一緒に寝ること
俺は嬉しさに舞い上がっていた。何故なら…ミランと仲良くなり、破滅を回避できたからだ。
これでミランはヒロインとは恋に落ちずに俺を殺さないはずだ。だが…まだ危険があった。何故なら
「よぉ」「げっ、ジャック・エヴァンズ…」黒い髪に蒼い瞳をした騎士団長の男だ。9年後にミランと共に
俺と悪役令嬢を殺す奴だ。でも、何でこいつがここに?それを聞く前にジャックが口を開いた。
「ミランから話を聞いたんだが…聞いてくれるか、俺の話を」「?ああ。良いけど」とりあえず俺の
部屋に連れて行くことにした。
「で、話って?」すると、ジャックは少しの間、俯いていたが何かを決めたように「俺、家出しようと
思う」…は?一瞬頭が追いつかなかった。何を言っているのか分からなかった。
ゲームの内容と全然違うんですけど!?確かにミランを変えちゃったのは仕方ないとして、ジャックは
騎士団長に愛してもらえなくてヒロインと出会ってやっと父親に愛してもらうことが出来たんじゃないの?
なのに…「何で家出したいんだ?」ジャックは目を逸らした。「…顔を合わせたくない。」「でも、どうして
俺に?」ミランとかいたはずなのに。ジャックは息を吐いた。「お前しか、匿ってくれそうな人がいなか
ったから」まあ、ミランは絶対断りそうだもんな。でも、待てよ?ここで助けて友達になれば俺の破滅は
無くなる。よし、引き受けよう。「分かった、その代わり…一緒に寝てくれないか?」ここ最近眠れない
んだよな。俺の我儘だけど聞いてくれるかな…?ジャックは戸惑っていたが了承してくれた。
「ありがとな」素直にお礼を言った。
俺、ジャック・エヴァンズは真夜中に起きた。隣で魘されている奴がいたから。
アンディは「嫌だ…ひとりに…しないで…」一人?ここに俺もミラン達もいるのに?わけが分からなかった。
「っ一人になるくらいなら…」俺は目を見開いた。だって信じられない言葉を放ったから…。