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第三話

 


 体育館が皆の拠り所か……

 なんにせよ、戦える人が少なすぎる。これでは早々にこの避難所は地獄絵図に変わるだろう。そもそも新人類の数が些か少なすぎるな。

 もしかしたらどこかで固まっているかもしれない。

 盾を出したあの学生は守りに特化しているが能力としては少し弱いように感じる。

 まだ情報が少なすぎるな……

 これ以上考えるのは時間の無駄なので、思考を切り替える。

 彼らに協力するかどうかだ。


 仮に協力すると仮定してメリットデメリットを考えてみた。

 まず考えられる事は、貴重な新人類と仲良くなれる。戦力になるしあのギャルーーキララだったか?あいつの能力は攻撃的で仲間に引き入れたい。

 だかデメリットが多すぎる。まず食糧など全てこちらが負担することになる。彼らはまだ青すぎる。

 この非常事態に他人を守るのは負担になる。特に戦えない高齢者や子供達。

 接するうちに情が沸いてくる。そんなもの合理的思考で考えれば不要である。

 しかもこちらの手の内を明かすのもダメだ。デメリットが多すぎる。


 もう少し彼らの情報を入手すべく、体育館を見渡した。


「いないか……」


 さっきまで居たのだが仕方がない。俺は体育館を出て誰もいない教室に向かった。情報を引き出すついでに食糧や薬を与えとけばなにかと楽であろうと考え、等価交換にある、缶詰やおにぎり、パンなどの食糧を持てるだけ持ってまた体育館に足を向けた。


 余談にはなるがビックサイズの袋を購入したのは合理的であった。


 また体育館に戻るがあの二人がいない。仕方がないので子供達にお菓子を配りながら二人が来るのをまった。


「おじさんお菓子ありがと」


「やったーー!! あっくん達も食べよ!!」


 わらわらと子供達が集まってきた。

「数が少ないから皆で分けろよ? そこ年長者なんだから並べ。

 あと誰か下田阿久津って名前の高校生をしらないか?」


 すると後ろの子どもが答えてくれた。


「んーと、今お兄ちゃん達はこーちょーしつ?にいくって言ってたよ!」


「そうか、ありがとう。ほらチョコあげる。」


 お礼を伝えて早速校長室に向かう。


 校長室にたどり着いた。ほとんど入ることなどないので、こんな時だが少しわくわくする。

 扉に向かってドアをノックした。


「はーいー!ちょっとまって!」


「浅田だ。話があるが入っていいか?」


 少し待つと扉が空き阿久津が笑顔で向かえてくれた。高そうなソファーに執務机に歴代の校長の写真が飾っている。

 風情溢れる部屋だ。


「いきなりですまない。食糧が手に入ったので皆で分けてくれ。」

 机にどっさりと先ほど交換した食糧をおいた。

 二人ともう一人、教師だろうか?初老の男性が吃驚した表情でこちらを見つめてきた。


「ありがたいですね。自己紹介がまだでしたね。私は教頭をしております廣田と言います。こんなにも食糧を提供してくださり誠に有難うございます。」


「いえいえ。こちらこそこれからお世話になるかもしれないので協力するのも吝かではないのですよ。あ、失礼しました。私は浅田と申します。」


 大人の対応をしつつ、教頭が席に座るように促した。それにしたがい、対面に座った。


「早速ですがこの街でなにが起こったのか、情報の共有をしませんか?」


「そうですね……まずあの日いきなり頭痛がしだして、化物が現れました。学校内でも化物が、出たのですが……それは阿とで説明します。まず我々の中に超常の力を持つものが現れました。その力を超能力と私共は呼んでいます。ここにいる。阿久津君ときらら君と私は超能力を持っています。まあ私のは物を動かすそれも、軽くて小さい物だけですが。浅田さんはそのような力はありませんか?」


「いえ、確かに頭痛はしましたが超能力はないですね。先ほど阿久津君に見せていただいたので、信じてますが素晴らしい力ですね。」


 自分の能力は誰にも知らせない。なぜなら利用される可能性が高いからだ。

 三人には、申し訳ないが嘘を交えつつ話を会わせる。


「そういえば外からカマキリの化物が居たのですが何かご存知ですか?」


 三人は苦い顔をしながら、ポツリポツリと話してくれた。


「あのカマキリでずが分かっていることは、ほとんどありません。ただ、殺すだけではなく、遺体を森の方に持っていったので巣でもあるのではと考えております。」


「なるほど……」


 確かに俺も同じ考えだ。その場で食べればいいのに一々持って帰るのは定住しているか、もしくは上位の存在が命令を下しているかだ。

 最悪なのは後者の方だろう。一メートルぐらいの大きさなので愛がいれば問題はないだろう。

 だがこの学校ではどうだろうか?戦える人が10人ぐらいしかいない。いずれ食糧も尽きてじり貧になるだけだ。


「浅田さんにお願いがあります」


「一応聞きましょう」


「今現在戦える人が我々を含め15人になります。この近辺に食糧をとりにいくのについてきてほしいのです。大人数でいくのは化物に見つかるリスクがあるので五人ほどで行こうと思います。残りの10人は防衛になります。どうですか?」


 少し考えてみたがあまりにもメリットを感じない。足手まといを連れて能力も制限されるなら一人で行くべきだ。


「皆さんには申し訳ないですが外に仲間が居ますので一緒に行動することは不可能です」


「やはりそうですか……無理を言ってしまい申し訳ないです」


「こちらこそお力になれず申し訳ない」


 きららがいきなり怒鳴りこんできた。


「貴方そんなんでこの先生き残れないわよ? 私達がいないとすぐに死んじゃうのに馬鹿らしい」


 まあ確かに彼女の言うとり、普通の人達は生き残れないだろうが俺なら生き残れる。まあそんなこと彼女らに教える義理もないが。


「こらこらきらら君、彼にも事情があるんだ。我々の意見を押し付けるのはよくない」


 まだなっとくしていないようだが、渋々教頭の指示に従っている。場が白けたのでもはや、ここにいる意味もないだろう。大した情報もなかったし、無駄足になっただろう。


「それでは私はこれで失礼します」


 軽くお辞儀をして部屋から退出する。さて、この先どうするかまだ決めていない。生き残ること自体さっきも思ったが難しいことはない。ただ安全な場所となると、見当もつかない。


 仕事からも解放されてある意味では住みやすくなったのかもしれない。我々新人類にとっては。弱肉強食弱い奴らはすぐに死ぬ。それは俺だって一緒である。


 学校でやることも終わったので、ポイント集めに出かける。まだ昼過ぎなのでいくらでも化物を倒すことができる。


「さあ、愛出番だ」


 光が集まり人形が出てきた少し身体が大きくなっているような気がする。愛の装備を渡し指示を出す。


「愛、化物を倒してくれ。でも無理はするなよ?」


 首を縦にふり、化物に早足で近寄りゾンビの攻撃をヒラヒラとかわしながら切り刻んでいく。ゾンビ相手なら愛だけでも十分だ。俺は愛が倒していったゾンビ達をポイントに還元しながら先を進めた。


 何時間たったのだろうか?周りが暗くなってきた。そろそろ終わりにするか。


「愛もう終わりにしよう。暗くなれば流石に危ない」


 血がベッタリついてる愛は少しどころがなかなかの怖さだ。近くにある水道で流し綺麗にする。

 明らかに愛が大きくなっている。もう小学生ぐらいの大きさだ。やはり敵を倒すことによって経験値が入るのだろうか?それは愛だけなのか、俺にも間接的に入るのではないか?

 検証が必要だな。


 明日のすることが出来た。朝からゾンビを倒し、そのついでにカマキリに対して威力偵察を行う。

 俺は森の方が落ち着く。奴らが定住していたら数が永遠に増えるだろうからそれを駆除しなければ。

 考えるだけでも億劫になりながら飯を食べて愛と布団に入った。



ここまで見てくださり、ありがとうございます。


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