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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

大虐殺

作者: やお

残酷な描写がありますので閲覧注意

大虐殺があれば人は

それを記録に残すが

大虐殺があったその

後始末についてはしろうとはしない

大虐殺があった後は人が減って

社会が回らなくなるが

大虐殺があった

そう一文のみ記録に残る


大虐殺があった

無惨な死体が無数生産されて

無数の肉片が辺りには散らばって

その大地に撒き散らされたぐしゃぐしゃの臓物は

どんなに集まった鴉が貪ろうとも

消えることはなく腐敗し

腐肉にまみれてそれを貪る鼠が病を運ぶ

鴉の食い残しを貪る鼠どもが黒死病を蔓延させ

黒死病の死者がまた新たな死者を手招きする

そうして近くの町も滅びた


大虐殺があった

埋め尽くす死体の山々を 処理する人ももう残ってはいない

その土地に新たな人々がやってきて

死体の片付けをするが

死体を埋める場所が足りない

よって新たな家を建てようとする人々が

柱を埋めようと大地を掘れば

そこからは悪夢の残滓ともいうべき

骨、骨、骨

人々は掘り出した骨を隣の敷地に投げ込んだ

そうして生まれた新たな火種によって

町は争い、飛び火して

人々の多くは物言わぬ肥やしとなりて

やがて土に還っていって

その争いの元凶とも言える骨の仲間入りをする


昔大虐殺があった

なんども繰り返された争いの跡も

年月が大地を覆い隠して

いつしか地上に見えなくなった

その土地には今は大きな

ものすごく大きな樹が生い茂り

そこに猿が、馬が、ライオンなどの数多の獣たちが住んだ

楽園、今ではそこをそう呼ぶ人がいる

あの日の地獄を誰も知らずに


趣味で書きました

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