はぁぁぁぁぁぁ!」


 「そうですが、何か?」


 レンの如何にも平静てすと言う様子に益々熱り立ち、ブラックドラゴンなのに顔だけレッドドラゴンになりそうな程頭を真っ赤にしている。


 「我の弟分を倒した程度でいい気になるなぁぁぁぁ!」


 とは言われても大爺の立ち会いの元に行われた勝負だから公式な物だし、いい気になるなと言われても困る。


 そもそも突っ掛かって来たのも古龍だし。


 「お前程度の矮小な者が栄光ある龍族の末席に加わるなど我は認めんぞ!」


 「別に龍族の末席でなくても構わないので、毎度絡んで来るのだけ止めてくれますか。」


 最早レッドドラゴンと名乗っても差し支えない程顔を真っ赤に染めた古龍が激昂する。


 「龍族を愚弄するのか!」


 どないせいっちゅうねん。



 そんな中、バッサバッサと優雅に降り立つ真っ白な古龍が現れた。


 「レンに関してはワシの立ち会いの元に行った試合であると教えた筈じゃぞ!」


 「確かに聞いた、だからこそ我が来たのだ!どうせ何か汚い小細工でもして弟分を負かせたに違いない!」


 「ふん、小細工だと言うのならその程度で負ける奴が悪い。そんな事にも気付かんか?」


 「ならば我が見極めてやる迄よ!今なら小細工を仕込む余裕もあるまい。」


 溜息を吐きながら大爺様がれんに向き直る。


 「すまんがレン、今一度手合わせをしてやって貰えんかの?此奴は言っても聞かん脳筋じゃ、痛い目にあって見ない事には理解もせんのじゃ。」


 レンも溜息を吐きながら聞き届ける。


 「分かりました、但し此方に居るのは魔族の王なので、手出し無用で願います。

 今回此方に赴いたのは薬の材料の採取の為ですので龍族の里には近付かない事を保証します。」


 「相分かった、ワシの名の下にそちらの御仁の安全は保証しよう。」


 未だにガクガクと震えているベルフェ王を促し、大爺様の隣へと移動させ、当の黒龍へと向き直る。


 「大爺様の頼みなので、今一度手合わせをして差し上げます。今後余計な手出しをすれば僕も容赦しないので肝に命じて置いて下さい。」


 この忙しい時に余計な手出しをしてきたのだ、この位の脅しは許容範囲だろう。


 おや?大爺様が何やら真っ青な顔で震えているぞ、もう老体なんだからあまり無理しないで養生して下さいね。


 「デカイ口を叩くな!それはお前が勝ったらの話であろうがぁ!」


 それもそうだ、先程の口上は試合の後に言うべきだったな。


 「武器を抜け!ひ弱な人種風情が素手で我と遣り合うつもりか?」


 意外と男気溢れる事を言う、脳筋なのは間違いないが割と悪い奴では無いらしい。しかし…


 「残念ながら此れを抜けば貴方を死なせかねないので抜けません。此れは殺し合いでは無く試合ですので。」


 「ぐぬぬ、何処までも愚弄するか。良いだろうならば抜きたくなる様に叩き潰してやる迄!」


 前世で読んだ漫画見たいな展開だが、リアルでこんな台詞を聞く羽目になるとは思っても見なかった。


 こう言うのはフィクションだから面白いのであって、当事者になると只管面倒臭いと実感出来る。


 考え事をしている間に黒龍が爪を振り下ろして来た、先ずは小手調べだろうか速度もあまり早くない。


 軽くステップで避けて此方も小手調べ程度のパンチを顔面にお見舞いする。


 ドガン!と物凄く良い音がして綺麗に黒龍の顔が横向きに弾かれる。


 驚いた様な顔でレンを見つめるが、直ぐに怒りの形相を浮かべて襲いかかる。


 両の手で掴み掛かろうと勢い良く真横に振り抜くが、ボクシングの様に姿勢を低くして掻い潜りボディへと拳を打ち込む。


 大凡素手で殴ったとは思えない様な爆発音にも似た音で黒龍の身体が浮かび上がる。


 下がって来た顔面に、今度は垂直に振り回す足を顔面に叩き込んだ。


 流石の黒龍も堪らず転げ倒れる。


 「どうですか?これで小細工では無く実力で認められたと理解して貰えましたか?」


 「ばっ馬鹿な!」


 驚愕の表情から再び怒りの形相に変わり狂ったように吠え出した。


 「認めぬ!認めぬぞ!御前のせいで弟分は毎日泣き暮らして居るのだ!人種等に破れた根性無しと嘲笑の的にされ引き籠もって出て来なくなったのだ!」


 あちゃあ、虐めの対象にされて引き籠もりとか前世で問題になってた悪辣な虐めの被害者見たいな事になっているのか。


 そりゃ兄貴分としては何とかしてやりたい気にもなるよね。


 「何故だ!何故体格差も違うのにこうも攻撃が重い?やはり何か小細工でもしているのか?」


 オイオイ、さっき"今なら小細工も出来ないだろう"と自分で言ったばかりだろう。


 大爺様も呆れた様な表情で黒龍を見ている。多分完全に負けを認める迄止める気は無いのだろう。


 「認めぬ!龍族が矮小な人種に負ける等とあってはならぬのだ!」


 ニヤリと何かを思いついた様に悪い顔を浮かべて勝ち誇った様に次の言葉を紡ぎ出した。


 「彼処の山に居るのはお前の仲間だろう?」


 黒龍の視線の示す方を見ると、遥か遠くにゲイズ達が目指している筈の山が見える。


 確認の為に目に強化する魔法"鷹の目"を掛けて見ると、丁度此方に背を向けて山肌を登る姿が見て取れた。


 「それが何か関係が……まさか!」


 「そのまさかよ!」


 言うが早いか口内にブレスの炎を溜め込んだ黒龍が嫌らしい笑いを浮かべて空へと飛び立つ。


 「やめ……!」


 止める間もなく放たれたブレスは一直線に山肌へと降り注ぎ、其処に居たであろうゲイズ達を跡形もなく焼き殺した。

 如何に古龍のブレスであろうとも此れだけの距離なら減衰するのだが、その熱量は人種等焼き殺すには充分だった様でゲイズたちの居た25m四方が黒く焼け爛れているのが見て取れた。


 「ガァハッハッハ、矮小な人種風情が龍種に逆らうからこうなるのだ!此れに懲りたら分際と言う物を弁えるのだな!」


 勝ち誇った様に高笑いをする黒龍を他所に、大爺とベルフェ王は真っ青を通り越して真っ白な顔で震えていた。大爺は元から真っ白だったが。


 静かになったその場に"ブチッ"と何かが切れる音が響く。


 「黒龍……言いたい事はそれだけか?」


 「なにぃ?………!!」


 勝ち誇った顔から一気に恐怖の表情に変わる。


 途轍もない魔力がレンの身体から立ち昇っている。初めて見るレンの怒りの形相、魔力と合わさり畏怖としか表現出来ない程の震えが全身を支配する。


 「最後に聞いてやろう、何故俺の仲間に手を掛けた?」


 「あぅ……そ、それ……は……アワワワ。」


 震える黒龍には最早言葉に出来ない程の恐怖に支配されている様だ。


 「まぁ言い訳など何でも良い、お前が俺の仲間を殺した事実には違い無い。あの世に渡り神の御前で彼等に詫びを入れる事だな。」


 黒龍は逃げようとするが、震えで上手く羽ばたけずその場に留まるのがやっとでとても逃げる所では無い。


 レンの姿が掻き消えたと思えば、瞬時に頭上から大岩でも落とされた様な衝撃で山肌に叩き落とされる。


 「罪の無い者を殺したんだ、楽に死ねると思うなよ。」


 今度は背中の羽を毟り千切られた、これでは最早飛ぶ事も出来なくなった。


 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 「さぁ今度は何処を毟られたい?お前には訳も分からずに死んだ彼等の何倍もの苦しみを与えてから殺してやろう。」


 黒龍には龍族の誇りとか、弟分の仇とかは既に頭には無く、只只管生き残りたいと言う本能だけに支配されていた。


 戦士として戦い敗れるのならまだ良い、力無い人種を殺したが為に嬲り殺しにされ名誉も誇りも無く虫けらを嬲るように殺されるのだけは嫌だった。


 「私が…悪う御座………いました。今後は……心を入れ替え人種には……手出しを致しません。グスッど、どうか命ばかり……はお助け下さい。」


 最早龍族の意地も誇りも無い黒龍にレンは冷たく言い放つ。


 「殺して置いて自分は死にたくないとか舐めてるのか?関係の無い者を殺した時点で手遅れなんだよ。」


 「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。」


 「まてレン坊、どうやらお主の仲間とやら生きて居る様じゃぞ。」


 そんな馬鹿なと一応視線を向けると、確かにゲイズ達が黒焦げになった山肌を観察している様子が見て取れる。


 特に怪我をした様子も無くピンピンしているのはどう言う事だろうか?


 無事を確認出来てすっかり頭が冷えたレンが黒龍へと向き直る。


 「彼等が生きていたので貴方の命も取らない事にします。」


 キョトンとした顔で黒龍が聞き返す。


 「た、助けて頂けるので?」


 「えぇ、でも今回は結果論に過ぎない事を覚えて置いて下さい。」


 何が何やら分からないが、助かった事だけは理解出来た。皆が注目している遠くの山肌に視線を向けると、先程殺して跡形も無く燃やし尽くした筈の人種が元気に動き回っているではないか。


 自分の命があるのは彼等が無事だったからだと遅れ馳せながらに理解出来た。


 確かに結果論だ。寧ろ今後の事を考えれば自分等命を断って置く方が安心出来るだろうに。


 今更ながらにレンの心の広さを知った。仲間が無事だったから自分も助ける。逆に言えば我など何時襲って来ても対処出来ると言う所作とも取れる。


 力に驕らず広い心を持って罪を赦し自然のままに生きる姿、昔我が憧れた者その者ではないか。


 「大爺様、我の最後の我儘を許して頂きたい。」


 態度も口調も正し願い出て来た黒龍に呆れ顔から優しい顔へと変えるだけの心境の変化を感じ取った。


 正直龍の里の最後まで覚悟したが、結果的に全てが良い方向に傾いた様だ。


 レンは元より無事で居てくれた人種にも何か礼をしなければなるまい。


 「言って見ろ。」


 「はっ此度の事で我こそが矮小なる者と痛感致しました。就きましては此方のレン殿に師事致したく思う所存なので許可を頂きたい。」


 流石のレンも"えっ!"て顔で驚いている。無理も無いだろう、あれだけ尊大で自尊心の塊見たいな黒龍が謙虚の鏡見たいな態度で師事したいとは前世では鬼の撹乱と言ったか?


 「レン坊や、スマンが頼めるかのう?」


 「イヤイヤ、黒龍のガタイで来られてもいる場所が有りませんよ!」


 「それなら大丈夫じゃ、普段ワシ等がどの様な姿で暮らしておるか知っておるじゃろう?」


 あっと思い出した顔でレンも失敗したと言う顔で目を覆う。


 「しかし、流石に食料になる肉を毎日用意するのは大変と言いますか……。」


 大爺様も笑い飛ばして心配無いと太鼓判を押す。


 「古龍の姿なら兎も角、人化しておれば食べる量など人種とそう変わらん。不足だったら狩でもさせれば良かろう。」


 多分こっちが折れるまで延々と問答を続ける気満々なのだろう。


 「分かりましたよ、家で面倒見ます。でも、とんでも無い事をしでかしたら直ぐに追い出しますからね。」


 「おぉ、感謝するぞ。どれ、此れは手付金と思っておくれ。」


 大爺様は腰の辺りの鱗をベリベリと剥がし、30枚あるか無いか位の量をボトボトとレンの前に落とす。


 「ちょっと貰い過ぎな気がしますが、良いんですか?」


 「なに、また貼り直す訳にも行かんから貰っておくれ。人種に限らず結構な価値があるのじゃろう?」


 「正確な価値は分かりませんが、僕のモノ作りにも役立ちそうなので遠慮なく貰って置きますね。」


 「では、黒龍に名前を付けてやっておくれ。人種の間ではお互いを呼び合うのに必要なのじゃろう?」


 「そうですね、ではイメージも大事なので人化をお願いしても良いですか?」


 「了解しました。」


 黒龍は頷き人化を始める。この時僕は驚愕と後悔を同時に味わう事になった。







 

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